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2016/02/17

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帰ってこい、ELLEGARDENの細美武士!!!

あなたには、忘れられないバンドがいるだろうか?

これは僕の自論だが、ロックバンドを愛する人にはもれなく、自分の中で革命を起こしたバンドというのが存在するような気がする。それはTHE BLUE HEARTSであったり、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTであったり、ナンバーガールであったり、Hi-STANDARDであったり、最近ではBUMP OF CHICKENであったりと……いやもう、この手のバンドは挙げたらキリがないので割愛するけれど、とにかくロックを好きな人には、何かしら「入口」となったバンドがいると思うのだ。

僕にとってのそれは、ELLEGARDENだった。

確か中学1、2年とかそこらの頃だ。レンタルCDショップに行って、何の気なしにエルレの4thアルバム「RIOT ON THE GRILL」を借りた。――衝撃だった。
その頃の僕は「オレンジレンジ最高! ウェーイ!」みたいな中坊だった。いや、ウェーイは言ってないと思うけど、オレンジレンジの「*〜アスタリスク〜」こそがマジ最強でウェーイな音楽だと思っていた。それなのに――。

それこそ、鈍器でぶん殴られたみたいな衝撃だった。鉄板の上の暴動だった。

そんなわけでこの記事は、細美武士という男に音楽の素晴らしさを叩き付けられた少年の、叫びである。エルレ好きはこの機会にもう一度、ウォークマンの中にあるアーティスト「ELLEARDEN」の項目をプッシュしよう。そんで僕と一緒に、「ロストワールド」という曲の素晴らしさについて語ろうぜ。

ELLEGARDEN

ELLEGARDENの魅力、僕はそれを「わかりやすい疾走感」にあると思っている。何も考えずにノレるのだ。

正直な話、歌詞に魅力を見い出すバンドではない気がする(いや「Good Morning Kids」とかは、和訳を見ればグッとくるが)。そもそも英語詞が多いので、歌詞まで読み込めるリスナーは少ないだろう。
でも、僕はそれでいいと思う。憂鬱な時にiPodから彼らの音楽を選択し、文字通り「音」を「楽」しむことで自身のエナジーに変えればいいのだ。そういう力がELLEGARDENの音楽にはある。

だいたい、彼らの曲はもれなく持っている熱量がパないのだ。捨て曲、という言葉が万延している音楽業界において、エルレの曲はそれがない。アマゾンレビューかなんかで「細美の作る音楽=どれも最高」という方程式を書いてる方がいたが、まさにその通りだ。エルレにはまった人がアルバムを買った時、後悔することはほぼあり得ない。

そう。細美武士が作ったELLEGARDENの曲は、すべて最高だった。

the HIATUS

しかし、彼らは2008年に活動を休止。ギターの生形は「Nothing's Carved In Stone」を結成、ボーカルの細美は「the HIATUS」としての活動を始めた。
ただ僕自身、もちろんショックではあったが、悲観はしていなかった。細美武士は最高のフロントマンであり、最高の作曲家だ。彼が曲作りを止めないのなら、それは「ELLEGARDENが死んでいないこと」と同義だと思った。

実際、the HIATUSのファーストアルバム「Trash We'd Love」はかなり良かった。

ピアノアレンジを加えつつ、エルレの疾走感を損なっていないエモいロック。この曲以外にも、このアルバムに入っている「Storm Racers」なんかは往年の突き抜けるようなギターロックで、エルレファンの僕にしてみればどストライクだった。

the HIATUSが出したファーストは、エルレファンにも受け入れられるものだったと、個人的には思う――けれど、この時点であることに気づき、離れるファンも少なくなかったのかもしれない。
僕もセカンドが出た時点でようやく、それに気づいた。

エルレの細美≠ハイエイタスの細美


「ELLEGARDENの細美武士」は、死んでいた。
セカンドアルバム「ANOMALY」で歌っているのは、彼じゃない。「the HIATUSの細美武士」だ。
決して、the HIATUSの音楽が悪いわけじゃない。むしろ、バンドサウンドでここまで完成しているのは凄いことだろう。けれど僕が「Red Hot」で、「Space Sonic」で、「The Autumn Song」で感じたあの興奮、昂揚感、爽快感はそこにはなかった。

確かに「西門の昧爽」など、スカッと殴られる曲もあるにはある。けれど――そっちがスパイスだった。セカンドアルバムにおいてメインを張っているのは「The Ivy」や「Walking Like A Man」で、細美が聞かせたいのはそっちなのだと否が応にも感じさせられてしまうのだ(事実、公開されているPVもそういうチューンで固まっている)。

もう一度書こう。このアルバムが出た時点で――「ELLEGARDENの細美武士」は、死んでいた

最後に

それ以降のアルバムは、わざわざ取り沙汰することもないだろう。それでもやっぱり好きな曲はあるから、アルバムを聴いてしまうし――「Shimmer」や「Horse Riding」など、細美が天才だと再確認させられる曲もthe HIATUSは生み出しているのだが、エルレの音楽がもうそこにないのは厳然とした事実である。

そんな彼が2015年、新たにソロ活動を始動するらしい。the HIATUSとは別のプロジェクトだ。
それを聞いて僕が思うのは、ただ一つだけである――。

 

帰ってこい、ELLEGARDENの細美武士!!!!

 

低い位置でレスポールのギターをかき鳴らし、青筋を立てながら叫ぶように歌う、エルレ細美の音楽がもう一度聞きたい! そう、ファンの一人として心から願う!
今やもう、ELLEGARDENとして活動を再開するのは、なんというか色々と難しそうだけれど(生形さんもあっちが上手くいってるし)……そういう音楽をもう一度、リスナーに届けて欲しい、と。本当に身勝手なワガママだけれど、一個人の戯言として僕はそう思うのだ。

…………おおう、ここまで書いといてなんだけれど、本当にただの痛いファンの叫びだな、これは。エルレファンの皆さんにすら、共感してもらえるか怪しい記事になってしまった。
だからまあ、この記事が――音楽プレイヤーに眠っているELLEGARDENの項目をまた聞き直して、「やっぱエルレこそ至高だわ」とかドヤ顔で言うキッカケにでもなれば幸いだ。


 

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