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話題沸騰 賛否両論 yahyelというバンド

2017/04/15

 yahyelというバンドが今アツい。

 バズリズム「これはバズるぞ2017」TOP3入り。スペースシャワーTVの「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」にノミネート。METAFIVEのオープニングアクトに抜擢。フジロックに出演。

 からの宇多田ヒカル新作MV監督・米津玄師ニューシングルMV監督にyahyelのメンバーdutch_tokyoが抜擢。

 2015年結成からたった1年2年足らずの間にこの話題性。

 メディア関連、実績関連だけじゃなく実際の人気も急速に伸びてきてて、限定で出したCDは速攻で売り切れたらしいし、SNSを覗けば各所で絶賛されているし。

 半端ない開幕前夜感。既に結構キてるが、恐らく近いうちにもっと売れると思う。

 今までの経験上、短期間でこれだけの注目を集めたバンドはその半年後ぐらいにフワっと一つ上のステージに上がる。サチモスが売れる前もこんな感じだった。各所が「カッコいいバンドがおる」と騒いでんなあと思っていたら、気づいたらラジオでバンバンかかるし、気づいたら車のCM曲になってお茶の間がステイチューンしていた。

 僕の予想だと恐らく次のリリース辺りで攻勢に掛かってくるような気がする。


yahyel - Once

 さて、そんな今ホットなバンドyahyelはこんな感じの音楽性でございます。

 僕が聴いた感じではJames blake+Nick muphy(Chet faker)みたいな印象。そもそもが海外を意識したバンドということもあって、サウンドもだいぶ海外寄り。というかほぼ洋楽。言われなきゃ日本人ってわからない。

 こういう音楽海外では結構流行ってるのに日本では聴いている人全然いないし、こういう音楽をやってるバンドもほとんどいなかった。最近は海外のシーンを意識しているバンドも増えてきているけど、ここまで振り切ってるのはなかなか珍しい。

 彼ら、音楽だけじゃなくバンドのコンセプトも割と尖っていて、キーワードは「匿名性」とのこと。アーティスト写真とかも誰が誰だかわからんようになってる。彼らとしては日本人だとか外人だとか、性別、年齢がどうこうでフィルターをかけずに音楽を聴いてほしいらしい。

 覆面バンドと似ているけど、ちょっと違う感じだ。別に顔を隠しているワケでもないし。音楽を作ってる側を意識させないという面では覆面バンドより覆面してる。

 というわけで今回はこんなバンドyahyelについて考えていきたいと思います。

ネット上での評判が非常に悪い

 FF15のレビュー欄みたいになっとる…。

 最近アツいとはいえば、まだまだまだまだ若手だし、特にコレといってヘイトを稼ぐような真似もしてないのにも関わらずこの低評価率。Youtubeのコメント欄もそこそこあれているしな。

 とはいえネットも現実もそうだが、「ええやんけ」と思ってる人はわざわざネットに悪口を書き込んだりしないし、逆に何かいちゃもんつけたい人はせっせと書き込む。サイレントマジョリティというやつ現象だ。

 基本的にはこういうのはあんまりアテにしない方がいいと思う。自分の耳を信じるべき。

 とは思うんだが、それにしても多い気がするんだよなあ。

 低評価をつけてる人たちをみると、恐らく元々この手の音楽が好きな人たちがアンチになっているんじゃないかと思った。

 

 最近ファッションではMA-1が流行ってるけど、アレをみて怒っている人たちと同じ現象だと思う。

 Pコートが流行っているときもチェスターコートが流行っているときも、ダサいと言われながらもMA-1を愛し続けてきて人たちからすれば、流行りにとびついてMA-1を着ている人たちが鼻につくのだ。

 「ミリタリーもかっこいいのになんでみんな着ないのかわかんない」と言っていたのに流行ったら流行ったで「なんにもわかってないまま着ている。冒涜だ」と怒り出す。人間って面倒くさいね。

 yahyelというバンド自体がオシャレなものとして扱われているとこまで含めて、そういう人にとっては虫の居所が悪く感じるんじゃないだろうか。

 

彼らの理念を尊重するからこそ、絶賛はできない


yahyel - Alone

 ネットで評価が悪いのは上に書いたようなものが理由だと思うんだけど、じゃあ僕はというと、どちらかといえばネット上のアンチに近い側。僕もまさに上に書いたような面倒な人間なので手放しで褒めるのはちょっとできない。

 このバンドの”誰が作ったかよりも音楽そのもので判断してほしい”という理念。僕はとてもいいと思う。ゲス極の諸々でも浮き彫りになったけど、やっぱり世間というものは音楽どうこうよりも話題性だったり流行りだったり、そういう部分に左右され過ぎの部分がある。そういう意味でyahyelというバンドは存在そのものが今の音楽シーンに対して一石投じていて僕は好きだ。

 音楽性の面でもその理念を体現しているとも思うし、そこもとてもいいと思う。リスナーの好みに合わせた音楽いわゆる”売れ線”とは真逆の、自分たちがカッコいいと思える音楽を作って世間に投げかけてく反骨精神みたいなところもいいし、それでいて既に一定の評価を得てるのもすごい。

 気持ちとしてはこのまま「yahyelはコンセプトもグッドだし、音楽も超グッド!ネットでアンチを書き込んでるやつらなんか気にせず頑張れ!」と書きたいところだ。本当に。とっても応援したい。

 だが彼らの理念を尊重、リスペクトしようと思うからこそ、そうは書けない。これだけ真摯に音楽にぶつかっていってるグループだ。思ってもない賞賛を言う方が侮辱だ。

 というワケで正直に書くと僕はこのバンド、音楽は微妙だと思います。


Chet Faker - I'm Into You

 理由はシンプル。海外の似たような音楽のがカッコいいから。

 完全にこれは言い訳だけど、yahyelの音楽が絶対的にダメというわけではない。どちらかというとカッコいいと思うし個人的には結構ドストライクな音楽性だし。

 ただ友達が作った割には腰が抜けるほどウマいメシと高級料理店のメシを食わされて、どっちがおいしかった?と聞かれて味だけいえば高級料理店と答えるような感じ。

 海外で流行りのサウンドを再現しているからこそ、同じ土俵で評価できるというか。日本というくくりを外した瞬間にこういう感じのアーティストが山のようにでてくる。その中で混ぜて聴いたときに、若手ということもあるだろうけど、単純なクオリティ面でも見劣りするしていると思う。いや、めっちゃかっこいいんだけど。

 このあたりは好みの範疇といえばそうだけど、彼らの音楽性や音楽的ルーツを考えても現状では無駄に難解になっているように感じる。”チル”な感じで聴いていたら急によくわからんテンション感になったりとかさ。

 


Jack Garratt - Worry

 他のアーティストでは替えが聴かないような個性があるかと言われればそういうわけでもない。

 上のJack Grrattも同じ方向性を持つアーティストだけど、その界隈ではどちらかというと後発気味のアーティスト。彼の場合は一人で全楽器を同時に演奏するという曲芸も持ち、もちろんそれだけが彼の魅力ではないけど、見た目にもわかりやすい個性としてこういう技を持っている。

 僕が大好きなTom mischというミュージシャンも似たような感じだけど、二十歳そこそこでベテランミュージシャン顔負けのギターテクを持ち合わせているしな。

 流行りの音楽だからこそ、海外で今一線で活躍しているアーティストはほかの追随を許さない圧倒的なクオリティか、誰もマネできないオリジナリティを持っているのだ。この手の音楽は日本だけならブルーオーシャンだが、海外も含めた途端にレッドオーシャン。

 彼らの理念通りに、国籍年齢話題性やら諸々を考慮せずに純粋に音楽だけで評価するならば、この海外勢のことを置いて話を進めるわけにはいかないと思うし、その結果としては手放しで褒めるわけにはいかないなと思うんです。

 

 まあここで僕が何を書いたところでyahyelはもっと有名になっていくだろうと思う。そういう筋道が既に完成している。

 こういう言い方は彼らにとって失礼だとは承知の上だが、”日本の若いバンド”としてみるならばフルスコアだ。これからの伸びしろもたっぷりあるし。

 だが、彼らの言うとおりに”匿名”の音楽として聴くとなると僕は絶賛はできないなと思う。現状じゃ海外勢と同じ括りに入るので精一杯になってる感じがする。

 ただ普通にカッコいいと思うし、こんなことこの年齢で実現できる日本人が現れたのは奇跡。バンドの理念も音楽性も、向いている方向はとても好きだ。現段階でも、彼らがじわじわと人気を伸ばしているということ自体が面白い事態になっているように思うし、これからもっと面白くなっていくように思う。

 結局褒めてんのかディスってんのかよくわからん結論になってしまったけれど、個人的にはかなり期待しているし楽しみにしています。

 それでは!

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