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インタビュー!Benthamってメジャーデビューして"っぽく"なくなりましたよね。

 今回は今年4月にメジャーデビューしたバンドBenthamの皆さんにインタビューしてきました。

 僕個人的に彼らのファンなんですけど

「作曲力の高い邦楽ロックバンド」

 っていうイメージで彼らをとらえてたんですよ。ライブも場数踏んでるだけあってバンドらしいライブをする「THE邦楽ロック」みたいな。こういうバンドがもっと売れたら次の世代の子が作る曲も面白いものになってくんじゃないか。そんなことすら思わせるようなバンドだと。それがですね

 

 学校サボったときにNHK教育にチャンネル合わせた時に見かける感じになりましてね急に。

 どうしたのかと。メジャーデビューすると、偉い人に薬物とか強要されるんかと。

 そういうわけで訊いてきました「ぽくなくなりましたよね」と。

 あとは主に楽しい無駄話です。「作曲ってどうやってんスか」とか、バンドマン志望のみなさんが訊きたいこととか色々伺ってきました。

 それではどうぞ。

ベンサムはメジャーデビューして変わったなって感じたんですが

―まず、今年4月にメジャーデビューされたとのことで、おめでとうございます。

小関:ありがとうございます。

―ということで、メジャーデビューするとバンドって何がどんなところが変わるのかなーっていう話をツッコんで聞きたいなって思ってます。

小関:はい…どうぞ…

―なんかオゼさん怖えな。

小関:全然怖くないよ。ただちょっと寝起きが苦手なタイプで…

―昼の14時ですよ今。で、メジャーデビューに関してなんですけど、僕らが聴いた印象だとなんか凄く変わったなーって感じるんですよね。メジャー行く前は「THE邦楽ロック」みたいな印象だったんですけど、メジャーデビューしたあとは曲に遊びが増えたというか、幅が広がったと思うんですよね。悪く言えば「ぽくなくなった」と、いちファン目線からは。メジャーに行って何か変化とかがあったんですか?

 


Bentham - 激しい雨

小関:メジャーデビューするバンドって2つパターンがあると思うんですけど、1つはもう売れすぎちゃって色んなところからも誘われて、ブレーン的なのがいるような売れてく中で売れてくバンドと、もう1つがメジャーに行って、その過程の中で売れてこうってバンドの2つのパターンがあると思うんです。特に今の時代は。昔はあんまりそういうのなかったんですけど。

―はい。例が幾つか浮かびますね。

小関:その2パターンだと僕らは後者的なノリだと思うんですよね。周りに助けられて「これから間違いない音楽だから売り出していこう」というスタンスみたな。メジャーデビュー前の僕らはある程度の結果が残せたけど、思いのほか結果が残せずという、というような状況だったと思うんですけど、そういう中でそういう話が来たんですね。

―はい。

それもあって、より普通の人。一般層の人にどれだけ引っ掛かるかっていうのを結構意識して。ファーストだったんで、結構パンチだそうと思ったんですけど、制作の初期段階で結構気負っちゃって。「どうすればいいんだろう」ってなってる時に、周りの人が「今までどおりでいいから」って「それでメジャーでだそうと思ってるわけだから」って話をしていただいて、 それでちょっと重さがなくなって、ああなったみたいな、そんな感じです。

―つまりメジャーでだすということで、気負って固くなっちゃったのを柔らかくしたら今の感じになってって言う感じですか?

小関:そういうことです。結果、リリースした時はもう何も気負ってない状態で「ウチらカッコいいから大丈夫」みたいな感じになってて。 デモの段階では悩んでたというか、ウチは全員作詞作曲するんですけど、みんなで悩みながら。

 

作曲について

―ベンサムって全員作曲するじゃないですか。気になってたんですけど、楽曲制作のイニシアチブって誰がとってるんですか?

小関:基本的には僕… といいつつ、結構その曲その曲の作曲者が引っ張る感じですかね。

―珍しいですよね。全員が作曲するバンドって。喧嘩とかにならないすか?

小関:曲に関しては喧嘩にはならないですね。

―その言い方だとそれ以外のところでは喧嘩してるってことですか…

小関:いや別に喧嘩してないっすよ!あやです、言葉の。

須田:曲作る時に自分の予想していたことと違うことが起きても、それを「イヤだ」って感覚になる人があんまりいないです。「あーそっちもあったか」みたいな受け皿広めで拾って、一回やってみてそれでもやっぱり自分のイメージと違うなってなった時は「やっぱこっちにしてくんない?」とか、どうしても譲れないところとか「この曲のイメージはコレ!」っていうのがあったらそれは伝える、みたいな感覚でやっています。

―結構柔軟な感じなんですね。

須田:そうそう割と柔軟な感じですね。

小関:メンバーに音楽的に「ダセえなコイツ」って思うやつがいないから、任せるというか、それぞれがやりたいことをどれだけ周りの各パートが体現していくか、みたいな。

―メロディだけオゼさんがつけるとか、そういうパターンっていうワケでもないんですね。

小関:そういうパターンもありますよ。基本的には主のメロはその曲の作曲者やって、フックになるような部分や歌いやすい歌いまわしは俺がやるみたいなのが、最近は多いですね。

―ウチの読者結構バンドマン多いんで、作曲方法とか気になってると思うんですよね。どこまでデモ作りこむとか、どこまでがバンドで考える部分なのかとか。

小関:前までは打ち込みでワンコーラス作ってくるみたいなのが主体だったんだけど、俺は打ち込めないんで後輩のバンドマン使って打ち込みを作ってましたね(笑)でも今回の7月に出したフルアルバムからはデモの段階で色々周りにアプローチできるようにしようみたいな。効率を上げようってことで前みたいに手前の段階でスタジオ入ってアレンジを作ってからデモ録るみたいにはしてない。

―へー。じゃあ作り方も変わったんですね。

小関:だいぶ変わりましたね。

 

やっぱりメジャーデビューっていいものなんですか?

―やっぱりメジャーデビューっていいものなんですか?

小関:メジャーデビューは体感としては良いものですよ。僕は、それこそ「メジャーデビューなんてくだらない、クソだアンチだ」みたいなとこからスタートしてるんで、メジャーに対して偏見もあったし、当初はクソな部分もあったかもしれないけど、ただその世界というか、関わる人とかも色々みたときに優遇され具合だとか、ホントにアングラでノルマも払えなくてただただ酒だけのんでるみたいなバンドマンって周りにいっぱいいるんですよ。そういった中で自分が音楽やってる対価だったり評価だったりってのをちゃんとしてくれるところと思ってて。インディーズだからしてくれないってことではないけど、それが凄くわかりやすい。

―頑張った分の対価がわかりやすいと。

小関:そうですね。ただまあまだそういうバックをあんまり感じれてはいないけど(笑)でもずっとメジャーでやってきたいってワケじゃなくて、ただ目の前のことをやっていって「メジャー良いわ」ってもっと思うかもしれないし、他にもっと見えてくるものもあるかもしんないけど。みんながみんなやれるようなところじゃないんで、今はもう頑張って1年2年3年、5年10年ってやれるようにっていうモチベーションではある。

―僕の周りでメジャーに行った人は結構メジャーへの不満を言う人がいるんすよ。「スタッフがクソ!いつでもやめてやる」みたいな。何が不満なんでしょうね。

小関:言いたいだけじゃないすかね?(笑) どこも一緒だと思うんですけど、本気で売ろうと思って関わっていったらインディーズでもメジャーでも「お前ふざけんな」みたいな感じで言われるし、自分の思うようにならないことっていっぱいあって。それがメジャーだとわかりやすく文句言えるんじゃないですか?

―大人の意見を聞かされてしまった。そうですね。そうだ。

 

アル中あるある

―いやーこうやって人と話してるとお酒飲みたくなってきますね。

辻:お酒好きなんですか?

―うちの水道蛇口から酒出てくるぐらい好きです。

小関:ウチも最近凄いよね。特にずば抜けてるのが辻君。

―負けないっすよ。

辻:ホントに酒飲まないと人とコミュニケーションとれないんすよね(笑)

―僕もそれです。

小関:俺もそうっすよ!

辻:全員じゃねかよ!(笑)

―いやぁでも飲んだ方が調子でますよね。

小関:俺もホントはそうっすよ。俺は盛り上がれる時間が短いんで。

辻:休肝日設けるのが大変っすよね。

―めちゃわかります。風邪とか引いてても「ほろ酔いくらいならいけんじゃねえか…?」ってなる。

辻:逆にいいんじゃねってなりますよね(笑)

―逆に酔うの早くてコスパいいじゃんって!

辻:わかる!!!

鈴木:アホだ(笑)

―ウイスキーとか飲んだら扁桃腺殺菌できんじゃねえかって思いますよね。

辻:僕はそういうときは焼酎っすね!!!

 

声低いっすね

―そういえばオゼさん、歌ってる時と比べると普段は声低いっすね。

小関:うん今低い。

―あー段々高くなってくヤツすか?

小関:そんなビックリ面白人間じゃねえよ。

―普段あんなに高い声で歌ってんのに!この前知り合いとカラオケいってベンサムDAMチャンネル出てて「オッ」と思って歌ってみたんですけど、高すぎて全然歌えなくて。でも地声はめちゃくちゃ低いんすね。

小関:そうなんすよ。

―大丈夫なんすか?

小関:大丈夫なんすかってどういうことどういうこと?(笑)

―そんな低い声で歌えるんすか?もっと「トゥーナーイ(裏声)」みたいな人出てくると思ってたんですけど、怖いです。

 

小関:コレで喋った時こんなんだったらこれだったらいやでしょ(裏声)

―めっちゃイヤだ。

 

小関ツイッター事件

―辻さんって青山学院卒業なんですね、wikipediaみたんですけど。

辻:いや、サークルが青学ってだけなんですよね!

―あ、そうなんだ。

辻:割とWikipediaって間違った情報載ってたりするんですよね。

―この間面白かったのが、wikiで外部リンクで小関さんのツイッターって記載されてたのに、クリックしたら愛知県の知らん高校生のアカウントに飛ばされましたよ(笑)

小関:嘘!?その子可哀想…。

―アイコンカップルでツーショットの、いたって普通の。

小関:ごめん。愛知県の知らん高校生。

 

メジャー行ってよかったなぁってこと

―話戻して、メジャー行ってよかったなぁってこと聞きたいんですけど。

須田:僕らは事務所が消耗品を出してくれたりしますね。

鈴木:俺ね、DAIGOに会えた!もうね、すっごいいい人です。

小関:トイレ行く時に、楽屋の通路で「失礼します…」みたいな。大人しい感じで。いい匂いで背高いし。

―え、北川景子いなかったんですか?

小関:そんなニコイチみたいなことはないですけど(笑)

辻:プライベートで来ないでしょ!(笑)

小関:なんかダムチャンネルの撮影が一緒だったんだよね、日にち。

―メジャーならではっすね。ダムチャンネルってやっぱ反響ありました?

小関:ありました!カラオケって結構みんな行くんだなぁって。

鈴木:ライブ行かない人でも見てくれますもんね。

―ああいうの見ると、心にベンサム戻ってくるんですよ、やっぱ。俺も歌っちゃったし。

小関:ちょっといいなって思ってた地元の女の子から連絡来たりしました(照)

―1いいね、って感じですね

小関:あと、あれですね、機材車、でかくなりましたね。

―あぁ~いいっすね~。ドラマーは嬉しいですね。

鈴木:好きなだけ機材詰めこめるのは本当に嬉しい。

須田:背もたれ90度じゃなくなったしね。

辻:若干ね。110度くらい。

―へぇ。あとはギターとかベースとか。え、アンプとか、さすがにキャビは無理でしょ。

小関:いや、キャビも。

―何に乗ってんだよ(笑)

須田:ハイエースの一番でかいやつですね。

―車詳しくないんですけど、とにかくでかいんですね。

小関:前までKEYTALKのお下がりのハイエースを使ってたんですけど、メジャー行くタイミングで変わりましたね。

 

インディーズ時代の苦労

―インディーズ時代はどんな感じだったんですか?

一同:金…。金…ですかね。

―金。

辻:金問題やばかったですね。リハ代も自分たち持ちですし。

―え、でもライブは全然プラスですよね。

須田:イヤイヤ、何をおっしゃる!

―おっしゃるて。

小関:四人が一日仕事をせず、移動のガソリン代で消え…。ノルマはないにせよね…、何をおっしゃる…。

―は、はぁ…。都内のライブはどんな感じなんですか?

須田:そうですね、地方でマイナスが出た分を少し戻せるようなイメージですかね。

小関:スケジュールに関しては、レーベルサイドが「とりあえずライブでまくれ」っていうスタンスなんですよね。だから体調悪くてよくないライブをして、やばい!って気合いを入れ直す、の繰り返しでしたね。だから今は、その経験もあってか、どんなにエグい工程でもやりきれますね。

―うわぁ。叩き上げですね。

須田:良くも悪くも、レーベルとしての契約だったけど、古閑さん(KEYTALKを始めとするKOGA RECORDの社長)がマネージメントっぽいこともしてくれてたんですよね。

―へぇ。でも、外回りってやっていいことってありました?

小関:うーん…。

 

名古屋ライブきつい問題

―俺の個人的な意見ですけど、名古屋ってきつくないですか?客来ないでしょ。

小関:あーきついっすね(笑)

須田:サーキットとかですごいくるから錯覚しちゃうんですよね。

―それみんな言います。

須田:お客さんたくさん来て盛り上がって、いざ自分達で、ってなると…。

小関:曲やバンドを、ってよりは、ライブの楽しい感じ、例えば、コールアンドレスポンスみたいな、そういうのを楽しみに来てるのかなぁって悩んだ時期もありましたね。

―ワンマン、自主企画、ってなると名古屋って客入らないんですよね。

須田:逆に広島とか、最初は何やっても増えなかったのにだんだん増えてきてたりするんですよね。

―へぇ。

鈴木:足し算のようになると思いきやそんなことはないんですよね。

―ツアーの本数的にはどれくらいなんですか?

須田:去年も一昨年も100本以上は。三日に一回くらい。

―うわぁ、多い。

小関:とりあえずツアーで全国回るのに精一杯で、何か目的を持ってツアーに、っていうかとりあえず行こうって。

―でもお客さんは「いつでも観れる」って嬉しいと思いますよ。

小関:そこはデメリットに感じてなくて、むしろそれでも行けてない地域があるくらいなので。

―機材車は皆さんで運転するんですか?

辻:僕はしませんね。人の生き死にを左右したくない。

―優しいのかクソ野郎なのか…。

 

後編へ、続く

 4人キャラが立ってて話しててすごい楽しかったです。インタビュアーとしてこれでいいのか。

 オゼさんは頼れる兄貴。須田さんは頼もしいブレイン。辻さんは無邪気な酒飲み。鈴木さんは天使。頭さえ下げたらいくらでも金貸してくれそう。

 後編も突っ込んだ内容を伺ってきました。

 それでは!後編で!

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