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谷澤 千尋

2015/09/07

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[新人発掘]AOR実験音楽とエレクトロニカの時代

こんにちは。
今回紹介するのは9月18に1stEPをリリースする新気鋭ユニット”AOR”
正直にいうと、彼らの所属事務所からメールをいただいてはじめて知った。

発売日に誤りがございました。8月21にリリースされたとの記載がありましたが、実際には9月18日にリリースです。
この場をお借りして、読者、関係者の皆様にお詫び申し上げます。

一応先に断っておくとジャンル名のAORとは違うぞ。
別に私が心配することではないが今後も彼らのユニット名を検索してもジャンル名としてのAORばかり出てきてしまいそうな気もしないが。
これからの時代というかもうすでにだが、ネットはかなり重要だからな。
今バンド名とかユニット名考えている人は、案が出たら検索することをお勧めする。

公式プロフィールはこのようである。

<AOR>
NY在住の実験音楽家のEricoWakamatsu、自身のバンドquiet actingでも活躍中の
フレットレスベーシスト、ハマツヨシフミ、murmur records 相田悠希の3人で結成された
新感覚実験音楽トリオ。

ノイズと即興、オーディオプロセッシングといったこれまでの
実験音楽の要素をロックとヒップホップのリズムで展開する。
フレットレスベースを軸としたその特異なバランス感覚による電子音楽は、
美術、舞台の領域から、「Ametsub, shotahirama 以降の電子音楽はこうなっていくのではないか」
という電子音楽の一歩先を予見する声すら上がっている。


サンプル音源を張っておこう。

音楽性

実験音楽と聞いて、かなり身構えながら聴いたのだが、思いのほかすんなりと私の耳にとなじんだ。
ざっくばらんな感想を述べると、”少し難しいグリッチエレクトロニカにフレットレスベースが絡む”そういう印象だった。
あと、こんなにも電子音楽とフレットレスベースの親和性が高いのかと感心した。

楽器をやっているか、割と音楽に詳しい人でないとフレットレスベースとは何ぞやとなってしまう可能性を感じるので一応フレットレスベース奏者でほぼ間違いなく一番有名なJaco Pastoriusの動画もついでに紹介しておこう。

見てもらえば分かるが、いつものエレキベースからフレットの部分を取り除いたものがフレットレスベースとなる。
人によって感想は異なるかもしれないが普通のベースと比べて、独特の柔らかくてアンニュイな音がする。個人的にはサイケデリックな音だと思う。

声、喋りのサンプリング

この動画の冒頭でも聴くことができるが彼ら、喋る

ポエットリーリーディングと言って詩を曲上で朗読するものもあるのだが、彼らのは完全に別物だ。完全に喋ってる。

Melatoninという曲なのだが、曲中を通してメラトニンが睡眠でいい夢が見れるとか言った話をしている。

これが結構面白い。(笑える方じゃなくて興味深いの方ね)

人間と言うものは恐らく本能的になんか喋っていたらそっちに耳を傾けてしまう生き物なのだ。ついつい喋っているのに耳を傾けていると同時に曲は進行する。なるほど新感覚だ。

完全に余談だが私が昔やっていたバンドでも同じようなことをやったことがあって、知り合いの声がかわいい女の子を拉致、連れてきて真っ暗な部屋で軟禁に佇んでもらって、思いついたことを喋ってもらいそれをサンプリングして曲に混ぜた。確かに喋り声というのはかなり注意を引くもので、面白い作品ができたような気がする。

 

実験音楽とは

彼らは新感覚実験音楽トリオと銘打たれているように、彼らの音楽はその傾向が強い。
私は実験的な要素を含む音楽は多少聴いたことがあるが、はっきりジャンルとして実験音楽と語る音楽をまじまじと聴いたのは今回が初めてだった。

よし、ググろう。

実験音楽(じっけんおんがく、英: experimental music)は、現代音楽の潮流の一つである。これは、音楽学においてはアメリカの作曲家 ジョン・ケージ の導入した用語法として理解されている。ケージは「実験的行為」について、「結果を予知できない行為」という定義を与えており、この意味では、実験音楽とは不確定性の音楽、あるいはそれにチャンス・オペレーションを加えた偶然性の音楽を指す。この(狭義の)「偶然性の音楽」は、1950年代初頭以降、アメリカのケージを中心とした作曲家達によって営まれた。

ほう、ジョンケージといえば"4:33"という本当に4分33秒何も弾かないという曲を作ったことで有名だ。
私はバンドのスタジオ練習の時に場の空気が悪くなってしまい、結果として”4:33”を演奏してしまったことがある。一説にはジャスラックの最終兵器という噂すらある、4分33秒黙っていたら使用料がとれるからな。恐ろしい時代やで。

Ametsub,やshotahiramaも引き合いに出されていたように日本はノイズ、エレクトロの名産地だ。
彼らのような音楽がメジャーになる時代が来るかもしれない。(個人的には大歓迎)

だが、別の側面から考えてみると日本は音楽経済の規模でいうと世界2位である。国民一人当たりで割るとなんと一位に躍り出るといったデータもある。
そういった背景があるにもかかわらず、日本の音楽は世界であまり注目されないことが多い。やはり言葉や文化の壁があるのかもしれない。逆にエレクトロニカやこういったジャンルに於いては言葉の壁はほとんどないだろう。そういった意味で日本はエレクトロニカが強いのかもしれない。
あと個人的に日本がこれだけの音楽経済の規模を誇っている割には、音楽に関連するサービスで日本発信のものの割合は高くないように感じる。これに関してはまた別の記事で考察したいと思う。

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