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2016/07/16

記事 邦楽ロック

アニソンで一発当てるのはバンドとして正解なのか。WINO

WINO、というバンドがいる。
お世辞にもあまり有名なバンドでない。が、この曲を耳にしたことはないだろうか。

そうHUNTER×HUNTERの旅団編OP、太陽は夜も輝く だ。
もしWINOという名前に憶えがあるというのなら十中八九この曲、このOPだろう。

アニメの薄暗い雰囲気と相まって、数あるアニメソングの中でも屈指の名曲として挙げられる曲だ。

WINOはこの一曲で一気にハネた。この他にもタイアップを受けていたようだが、当時はともかく現在では彼らの知名度=ハンターハンターのOPという構図になってしまっている。

さてはてここでタイトルに着地したい。
アニソンで一発当てるのはバンドとして正解なのか?

バンドとアニソンは切っても切れない関係にある。
オタク文化とサブカルは両者ともに学生生活の日陰者のためのコンテンツ。悲しいかな、反発しあうようで確実に隣り合っている。

そこそこの知名度のバンドがアニメソングでチャンスを掴み、一躍その路線で終年バンド活動を続けられる土壌を築くことは今では言うまでもなくだ。
しかしだ、燃える火が大きいということはロウソクの減りも早いということだ。

今回はWINOからバンドにおけるアニソンの是非について考えたいと思う。

WINOってどんなバンド?

WINO(ワイノ)は、日本の5人組ロックバンド。主に90年代のUKロック、そのムーヴメントであるブリットポップに影響を受け、日本のUKロックファン層を中心に支持された。アニメ「HUNTER×HUNTER」のオープニングテーマ「太陽は夜も輝く」がスマッシュヒットするも、その後の契約関係でメジャーでの活動が困難となり、4thアルバム『EVERLAST』リリースに伴う全国ツアー終了後の2002年(平成14年)11月に解散。
Wikipediaより引用

そういうことである。今でこそどこを探してもいない、この年代らしいバンドだ。一曲聴いてみよう。

真っ直ぐオアシスの影響を受けた邦楽。特にギターなんかは顕著だ。
ボーカルに目を向けたときに、高音ばかり取り沙汰されがちだが、WINOのように低い音もちゃんと音量を稼げて通る声のほうがよほど珍しい。歌は低い音のほうがずっとか難しいのである。

ルックスはなんだか野暮ったく思えるかもしれないが、時代だ。今したり顔で街角スナップとか撮られている読モだって、30年後の誰かに指さされて笑われることだろう。
今ぼくらが思い描くバンドマン像はART-SCHOOL以降の産物であり。この現状からは考えづらいが、フェンダーのギターにマッシュ細身みたいな人間はそれ以前には存在しなかったのである。アート木下が撒いた胞子がなければこの現状はそもそも成立していない。木下すごい。

じゃあその前はどんな人がバンドを?考えたときに多かったのがこのタイプ。
といっても、今振り返って過去を見ればなんだかバンドも雛形がちゃんと定められておらず、小さなムーブメントがたくさんあって今よりももっと音楽が混迷していた時代だ。

当時は今よりもテレビの力が絶大であり。デレビが向いた方向に全員が首を傾ける恐ろしい世の中だったと聞く。そうなってくるとバンド業界も成功の道はただ一つ、タイアップに上手くひっかかることだ。

 

今でも権威のあるテレビ業界

若者のテレビ離れだとかなんとかいうが、なんだかんだみんなテレビは見ている。見てなきゃそもそも最近のゴールデン番組はジャニーズエグザイルAKBばかりで面白くない、なんて意見すら出てこないハズだ。

実際、枕でも書いたように現在もテレビの影響力はすさまじい。アニソン一発当てれば一気にスター街道まっしぐらもあり得なくない。
しかしだ。もらうタイアップによってはアニメ業界の色、すなわちオタクカラーが濃厚な場合もあり。そうなると一色で統一されていたファン層に別の色が加わり、濁ったり、塗りつぶされたりもするだろう。

客観的に見るに、声を上げてテレビを嫌う人間というのは意識・自意識の高い人間か、もしくはサブカル人間である。そしてバンド業界を支えるのがそのサブカル人間。悩ましいことである。

ファンの属性、というものは確かにあってだ。その属性が全く違う巣、今回でいうアニメ業界に飛び込むということは、もともと抱えていたファン達と何かしらの軋轢を生むこともある。
新規のファンたちはそれを気にすることはないが、元いたファンのみなさんとしては思う所は一つ二つでは収まらず、程度によってはそのバンドから離れていってしまうこともあるんだろう。

 

話をWINOに戻すと、まぁ結果的には解散してしまった。
どこまでも机上の空論だがメジャーでタイアップ勝負の活動を続けるのではなく、また別のアプローチだったらば長く見守ってくれるファンに支えられた活動継続が可能だったのかもしれない。

これで正解!ということは何一つない。とにかく夜も太陽は輝くは結果を残しただけあって珠玉の名曲だ。買ってでも聴いてほしい。

あなたの応援しているバンドがアニソンを歌った時、あなたはどう思うだろうか。
それも含めて心底応援できるようなバンドを是非、見つけて欲しい。

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