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2015/09/07

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命の「うた」を聴け。 tacica

ハロー!

普段あなたが聴いているアーティストは何を「うた」っているだろうか?
愛?恋?社会?不平?不満?
題材はそこここに転がっている。身近なものであるスマホを題材にしたアーティストもいるくらいだ。題材が分かり易いに越したことはない。リスナーにとって、分かり易さとは取り込みやすさ、共感、流行りという様に反芻することで自分の中でそのアーティストを好きになる要因を形成できると僕は考えている。

そこで今回、命を題材にした曲を「うた」う彼ら、tacicaについて紹介していきたい。

tacicaとは?

知っている人も多いだろうが簡単に紹介したい。

tacica_bio

北海道出身の2人組ロックバンド。(左:Ba. 小西、 右:Gt./Vo. 猪狩)
Ba. 小西の「たしか…」という口癖がバンド名の由来である。なんと安易なのだろうか。だがそこが彼らの、tacicaらしさなのだと僕は思う。
先月頭に、東京の中野サンプラザホールで結成10週年ライブ「烏兎」を終えた。また今月末には5thアルバムである「LOCUS」が発売される。
今までにシングル8枚、ミニアルバム2枚、フルアルバム4枚をリリースしている。今回は特にこれらの中で命について「うた」っている曲について紹介していきたい。

楽曲の転機

tacicaの楽曲には転機があると僕は感じている。
上記では述べていないが、7thシングル「HALO」を引っさげたツアー「三大博物館~HELLO HALO~」まではDr. 坂井がいた。彼がこの転機に大きく関わっている。命に関しては、特に。

1. 第一期(2005~2010)
僕が彼らを知ったのは、2007年なので初めの2年間はわからない。しかし、この間で彼らは、メジャーデビューし着実に力を伸ばしていった。
この第一期で、楽曲の歌詞は自分の在り方、確かさを「うた」っているように聴こえる。ここで神様の椅子という曲を紹介する。


tacica - 神様の椅子

誰も見えないモノも アナタだけは取って触れる
そんな事も見えない僕を アナタだけがきっと触れる様な
でも 未だ 未だ 物語を
見惚れていたものが どんな色に塗れても誇りでしょうか?

tacica - 神様の椅子より引用

どうだろうか?正直、意味はわからない。しかし、自分の深淵を覗きまたその深淵が自分を覗いているような気分にはならないだろうか。

2. 第二期(2011~2013)
4thシングル「神様の椅子」を引っさげたツアー「アリゲーターは眠らない!」の開催が2011年6月から決定するが、Dr. 坂井が病に倒れてしまう。これによりツアーは中止、活動休止を余儀なくされてしまう。
同年9月Dr. 坂井が退院し、活動再開後2012年3月に5thシングル「命の更新」をリリース、翌月には3rdアルバム「sheeptown ALASCA」をリリースする。このアルバムの中で「ドラマチック生命体、不死身の歌、命の更新」という曲順はこれでもかと言わんばかりに命を「うた」っている。


tacica - 命の更新

雨の気配に息を切らして走る 心臓の音で日々を刻んだ
有りと有らゆる悪を嫌って いつか自分の事も嫌いになって
僕以外に僕はいないと 言わず終わる日々や僕が嫌いです
キミの場所にキミがいないと いつも自由の下で 命が哭いている
tacica - 命の更新より引用

自分の命でもなく、相手の命でもなく、人との関係性そのものが命であり、それを繋ごうとする物語に命を感じている。そんな曲であると僕は思う。

4. 第三期(2014~)
2013年に4thアルバム「HOMELAND 11 blues」をリリース。その後Dr. 坂井の脱退まで3人でのtacicaは活動を続けた。現在はサポートメンバを起用し活動している。また、この4thアルバムにも命についての曲がある。歌詞だけの紹介になってしまうが、ぜひこの「DAN」という曲を紹介したい。

今日も又 アナタのいない場所を
手当たり次第探す どこかへ行っても色褪せない理由
そう 描けない夢なんてない 叶わない夢なんてない
って思っていたのだろう ひとり
残り全部の命を使って 残り全部の命を使え

tacica - DANより引用

楽曲の由来はwikipediaを参照してもらえばわかると思う。しかし、これは記載されている由来と同じ意味なのだろうか。作詞を手がけたGt. / Vo. 猪狩からDr. 坂井への想いなのではないだろうか。そんな妄想に耽ってしまうような、力強い楽曲である。

終わりに

半ば興奮気味に記事を書いたせいで長くなってしまった。まだまだ紹介したい楽曲が多く有るのがこのアーティスト、tacicaである。
最後に、文中で「うた」と書いている理由として、「歌」という文字1つで表せる楽曲ではないと考えている僕の自己中心的な表現だ。
tacicaは命を唄い、謳っているのだと思う。
ぜひともtacicaを聴いてみて欲しい。

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