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レビュー 邦楽ロック

新曲”炒飯MUSIC”って、アルカラは変わってしまったのか?

2016/11/16

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 バンドにおいてキャリアが長いことはプラスだけのことではない。バンドが売れる前から聴いてた古参ファンは、売れてきてから聴き始めた新参ファンを見下しに見下す。ライブでも最前を陣取る。

 バンドが売れてきてメジャー思考になり新参ファンに向けたような曲が増えてきた時、古参ファンはそっとそのバンドから離れて音楽好きと行く鳥貴族でビール片手にこう言う。

『あのバンド昔の方が良かったわ……』

 アルカラの新曲においてもこういう事が全国の鳥貴族で言われてしまうのだろうか。

 アルカラに対して、メジャーデビューしているけどインディーズ界のトップってイメージがあるの僕だけじゃないはず。曲もかっこいいし知名度もそこそこだけどなんとなくアングラ感がある。

 そんなアルカラがアニメ「ドラゴンボール超」のエンディングをやるらしい。アルカラすごい。

 てわけでドラゴンボールのエンディングの新曲と、過去曲を比較してみていこうと思う。

 関係ないけど普通に考えてタンバリン首から下げるの10年もやってるってヤバいよね。水洗いしてんのかな。

 

過去のアルカラ

 稲村お前風呂上りか、と思うほど髪の毛がグチャグチャだが曲は「センス」の一言に尽きる。

 科学をテーマにふざけ半分のような歌詞を、文字通りのキャッチーなうえトリッキーなサウンドと脳内麻薬かと思うほどカラフルな映像で我々に叩きつけてくる。

 歌詞はヘンテコなのに演奏と歌メロはカッコよくて頭に残る。これがこの曲の武器だ。聞いてるうちにぐるぐるぐるぐる口ずさんでしまったらもう君の負け。ロック界の奇行師の勝ちだ。

 それだけではない。コミカルな歌詞で進むこの曲だが、

何故ゆえ 二人が出会ってしまったのかを
歴史や科学でわかるのなら 嫌だ嫌だ
君がいて僕がいる それだけで笑顔
それは人智を超えた化学反応 だから だから だから
傷つけ合うためだけじゃ 嫌だ嫌だ嫌だ

アルカラ - キャッチーを科学するより引用

 こんな”事の真理”のようなキラーフレーズを、演奏的にも一番の盛り上げどころであるラスサビに突然ぶち込んでくる。

 それまでのコミカルな歌詞も全部計算に思わせるほどのパンチ。

 あのぐちゃぐちゃの前髪の奥からこんな発想が出てくるなんて。5年前とは思えない完成度だアルカラ。

 

新曲のアルカラ

 おい、ばか。おい。 

 サビで数字と挨拶とチャーハンしか言ってねえぞ、超謝謝ってなんじゃ。スッゲェありがとうか。

 なに髪型の正解見つけてんだよ。あのぐちゃぐちゃどこいったんだ、割とアップでも見れる綺麗さだな。

 あと踊んな!やめろ!フレデリックか!!

 昔のアルカラが好きな人はこんな感じに思うかもしれない。そういう人はこのMVを見たその晩に音楽仲間と鳥貴族に飲みに行く。そして落ち着いたあたりでこう言うのだ。

『アルカラ昔の方が良かったわ……』

 鳥貴族に向かおうとしてるそこのあなた、ちょっと待って上着を脱げ。

 もう一度この曲考えてみよう。

 まずサビだが歌詞はさておき、メチャクチャ頭に残る。このMVショートバージョンであり、サビを聞けるのは3回のみだが見終わった時もう頭から離れないだろう。

 演奏面はどうか。

 ドラムがかなり細かくオカズを入れつつ空間を埋めるようになっており、かなりテクニカルな演奏だ。ベースはAメロではエッジの効いたフレーズ、サビではスラップベースと今曲の中でも”ロックバンドさ”を損なわないように絶妙なバランスを取っているように感じる。

 ふざけた歌詞だがキャッチーなメロディと、トリッキーでかっこいい演奏。

 あれ?アルカラ、根底は変わってないんじゃね?

 

本来のアルカラとは

 この映像は彼ら主催のフェス”ネコフェス”の映像だが、これからも分かるようにアルカラのライブといえば稲村さんが女装したり、大阪人丸出しの面白トークで笑いを取りまくったりと自由空間である。

 その上彼ら過去には孫のいるおばあちゃんだったり、怒りの沸点の低い町娘だったりを題材にしたふざけ倒したような歌詞の曲もあり、それらもファンにはライブで楽しめる要素として受け入れられている点もある。

 そこを踏まえると今回の「炒飯MUSIC」も、ライブに通うファンは受け入れるのが容易な気もする。

 とはいえ個人的には過去の「キャッチーを科学する」や「名探偵ミスタ、相棒はジョニー」のような、ロック界の奇行師感が前面に押し出たキラーチューンを今の彼らに期待している気持ちもある。

 1つのバンドにも見方やイメージはファンの数だけある。キャッチーで数学的なロックサウンドをイメージするファン。ライブパフォーマンスや人柄やアルバム曲から自由でユーモラスなイメージを抱いているファン。前者には面食らう楽曲かもしれないが、後者には今回の楽曲を彼らの新たな一面として楽しめるんじゃないだろうか。

 ともかく、ドラゴンボールのエンディングで知名度が上がるであろう今後に期待だ。

 それと稲村さん髪型定まって良かったね。

 ではまた。

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