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ファンクポップの革命児 カラスは真っ白 をまだ「相対性理論のよう」とか言ってる奴、終わってる

2016/07/16

ファンクポップの革命児、カラスは真っ白。

2012年の全国デビュー後、2ndミニアルバムのリード曲「fake!fake!」が、
新進気鋭のアニメーター・植草航によるスタイリッシュなアニメーションMVもあいまって、国内のみならず海外でも話題を呼び、スマッシュヒット。
今年(2015年)の9月にはあのスピッツのボーカル・草野マサムネに見初められ、スピッツが主催するライブイベント「新木場サンセット 2015」に出演決定。今、ノリにノリまくっているバンドだ。

その音楽性は、高い実力を持った楽器隊による、ジャズやファンクの要素をふんだんに盛り込んだキレのある演奏の中心に、可愛らしい女の子のウィスパーボイスを据えたものだ。

そのシュールな世界観やメンバー構成、ボーカルの声質から、彼らを説明する際に「相対性理論のような」という枕詞が付けられがちだった。
君の周りにもいるだろう、ちょっと女の子がウィスパーボイスで歌ってるバンドを見るとすぐ相対性理論を例に持ち出してくる奴。

しかし、本当にそうだろうか?

確かに当初の、ボーカルの女の子の一言しか喋らないライブMCとか、あとはMC中ずっとぬいぐるみと戯れてたりしてたとことか、Twitterやインタビューでのひらがなしか使わないキャラクターだったこととか、あと味のあるイラストを描いてみたりとか・・・うん。

しかし、それ以上に、彼らには彼らにしかないオリジナリティや魅力が有り余っている。
それを未だに「相対性理論のような」としか形容できない奴がいかに語彙に乏しくアホなのかそんな彼らの魅力を、今回この記事で明らかにしていこう。

まずはメンバー紹介から。


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シミズ コウヘイ

シミズ
パートはギター&MC。イケメンである。

鬼のようにキレッキレのカッティングが得意技だが、タッピング、スウィープなどの速弾きから、バイオリン奏法からスライド奏法まで何でもこなすスーパーギタリストだ。

最近だとその腕を買われ、アイドルユニット・LOVE ANDROIDの楽曲「モアモアTIME feat.シミズコウヘイ from カラスは真っ白」の演奏に参加したり、
元Cymbalsの沖井礼二らと共に、アイドル声優・竹達彩奈(「けいおん!」のあずにゃんの中の人だよ)のバックバンドに参加したりと、他方面でも活躍している。

 


サニー・サイドアップ - カラスは真っ白

個人的にだが、彼のギターの魅力を端的に伝えられるのはこの曲だと思う。
特に1:43~からのギターソロに注目して聴いてほしい。

曲のメロディを活かしたフレーズのセンスから、そこに加えられたオカズの気持ち良さ、さらに得意のカッティングまで織り込まれている。
ごはん・オカズ・付け合わせまで揃った、定食料理のようなギターソロである。
個性的なフレーズだが、むやみやたらに前に出るでもなく、きちんと曲のポップさは殺さずにおいているところに、彼の光るセンスが垣間見えるだろう。

 
またギター&MCというだけあって、喋る喋る!ライブ中のMCだけでなく、テレビ・ラジオ番組、インタビューまで、彼がほとんど主導している。

バンドメンバーを集めたのも彼である。カラスは真っ白の中心人物。

 

タイヘイ

タイヘイ
パートはドラム。イケメンである。

ドラムは椅子に座って演奏するものである。常識である。
ギターやベースといった、いわゆる「竿もの」パートがステージ上を自由に動き回る中、その楽器の特性上、ステージの中心から動けず、バンドサウンドの根幹を支えるに徹せざるを得ない、地味~なパートがドラマーである。
そう思っている人は居ないだろうか?

彼のドラムは、そんな常識を覆す。

彼はまず演奏中、普通に立つよね。というか、あまつさえ跳ぶよね。
私には残念ながらドラムの経験がないため、それがドラマーにとってどれほどの難易度を持つことなのかはわからないが、あれほど伸び伸びと、自由自在にドラムを繰るドラマーは今まで観たことがない。
そのタイトかつパワフルで楽しそうな演奏は、観る者をワクワクさせてくれる。
地味?いやいやとんでもない。充分な存在感を放っている。

 
また彼はNorth Pandemic Groove(通称:ノーパン)というジャズバンドのメンバーでもある。
このバンドは日本国内最大級のジャズフェスティバル「サッポロ・シティ・ジャズ」で行われるジャズ・コンテスト「パークジャズライブコンテスト」で、プロ・アマ合わせて300組を超える応募の中からグランプリを受賞。
カナダで毎年開催されている「トロント・ジャズフェスティバル」に招待されるという、国内でも有数の実力を持つバンドである。
インディーロック界隈のみならず、ジャズ界においても彼の今後の活躍が期待される。

 
ちなみに彼はドラムレッスンもひらいているようだ。
どうしても彼とお近づきになりたい熱心なファンは、これを機に本気でドラムを初めてはいかがだろうか。
私は一切責任は負いませんが。

 

ヨシヤマ・グルービー・ジュン

ヨシヤマ
パートはベース。なんかこう、「可愛い~!」とか言われてモテてそう。

 
彼の食べてるごはん、いつもおいしそう。


食べることが大好きだそうだ。

それが関係しているかどうかは定かではないが、彼のベースもまたおいしい。そう、おいしいのだ。


fake!fake! - カラスは真っ白

0:56~からの掛け合いに注目してもらいたい。

カラスは真っ白の楽曲には、曲中にセッション的なソロの応酬や、このようなキメフレーズの掛け合いをフューチャーしたものが多くある。
その中にはこの曲のように、ひとパートにつき4秒程度の短いものもあるのだが、その短い時間に差し込んでくる彼のフレーズは、どれも気持ちがいい。
スラッピングベースは確かに派手で耳に残るが、下手に好き放題やると、複雑で馴染みづらいフレーズに聴こえがちで、曲のバランスを崩してしまう印象が個人的にはある。
しかし彼のスラップフレーズは絶妙にキャッチーで、曲のポップさを壊さずに、的確に、かつファンキーにキメを締めてくる。

 
そんな彼だが2015年の“ひみつじゃないけどHIMITSUツアー”東京ファイナルをもって、惜しまれながらもバンドを脱退した。
現在は地元札幌でflower,falcon & humanというバンドを新たに結成し、活動している。
今後も精力的に活動していくようなので、ヨシヤマの第二の音楽にも期待だ。

 

オチ・ザ・ファンク

オチ
パートはベース。やっぱりイケメンである。ヨシヤマのバンド脱退を機に加入した新メンバーだ。

元々はドラムのタイヘイの別バンド、North Pandemic Grooveでベースを担当していた。
それ以前は、シンガーソングライター・なかにしりくのバンド「なかにしりくトリオ。」でベースを担当していたり、他にも様々なバンドで正式・サポート問わず手広く活動している。
北海道・札幌では名の通った若手ジャズミュージシャンである。

最近だと、あの山下達郎バンドなどで活躍するベーシスト・伊藤広規と共演したりと、確かな実力を持つミュージシャンであることは間違いない。

まだ加入したてで、カラスは真っ白における彼のプレイについて考察できることは少ないが、今後のバンドへの貢献と活躍は大きく期待される。

 

ヤギヌマ カナ

ヤギヌマ
最後にボーカル。紅一点、ヤギヌマカナちゃんです。
大学時代に、まだ歌も聴いたことがないシミズに、服が派手だったという理由だけでバンドに誘われた。

「fake!fake!」「HIMITSUスパーク」のアニメーションMVでも唯一人間の姿で描かれていたりと、バンドのアイコン的な存在。


HIMITSUスパーク - カラスは真っ白

ほとんどの楽曲を彼女が作詞作曲しており、その凄まじいポップセンスによって楽器隊の真っ黒(=ブラックミュージック的)な演奏との絶妙なバランスをたもち、楽曲を「カラスは真っ白サウンド」たらしめている。
真っ黒なカラスを真っ白に染め上げているのは彼女だ!(うまいこと言った)

 

以上の個性的な面々が カラスは真っ白 だ。

 

ライブショー

メンバー紹介の次は彼らのライブについて紹介したい。

カラスは真っ白の公演は単なる「ライブ」ではない。「ライブショー」である。
ショーというだけあって、ただ曲を演奏して終わり、ではなくオーディエンスを盛り上げるための趣向が凝らされている。
これは実際にライブの模様を観ていただいた方がはやいだろう。


ライブの模様は1:09~

 
前述の通り、シミズのパートは「ギター」ではなく「ギター&MC」である。

ジャズ・ファンク畑の楽器隊3人によるセッション的な導入の中、シミズのハイテンションなMCによってライブは進行される。
紅一点・ヤギヌマカナの姿はステージ上にはなく、コール&レスポンスや手拍子によってオーディエンスは盛り上げられ、テンションが最高潮になったところで、満を持して主役・ヤギヌマが登場する。
そのまま演奏は途切れることなくキラーチューンへと繋がっていく。

また、彼らの凄いところは、あくまで「ポップ」であろうという姿勢が徹底しているところだ。
普通、これだけの腕前を持つメンバーを集めたら、楽器隊の演奏をもっと前面に押し出していくことだろう。
しかし主役のボーカルの歌をかき消さないように、音質や音量バランスを考え、出るとこは出て、引っ込むところは引っ込み、あくまで脇役に徹している。

個性豊かなメンバーの音楽性、キャラクター、バンドイメージを考慮してのライブ演出。
これは、なかなかの策略家である。

 

最新のカラスは真っ白

そして先日、2015年9月2日リリースの4thミニアルバム『ヒアリズム』より、リード曲「ヒズムリアリズム」のMVが公開された。


ヒズムリアリズム - カラスは真っ白

ファンキーな演奏や楽曲のポップさはそのままに、サイケデリックミュージックやポストロックの要素を取り入れた、意欲作である。

彼らのファンクポップの完成度は当初から高かったが、「fake!fake!」「HIMITSUスパーク」が発表されたあたりから、「かわいい」「楽しい」だけに留まらないソリッドでクールな音像を見せはじめた。
そして今回のこの楽曲で、それは更なる次元へと突入した。
どんどん洗練されていくカラスは真っ白のサウンドは、もう「相対性理論の二番煎じ」なんてレベルではないだろう。

 
現在、この国には星の数ほどバンドがいて、その中でひとつのムーブメントを築いたようなバンドはほんの一握りだ。
そんな状況で、次々と増えていくバンドを既存のモノで例えるのはとてもわかりやすいし、手に取りやすいし、仕方のないことなのかもしれない。
しかしそれは「似ていた」としても、「同じ」ではないということを忘れないでほしい。
そして「似ている部分」ではなく「そのバンドにしかない部分」の方にも目を向けて、今後も現れてくるだろう彼らのような新しい才能が、偉大な先人の影に隠れてしまわないようにあってほしい。

 

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