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谷澤 千尋

2016/02/17

記事

LINE MUSICは音楽が売れないこの状況をむやみに悪化させるんじゃ・・・

サブスクリプション型音楽サービス、いわゆる定額制音楽聴き放題サービス。
つい最近AWAとLINE MUSICがサービスを開始した。
大きなニュース、話題になったので知っている読者の方も多いだろう。

正直だ。
正直に言うと私はめちゃくちゃ期待していた。
欧米で同じく定額制音楽聴き放題サービスのSpotifyなどが流行り、大きく構造を変えざるを得なくなった音楽業界。
案の定のことだが、日本ではそのスタイルに大きく反発がおこり、以前にも定額制音楽聴き放題サービスは有ったのだが、申し訳ないが、正直しょうもない形でしか、定額制音楽聴き放題サービスがリリースされなかった。

だがその流れには逆らえなかったのか、遂にかなり期待できそうなサービスが開始された。
LINE MUSIC、AWA、そしてまだ開始されていないがApple musicである。
今回はとりあえずLINE MUSICに焦点を当てていきたいと思う。

 

だって、あのLINEだぜ?
今のこの日本で、LINEを使えないことは陸地にいながら島流しにあっているのと同義であり、刑罰として成り立つんじゃないかってレベルだ。

その普及具合といえば「家族会議をLINE」で行う家庭がいてもなんら不思議じゃない。
お父さんもお母さんも、友達全員も、みんなすべからずLINEを使っている。

そんなLINEが「定額制音楽聴き放題サービス」に参入してくるというのだ。
かなり無責任な考え方かもしれないが、あのLINEなら、どんな方向に転ぶにせよ、この閉塞感が漂う音楽業界を揺さぶってくれると思うのだ。

ざっくり取り扱いアーティストを調べてみた。

LINE MUSICはなんと太っ腹なことに、8/9まで無料トライアルを実施している。
ものぐさなこの私でも、とりあえず触ってみるしかないなと思うレベルだ。

と言うことで、触ってみたところ感触としては非常によかったが、
思っていた以上に、取り扱われていないアーティストが多かった、
そしてその取り扱われて無いアーティストが、かなり致命的であった。

ということで、とりあえず地下室TIMESの読者が聞きそうな音楽をざっくりメジャーどころから調べてみた。
私個人のチョイスであるので、そりゃあもう偏りはあるにせよ、大事なところは押さえたつもりである。

 

取り扱いがなかったアーティスト

歌田ヒカル
B`z
スピッツ
Mr.children
サザンオールスターズ
松任谷由実
ドリカム
ラブサイケデリコ
One ok rock
aiko
the backhorn
凛として時雨
SHISHAMO
神聖かまってちゃん
エルレガーデン
bump of chicken
radwimps
レミオロメン
モンゴル800
Babymetal
toe
special others

 


 

んー
絶妙だ。
だが自分の音楽コレクションを全てLINE MUSICに委ねようとすると、要するにこれらのアーティストの音楽は聴くことができないのだ。

またマイナーなアーティストまで含めて、色々調べて見たところ
”ジャンル、知名度関係なく虫食い状態で取り扱ってないアーティストが多い”
ということが判明した。

単純な話がレコード会社単位で扱ってないアーティストがいる状態である。
例えばCDのレンタルショップではメジャーどころは大体制覇された上で、店の規模によってマイナーなアーティストの取り扱い量が変わる状態だが、
LINE MUSICの場合はメジャーだろうがマイナーだろうが、無いものは無いし、有るものは有る状態である。

この虫食い状態を良しとするか、悪しとするかは最終的にユーザーが判断するものではあるが、
私には多くのユーザーがコレを悪しと判断すると思うのだ。

 

ん?このアーティスト達が虫食い状態になっているとLINEが推奨しているような使い方が出来ないんじゃないか?

お気に入りの曲をLINEの友だちにシェア。
受け取った曲は、トーク画面からすぐに聴くことができます。
アルバムや、プレイリストもシェアすることが可能です。

「最近この曲ハマってるんだ!聞いてみて!キョクソウシーン」

「ありがとう!この曲結構好みかも!」

なんか書いていて寒気がするほどテンプレっぽい会話だが、LINE MUSICの最大の特徴は、
そう、LINEと連携することによって、今までより気軽に音楽をシェアしあえるというものであった。

だが実際はどうだろう?
例えば「ミスチルの新アルバム聴いた?」タイムリーかつ、実際に交わされそうな会話である。
本来であればこのタイミングで「7曲目の”忘れ得ぬ人”が一番好きだった聴いてみろよキョクソウシーン」みたいな使い方なのだろうが、残念ながら今はそれを実現することが出来ない。

 


 

こうった聴き放題サービスの場合は、曲をシェアするだけでなく、他にもいろいろな使い方が予想される。

 
新しい音楽の発見
例えば、このサイト地下室TIMESを利用していただければ光栄であるが、
何かしらの媒体で新しい音楽の情報を仕入れ、その場で試聴なんて使い方が想定される。

LINE MUSICは割と、というかビックリするぐらいマイナーなアーティストの音源も扱っていたりするのだが、
いかんせん、メジャーどころのアーティストと同じように”ジャンル、知名度関係なく虫食い状態で取り扱ってないアーティストが多い”

例えば、ジャンル別や界隈別で音楽を探そうと思っても、そのジャンル、界隈の中で重要なアーティストの取り扱いがない場合が予想される。
そういう点を踏まえると、LINE MUSICを使って新しい音楽を発見しようとするのは、少し難しいのではないかと予想される。

 
音源リリースの数が多いアーティスト
例えば、私はビートルズは好きだが、そこまでコアに好きというわけではない、
ベストアルバムと、リボルバーの2枚くらいは手元にあるものの、オリジナルアルバム、全部で12枚集める気は起きない。
だが、ちょくちょくベストには収録されていない「隠れた名曲」みたいなものがあるだろう。

そういった曲を聴けるのも聴き放題サービスの利点なんじゃないだろうか。
だが今回の例でいうとLINE MUSICではビートルズの扱い曲は、なんかの権利の関係か、Ain't she sweetとCry for a shadowのたった2曲だけの取り扱いである。

そう今回のようにアーティスト事態の取り扱いこそあるものの、一部の曲、アルバムだけの取り扱いで有る場合が多い。特に洋楽の場合はそれが顕著であった。
キャリアの中で音楽性が変化するアーティストも多くいる中で、一部のアルバムだけしか聴けないのはかなりの痛手なのではないだろうか。

 

悔しいし悲しいがが、これは多分失敗する

まだまだ、LINE MUSICが上手くいかなそうな理由は沢山挙げることが出来るが、とりあえずこのあたりにしておこう。(あとLINE MUSIC関係者の人が見ていたら、検索周りも結構使いにくいので良い感じにして欲しいです)
LINEの企業努力が足りなかったのか、はたまた聴き放題サービスを良しとしない人たちが、妨害工作の一手として”いないと困るアーティスト”を取り扱わせなかったのか、真相はゴシップ的になってしまうものだが、
どちらにせよだ、今の状態ではLINE MUSICは失敗する気がしてならない。というか断言してもいいレベルで成功する気がしない。
色々な意味でLINE MUSICにはかなり期待していたし、自分も使いたいと思っていたので非常に残念である。

クソッ、ゆっくりでも構わないから完璧な形になっていかないだろうか・・・
めっちゃ応援してるぞLINE MUSIC。

 

悪い予感がする

そしてこの失敗が、別の方向で悪い影響を生み出す予感がしている。
それは、またより一層CDの価値が低下してしまうのではないかという懸念である。

とくに今回の場合は「2ヶ月程度の無料試用期間」と「マイナーなアーティストの取り扱い」があったのが痛い。
「2ヶ月程度の無料試用期間」で多くの人が無料で音楽に触れる機会を作り、
今まで、マイナーなアーティストはCDレンタルや中古に出回ることが少なかったため、定価で購入すること以外の選択肢がなかったが、
今回下手に「マイナーなアーティストの取り扱い」も、したために、マイナーなアーティストのCDの価値も低下してしまった。

消費者のイメージするモノの価格と、実際の価格の差異が大きくなればなるほど、買い渋りをする人が増える。
今回のLINE MUSICによって、消費者の音楽に対する価格のイメージはさらに減っただろう、これではさらにCDが売れなくなってしまうのではないだろうか・・・

 


 

また補足程度に書いておくが、
「もっとライトユーザーに向けているサービスだから、そういう見方をすれば、上手くいかないってなるのは当然だろう」
なんて意見があると思うが、正直なところ、私はライトユーザーを取り込むこともままならないと思う。

ライトユーザーをEXILEとかAKBとかジャニーズとか、なんでも良い、そういった感じのものを好きな人たちの層だと仮定した上で、
彼らをLINE MUSICに取り込むことが出来ない理由は彼らが”音楽のファンではなく、タレントのファン”であるからである。
音楽は彼らが幅広く行う活動の中の一つであり、多くの場合はメインではない。
そういう場合なら、わざわざ月々1000円も払わずに、グッズ的な要素を持ったCDを購入するだろう。
活動の一部のグッズの一部の要素である音楽、しかも他で補うことも出来るものに、果たして金を払おうと思う人がどれだけいるだろうか・・・

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