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SMILE~元バンドマンが名プロデューサーに~

2016/07/16

バンドマンの成功例は、バンドが売れ長く最前線で活動することだけではない。

例えば、元SUPERCARのいしわたり淳二は音楽プロデューサーとしてチャットモンチ―や9mm Parabellum Bullet、ねごと、NICO Touches the Walls等数多くのアーティストを手掛けている。これは彼のバンド時代の実績と同等あるいはそれ以上の物があると言っても、何ら異論の余地は無いだろう。

そして、いしわたり淳二と同じく元バンドマンプロデューサーとして活動し成功を収めている人物がまた一人存在する。それでは、まずバンドの頃の経歴からご覧になっていただこう。


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彗星のように現れる

SMILE(スマイル)は1995年にメジャーデビューした5人組バンド。インディーズ時代、バンド名は「ビーフリー」として静岡県を中心に活動していたが、メジャーデビューを機にSMILEと改名した。

1995年7月21日リリースの1stシングル『明日の行方』はCOUNT DOWN TVエンディングのタイアップを受け最終的に約12万枚のスマッシュヒットを果たし、SMILEは文字通り鮮烈なデビューを飾る。

サザン桑田を彷彿させるボーカル浅田信一の存在感ある歌声が話題を呼び、ミスチル、スピッツと何処か懐かしい日本のフォーク・歌謡曲要素を含むロックバンドが当時台頭していた追い風も受け、まさに時代が待ち望んでいた大型新人の到来だった。ここからデビュー3年目の1997年までは、今か今かとブレイク待った無しの状態に入っていた。

しかし、デビュー4年目の1998年に一大転機を迎える。

 

デジタルロック路線へ

1998年元旦リリース6thシングル『DRIVE』で、SMILEは大きな路線変更に踏み切った。この頃、Underworld, The Chemical Brothers, The Prodigy等のデジタルロック(広義に言えば、テクノの一種である)と俗に呼ばれたジャンルが英米で流行っており、SMILEはその感触をバンドに取り入れようとした。

しかし、1998年の日本のロックシーンは翌年のバンド戦国時代に向けて過渡期になろうとしていた。まず、1998年の大きなブームは、GLAY, LUNA SEA, L'Arc〜en〜Ciel等のヴィジュアル系だ。さらに水面下では、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT, TRICERATOPS, GRAPEVINE等のギターロック、Hi-STANDARD, BRAHMAN, SNAIL RAMP等のインディーズパンク、Dragon Ash, BACK DROP BOMB,山嵐等のミクスチャーと、巨大な新勢力達が息を潜めていたのだ。残念ながら、SMILEはその流れに入っていなかった。

デジタルロック路線は当時のロックシーンで新鮮かつ最先端だったものの、元々のSMILEの音楽からあまりの変貌振りに、多くのファンは戸惑い離れていった。

1999年4th及びラストアルバム『FOR YOUR SMILE』をリリース。これまでのSMILEを統括した最高傑作になっている。しかし、それは全てやり尽くしたという意味でもあった。2000年、SMILEは2枚のシングルを発表した後に、活動休止のアナウンスを告げた。そして、2004年一夜限りの再結成ライブを行い、正式な解散となった。

 

名プロデューサー・浅田信一

SMILEは解散以降、ひっそりと人々に忘れ去られていくはずだった。しかし、近年になって再び注目を浴びつつある。下記はクリープハイプが『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』をリリースした際、尾崎世界観に行われたインタビューの一部だ。

「この曲はプロデューサーの方に1回丸投げして、返ってきたものをこっちで解釈して出したんです。絶対バンドだけではできなかった曲なので、こういうのを勉強して、吸収して、自分たちできるようになりたいですね」

――今回プロデューサーはどなただったんですか?
「高橋優さんとかもやってる、元SMILEの浅田信一さんです。僕は昔SMILEがすごく好きだったので、〈やってもらえないですか?〉ってお願いして、今回は全体を通してやってもらいました」
INTERVIEW(4)——自分が誰よりもわかってるってことを伝え続けたい より

現在、SMILEのボーカル浅田信一はプロデューサーとして活動している。上記のクリープハイプ、高橋優のようなヒットチャートに名前を連ねる若手から、GOING UNDER GROUND, HYと実力あるベテランまでプロデュースし、今や日本ロックシーンを形成する最重要人物の一人と言っても過言ではない。此処で、彼がプロデュースする期待の新人バンド・赤色のグリッターも地下室TIMESとして触れておこう。

エッジの効いたギターサウンドが特徴的な一曲。我武者羅なあまり今にも泣きそうに思えるボーカルと一貫して落ち着いた女性ベースのコーラスが、独特のコントラストをもたらし、歌詞のメッセージ性がより強く響くだろう。

2015年、SMILEはデビュー20周年を迎えた。今こそ彼らの音楽が評価される時だが、オリジナルアルバムは全て廃盤になっており、中古CDショップを回っても揃えるのは中々難しい。しかし、幸い、ベストアルバムがあるので是非手に取ってみてはいかがだろうか?今なお色褪せずこれからも多くのバンドに影響を与える音楽が確かに存在する。

GOLDEN☆BEST SMILE All Single Collection+

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