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Ykiki Beatの活動停止と、3人の新作DYGLの「Say Goodbye to Memory Den」

 Ykiki Beat聴いてました?

 

 ぐるナイのEDになってたこの曲、洋楽じゃなくて当時若干21才、5人の日本人で結成された国内のバンド。彼らYkiki Beatの名前が聞かれ始めたのは約3年前ぐらいの出来事だ。

 当時の邦楽バンドシーンはというとKANA-BOONがナルトの主題歌を歌い、中堅バンドらへんでは

「時代は四つ打ちだ!ダンスビートだ!」

 と猫も杓子もダンスビート依存、1・2弦ばかりを行き来するリードギター、そういう時代だった。Suchmosも星野源もまだ表舞台の人じゃなかったと思うと随分大昔の話だ。

 そんな潮目の中で21才がこれ。各位絶賛の嵐で、同期や上世代のバンドが若すぎる才能に震え上がっていた。アクモンが出てきたときに、ゴーストライター説がまことしやかに浮上した時と同じ空気だった。

 洋楽リスナーが絶滅危惧状態にある今の日本で、この音楽性で異例のヒットを叩き打ったYkiki Beatなんだけど今年頭に活動休止をアナウンスしている。

 

 ということで、メンバーの3人が元々並行して活動していたDYGLとして活動を本格化させたのが最近の話。で、先日DYGLの新譜「Say Goodbye to Memory Den」がリリースされたんだけど

国宝

 マジでかっこいい。なんだこれ。ビルボードに並べ。

 Ykiki Beatは時系列で並べると、後期ローファイ色が再燃して(かっこいいんだけど)2000年代によく聴かれたようなインディーロック要素が濃くなっていったように聴こえる。のだけれどDYGLはそこからもう一歩鮮麗されて、今の海外のシーンで聴けるポップで解像度の高い一面が垣間見ええつつ、2000年代の洋楽シーンをそのまま押し固めたような、俺たち世代にはたまらない音楽性だ。本当に海外のチャートに並んでいても違和感がない。「日本からこんな音楽が生まれるのか」と聴いた誰もが衝撃を受ける一枚となっている。

 Kidori Kidoriのマッシュさんに、今キてる4バンドを紹介してもらった記事でも彼らの名前が挙がったけれど、良すぎて話題に出さざるを得ないので、ろくなプロモーションが打たれてるわけではないのに勝手に国内で名前が広がっている状態。

 

 アルバム収録楽曲のライブ映像。なに、この人たち本当に日本語喋れるの?「お母さんベイブレード買って」とか言ったことあるのかこの口で。ないだろ。

 やっぱり各国、その国らしい独特の音楽性があるわけで、そこから外れると「うわ、海外の音楽だ!」っていう感想になりがちなんだけど、俺が今DYGLに思っているのは「日本人なのに洋楽みたいですごい!」じゃなくて「この音楽かっこいい」っていう無国籍な感情。ナニジンの曲だとしてもかっこいいです。

 洋楽みたいな邦楽ってライブに行きやすい!ってメリットは確かにあるけれど、基本的に「洋楽聴けばよくね」って話になりますからね。でも彼らはそういう土俵じゃなくて、もうマジで音楽として良い。贔屓目ないです。

 国宝です。大事にしましょう。アルバム買いましょう。

 それでは。

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