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[Alexandros] "Feel like"はかっこいいけど"ムーンソング"って、正気か

20160909-alex

 [Alexandros]が来月頭、新アルバムを出すそうで、そのリリースに先駆けてアルバムからFeel like、ムーンソングがMVで公開されている。

 ドロスがMVバシバシ出してくれるのはいつも通りなんだけど、それにしても今回はMVになっている収録曲が多い半分とは言わないまでも4割近くがタイアップ/MVで剥き出し。ようぺはとんだ露出狂よ。

 彼らの楽曲、曲調の幅が異様に広い。最近は特に

 こんな感じの曲もあったりで、誰だ君らはと。ドラムの人の顔初めてちゃんと見たぞ。かわいいじゃんか。

 そんな[Alexandros]だけど今回の2曲は特に振り幅が大きく、互いに向いてる方向が真逆。ヤバい。アルバムリリース前から攻めてる。これファン以外も聴き比べて面白いんじゃないか。今回はそういう話題です。どうぞ。

 


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Feel like

 いや、こんなの全然日本人好みの音楽じゃないじゃんと。売れ線のウの字もない。たぶん、うちのおばあちゃんに見せてもそもそも日本人だということすら理解してくれないと思う。最近ボケ始めてるし竹槍と防災頭巾の準備に取り掛かりかねない。

 そう、もうこれ洋楽の領分に差し掛かっているのである。これがどーなのかと。

 ご存知の通り洋楽は日本人にウケない。特に洋楽世代じゃない今の10代20代には洋楽文化はほぼ死滅状態。フジロック?WANIMA見て帰ります。そういう状態。売れたかったら日本語でAメロBメロサビの順で歌えの世界だ。その中でコレ。ようぺマジ?

 しかし[Alexandros]の海外志向は今に始まった話でもない。彼らは前の名前の時から英国のロックフェス出場を目標に掲げており、国内がやれダンスロックブームだフェスブームだとやっていた期間もガン無視でOASISを現代解釈し、時にはパクりだと揶揄され、そてでも自身のオリジナリティを貫き、終いにはフランスに訴えられていた。経緯だけ見るとギャグだろこのバンド。ようぺマジか。

 当時のブームとは関係のない音楽を鳴らし、それでも結果を残し続け着実に人気を伸ばし、今の地位まで到達したこのバンド。一瞬だって売れ線に媚びたことはない。だが、今作ほど国内の反応や風潮を無視して洋楽に寄ったリリースはなかった。振り切ってる。ようぺマジでイギリス行きたいんだなと。

 そんなFeel likeの公開から一か月を待たずに先日公開されたのがコレ

 

ムーンソング

 対照的にガッツリ東を向いている。

 まずタイトルがカタカナ。小卒にも読めるこの配慮。そういう部分からもようぺからの国内へのアツい視線を感じる。

 悪く言えば変化がない。けれどFeel likeで攻めた分ちゃんとこの"いつもの[Alexandros]"でバランスを取っている感じがするのだ。2サビ前のBメロのドラムの連打パターンなんかホントいつものヤツ。実家って感じ。

 サビで高音パートを歌って、Cメロで聴かす編成も、彼らの一番のヒットソング、ワタリドリと似通っている。けど、ちゃんと現在のドロスっぽい仕上がり。国内人気がなくちゃもちろん海外を狙う余裕もなくなってきてしまうわけで、二重構造でバランス取れてる。

 

一見ムーンソングの方が国内ウケが良さそうだけど、逆にFeel likeの方がウケるのでは

 話が二転三転するけれど、海外志向のFeel likeの方が国内向けのムーンソングより、国内の既存リスナーにウケるんじゃないかと。ていうか、僕がこっちの方が好き。

 Bメロで落としてサビでドン。っていう日本の歌謡曲的な形じゃないんだけど、リフ、Aメロ、サビの3つで構成されていて超わかりやすい。曲の展開はリフを回転させ続けるだけ、超わかりやすい。

 あと映像が単純にキレイ。何回も見たくなっちゃう。

 これはファンには同意されるかわかんないんだけど、最近のドロスは何か海外と国内の音楽性の差の折衷に悩んでいる感じがあった。前アルバムのALXDの時点で、あっちこっちに音楽性が遊んでいる兆候があったけれど、I want u to love meとかNEW WALLとかは彼らの新しい形の模索があったと思うのだ。正直僕はあんま好きじゃない。今回のアルバムは欲しいけど、このシングルは買わなかったし。そういう人ファンにもいるんじゃないだろうか。

 それが今回のFeel likeで洋楽性に振り切れてて、でもポップで、そういう部分が日本人の邦楽が好きだとか洋楽が聴けないだとか、そんなのを超えてウケんじゃないかなと。新しい形として受け入れられるんじゃないかと。少なくとも僕は超好き。

 逆にムーンソングは今までのキラーチューンと比べると力負け感が。

 キャリア初期から冴えたキラーチューンを連発してきた彼らにしては、ムーンソングはなんだかパンチが弱い。一回聴いて即座に「かっこいい!」ってなる曲じゃなくてアルバムで通して聴いてだんだんかっこよく聴こえてくるヤツだ。

 Cメロがカッコイイんだけど、そこに行き当たるまでちょっと長いし、あと"ムーンソング"ってカタカナが絶妙にダサい。いやこれは狙ってるのかもしれない。見慣れるとカッコイイ的な。でも最初見た時「ムーンソング!?マジペイン!?」ってなったよ僕は。

"CD"(全14曲)
収録曲
01. ムーンソング
02. Kaiju
03. Girl A
04. Claw
05. O2
06. Feel like
07. Aoyama
08. Nawe, Nawe
09. Buzz Off!
10. クソッタレな貴様らへ
11. Swan
12. I want u to love me
13. 今まで君が泣いた分取り戻そう
14. NEW WALL

 KaijuとAoyamaがアルファベットなのになんでムーンソングはカタカナなんだ。おかしいだろ。シリア出身のヤツはこういう節ある。ドロスはそういう節マジである。

 洋楽性邦楽性を覆して、振り切った[Alexandros]がファンから支持を得るなら、それはすげえ面白えなと思うのだ。当人たちは何を思っているかは計り知れないけれど、Feel likeの方が数字を伸ばすなら、少なくともメーカー側の予想を裏切る結果となるだろう。

 ONE OK ROCKやセカオワなんかもガシガシそういうアプローチを見せているけど、彼らも国内外問わずに支持を得る楽曲性を発見できてはいない。「ワンオク最近どうしたん」みたいな声もよく耳にする。

 そう思えば、それを一早く実現できそうなのは[Alexandros]なのかもしれない。少なくともFeel likeはウケるんじゃないか。

 みなさんはどっちの方が好きですか。ALXDも怪作だったけれど、今作はもっと混沌としてんじゃないか。とにかく絶対面白い。アルバムは予約しようと思う次第だ。それでは。

 

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