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谷澤 千尋

2015/09/07

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音圧戦争 ~onatsu wars~ エピソード1~3 音圧戦争時代の夜明け

忘れはしない、人類は20世紀末から今世紀初頭にかけて大きな戦争を経験した

1990年代後半、技術の進歩、メディアの確立、そして飽くなき音量感を求めて、
音楽業界は際限なくCDの音圧を高めていった

 

音圧戦争呼ばれる時代の幕開けである

 

音圧戦争の概略について詳しくはこちらの記事へ!
序編:音圧について

つまるところ、音圧戦争と言うものは他のCDと比べて音量が大きい=目立つ
誰よりも大きい音のCDを出したい!
その流れの中で、プロデューサーたちはエンジニアにどこまでも大きな音を求め続けた。
というものだ。

エピソード1 ~戦争の種火~
ジュークボックス、ライバルを出し抜きたい!

冒頭で音圧戦争は90年代後半から始まったと書いたが、嘘だ
あまり知られていないことだが実はCDがこの世に出る1983年からさかのぼってなんと40年、1940年代からすでに音圧戦争は存在していた
時はジュークボックスの全盛期、人々はこぞってこのマシーンにコインをつぎ込み楽しんでいた
ジュークボックスとはバーとか飲食店みたいな人が集まるとこにおいてある音楽が流れるマシーンなんだが
コインをいれ、好きなレコードを選択すると音楽が流れるという代物だ
(ちなみにこの時代に生産されたレコードの4分の3はジュークボックスに使われた)

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もうお気づきの人もいるかもしれない、
好きなレコードを選択すると音楽が流れる
沢山のレコードがある中でほかに比べて音量が大きいことは有利である他ならない!
沢山ライバルがいるなかで音量が大きいことはそれだけで目立ち、印象に残る上、多くの場合人間は音量が大きい方が気持ちよく聴こえる
完全に現代の音圧戦争と同じ構図である
特にそれはモータウンのアーティスト達には顕著であったらしい

エピソード2 ~受け継がれる戦争~
コンピレーションアルバム、ライバルより目立ちたい!

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時は進み60年代から70年代、巷ではコンピレーションアルバムが猛威を振るっていた!
一枚買うだけでいろんなアーティストが聴けてオトク!ということなのだろうか、

ともかく、これも全く同じ構図が見えてくる、他のアーティストと比べられる絶好の機会である
そうなればプロデューサーは大きい音にしろと言わないはずがない

だがしかしこの時代の音圧戦争には大きな穴がある
それはアナログレコードそのものの特徴と言っていいだろう
円盤に掘られた溝に針を載せて音楽を鳴らすその機構は音圧を上げるのに不向きであったのだ
限界点というものが存在しないのだ
また、その時代の音響編集技術に関しても今のものと比べるとかなり原始的なものであった
そういった点から他より音圧を稼ごうといった動きは存在したものの、過激化することはなかったのだ

 

エピソード3 ~つかの間の平和~
CD爆誕!!!!でもCDちょっとわかんなすぎて戦争どころじゃねえ!

1980年代初頭、ついに訪れたCDの時代!
アナログレコード、カセットテープに比べ、ノイズが無い、小さい、傷つかない、めっちゃ音質良い等、もうほかのメディアいらねえじゃんぐらいの力をもつCD!
だが、現実は上手くいかなかった
発売されてからおよそ10年、1991年になるまでCDはカセットテープのシェアを超えることができなかったt
何故か、
答えは一つ!
高かった!
でた当時、CDプレーヤーの値段はおよそ10万円!!!
たけえ!
買えねえ!!!

今の時代、音楽をメディアを買わず、youtubeで再生するだけで済ましてしまう若者が増えていることからわかるように、
つまるところ、最終的にどんな形であれ、音楽が聴けてしまえばいいのだ

そうCDプレーヤーはなかなか普及しなかったのだ。
1980年代前半、世紀の発明CDが存在したにもかかわらず、時代の覇権は依然として、カセットテープ、レコードが握っていた。

CDとそれまでのメディアが大きく違う点、ご存知だろうか?
それは、デジタルであるか、アナログであるかというものである。

音響的な面で、デジタルとアナログでは大きな違いがある、
写真にたとえると分かりやすいだろうか、

デジタルカメラで撮られた写真を思いっきり拡大すると細かい点(ピクセル)が集まって写真になっている。
逆にアナログのフィルムで撮られた写真はどこまで拡大しても限界点はない、
どこまで拡大しても拡大した写真のままなのだ。

pixel_demo

音楽に関しても同じことが言える、

結局何が言いたいかというと、現代の音圧戦争のように限界まで音圧を高めるためには、デジタルである必要があるのだ。
そして話がそれてしまったが1980年代初頭、時代の音楽メディアは以前としてアナログのものばかり、
制作側もレコードやカセットテープにすることを念頭において制作していた、
CDはあくまで、カセットやレコードでだした作品の”CDバージョン”としてリリースされることが多かった。(というかほぼ全部そうだった)

そしてレコードなどからCDバージョンを作るときの基準点は-14dBと現代のCDの0dBとくらべてはるかに小さく設定されていた。

音圧戦争という観点から見ると1980年代初頭は大きな戦争がくる前触れ、つかの間の平和であった。

後編につづく

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