バンドメンバー募集掲示板の地雷回避マニュアル
『メンボ』
メンバー募集掲示板のことで不幸にも自分の周りに楽器が出来る人がいないバンドマンの駆け込み寺である。
楽器屋やライブハウスの壁、もしくはネットでよく見かける。
主に自信家なボーカリストや、リズム隊を募集しているギタリストが多い。
私はメンバーに恵まれず10代後半から20代をメンバー募集にささげてしまった。出会ったメンバー候補は東京スカパラダイスオーケストラの人数よりも多いだろう。
そんな立場からバンド活動を開始するためにメンボ活用のアドバイスを送りたい。
地雷の確率が高い記事
メンボを見ていると実に様々な人達がいる。
特にネット掲示板だと手軽に募集出来るので仕方がないだろう。
まずは地雷であろう募集を例に上げてみたい。
『ボーカル(女)ベース(男)です。ギターとドラム募集』
地雷率★★
どういう経緯でこういう募集かはわからないがおそらくこのバンドは近いうちに男女関係で揉める。
むしろメンバー間で付き合ったりしているならよいがメンバーを取り合いになるようなら音楽どころではない。
男女混合バンドは長続きしないことが多い。特に女子が2人以上いると色々面倒も起こりやすいのでそれなりの覚悟を。
『みんなの意見を尊重してメンバーが集まってからなにをやるか決める』
地雷率★★★
面識のない人達が集まりただでさえ方向性が見えていないのにやりたい音楽も他人任せ。
楽器をやっているならば多少なりとも自分がやりたいことはあるはずなのにそれを押し殺して他人に合わせることになってしまう。
神聖かまってちゃんがやりたいメンバーとヴァンヘイレンがやりたいメンバーがいたら折り合いはつくのだろうか?
『未成年』
地雷率★★★★
あなたが同じ未成年なら問題はない。ただあなだか成人していたとしたら未成年には注意が必要だ。
まずスタジオに入るのが夜の遅い時間などになると家から出てこれるかという問題がある。
さらに未成年にとってはスタジオ代、ライブ代などの出費はかなりでかい。スタジオまでの片道交通費200円もでかいのだ。
さらに打ち上げなどでお酒はもちろんダメで行ける場所も限られる。
また常識がなく面倒になると連絡が取れなくなるタイプが多い。
「今回のバンドと自分は合わないのですみませんが脱退します」が言えないのだ。
が、たまにめちゃくちゃ上手かったり自分よりも音楽聴いてたりすることもある。
見極めが大変だ。
『当方ボーカル希望。全パート募集。プロ思考!』
地雷率★★★★★
間違いなく地雷。踏んでしまったら五体満足では帰れないだろう。
まず全パート募集する大変さをわかっていないのにプロ思考という考えが浅はか。
さらにボーカル志望ということで楽器はほとんど弾けない場合が多くオリジナルも作れず作詞は恋愛ポエムの可能性が多い。自分が連絡を取って加入しても他のパートが集まらず自然消滅するだろう。
ちなみに実写映画化してブームを巻き起こした某音楽少女マンガが流行った時は作詞も作曲も出来ないピンボーカルの女の子が爆発的に増えてメンボが荒れた。
何ヶ月も募集していることもあり募集の文面もどんどん妥協していくのが見ていて可哀想だ。
なんだかんだで友達と組むのが1番
メンボ否定であるが出来ればバンドは友達と組んだ方が良い。スタジオやライブ以外でも同じ時間を過ごすことでお互いを理解し音楽に集中出来るし何より楽しいだろう。バンドは楽しくないより楽しいほうが良いのだ。
想像してほしい。
バンド初心者がメンボでメンバーを集めスタジオに入るとする。お互い素性をあまり知らず言葉を交わせば遠慮気味の敬語。とりあえずコピーでもしようかと演奏を始め終わる。
このような状況ではそのスタジオは『なんとなく』で終わるだろう。
コ ミュ力が高い人がいれば「なんかお前の音変じゃね?」とかアドバイスをくれるかもしれないがしょせんまだまだ他人。こんなスタジオを数回繰り返していると 誰かしら脱退するか突然連絡が取れなくなるだろう。私は過去に大好きなバンドのCDを2枚借りパクされたまま連絡が取れなくなったことがある。郵送で着払 いでもいいから返して欲しいと訴えても無視なのだ。
突然連絡が取れなくなるのは悲しいしまたメンバーを募集することになる。
要はメンボだとバンドとして活動するには時間がかかるのだ。
友達ならそういうのをすっとばして充実したスタジオライフをおくれる可能性が高い。ちなみに成功しているバンドのプロフィールを見ると幼馴染とか友達だったとかライブをみて直接スカウトしたとかが多いようだ。
メンボは友達がいなかった自分の最終手段と割り切り、時間がかかるのを覚悟して少しずつ仲良くなっていこう。
やりたい音楽性は明確に
自分が募集する立場でも加入希望でもやりたい音楽は明確にしたほうがいい。
コピーなら具体的なバンド名を。オリジナルならやりたい曲を自分で作っておこう。
『バンドの方向性はメンバーが集まってから話合って決めたい』という募集をするくらいならクラスメイトや職場の同僚などに楽器を始めてもらってバンドを組んだほうが良いだろう。
やりたい事を具体的にしておかない募集はよくわからないV系バンドから連絡がきて『化粧はオッケーですか?』と聞かれる羽目になるのだ。
スムーズにバンド活動を開始するためにも1番大切なところだろう。
◼︎バンド活動初心者へ
いかがだったろうか?
かなり主観も入っているがある程度参考になると思う。
実際にメンバー募集で失敗し無駄な時間や労力を奪われてしまいバンド活動が面倒になる人を何人も見てきた。
ただきちんと見極めスタジオを重ねていくとただのバンドメンバー以上の存在になっていくだろう。
また自分が地雷にならぬようしっかりとした態度と方向性を考えて会うのがよいと思う。
まずは気になる人がいたらコンタクトを取ってみて欲しい。
もしかするととても良い方向になるかもしれない。行動をしなければ何も始まらないのだ。
是非とも諦めず良い人を見つけてもらいたい。
最高の出会いがありますように。