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インタビュー!「今の邦楽ロックってどう思いますか?」メジャーデビューしたてのBenthamに訊いてきた。

 前半では「Benthamって、ぽくなくなりましたよね」と失礼なことを訊いてきましたが、今度はBentham側に今の邦楽ロックシーンへの意見を伺ってきました。

 あとは前半と同じく本当にくだらない話から、新曲について、今までの曲について、次回作について、今のバンドなんでもダイブさせる問題について、いろいろと訊いてみました。

「それ立場的に言っていいのか」

 と不安になるくらいモノをぶっちゃけてくれたので読み応えだけは、あると思います。

 メジャーデビューという一つのゴール・スタートを迎えた彼らから若いバンドマンは諸々汲みとって勉強してください。

 Benthamをもっと好きになれるインタビューです。どうぞ!

お互いの嫌なところ

―これ各バンドに聞いてるんですけど、お互いの嫌なところ教えてください。

一同:う~ん…あんまりないっすかね…

辻:ツアー中、相部屋になったメンバー(鈴木)が夜中にうめき声をあげてて。それがうるさいのが嫌ですね!

鈴木:寝言がすごいんですよね。ハッハ。

辻:広島にツアー行った時、止まったところが中庭付きで「いいじゃん!」ってなって。そこに布団を敷いてみんなで寝る修学旅行スタイルだったんですけど、何を思ったか「インジャングル!」って叫びだして。

―オイ、作んなよ話を。

辻:嘘じゃないっすよ!!

―いいや、もう、これ作り話でもいいから載せよう。

辻:そしたら次のデモだしで「インジャングル」って曲出してきました。本当です。

 

「ハイブリッドバンド」ってどういう意味なんですか?

―結構ボツ曲って多いんですか?

須田:多いですね。ほぼボツですね。みんな作るからそんなものなんでしょうけど。

小関:何でこんなにいい曲なのに…とか、ここからこうなって…っていう曲もあって。

須田:そういう道筋は第三者からはわからないもので、それをどうやって伝えるかっていうのが最近わかってきてて。

―なるほどなるほど。

鈴木:逆に絞るのが難しいですよ。

―でもそれって他のバンドからしたら羨ましい悩みだと思いますよ。プロフィールに「ハイブリッドバンド」って書いてあるじゃないですか。あれ、意味不明じゃないですか。もしかして「ハイブリッドバンド」っていうのはそういうところからきてるんですか?

小関:うーん、そうなのかな?

辻:古閑社長が横文字好きなだけだよ(笑)それっぽいことはいくらでも言えるんだけど、俺たちも核心はわかってないですね(笑)

須田:一番の問題点は、こうやって説明できないキャッチコピーはキャッチコピーじゃないってことだよね。

 

シカゴについて


Bentham - Chicago

 

―ミュージシャンって2タイプいると思ってて、自分の感情の赴くままに作って、顧客ガン無視で曲作るタイプと、逆に顧客の好みや反応を頭を使って考えて曲を作るタイプと。Benthamは後者だと思うんですけど、今回、デビューシングルの激しい雨であったり、曲っていうのはどういう狙いで書いてるんですか?

小関:激しい雨やシカゴに至っては、周りの反響やライブでの客の反応を見て、自分的にも「どうだったのかな?」っていう意識はまとわりついてるというか。僕的には「この曲で間違いない、この曲で評価してほしい」と思って出したんですけど、若干後味悪くて。

―ぶっちゃけるなぁ。

小関:でも僕は間違っているとは思ってないから、これからバンドの力で証明していきたいっていう思いはありますね。

―俺、シカゴはポルノグラフティっぽいと思いました。ポルノってああいう曲好きなんですよ。

小関:あーそれ最近すごく言われる。

―あのMV、俺は見たとき「それはシカゴじゃなくてベガスだろ」と思いましたけどね。

一同笑

須田:そうだよ!言われればそうだ!!

小関:まて、違う!!あれは俺の中で、シカゴっていうミュージカルがあるから、ちょっとミュージカル調の曲でっていうイメージで。リズムが跳ねるところとか。

―あ~そういうことか!

小関:後からいろんな人に「もっとわかりやすくしろ」とか「なんでシカゴなんだ」とか言われたんですけどね。俺は伝わると思ってて、雰囲気で。だから、今度から俺が出す曲のタイトルはもっとわかりやすくなってると思いますよ(笑)

 

今までのリード曲

―僕、シカゴはベンサムっぽくないなって思ってて。ベンサムって勝手なイメージですけど、邦楽ロックのフォーマットに則りながらも新しいことを提案するバンドだと思ってたんですよ。例えば、リード曲で洋楽みたいにCメロが強かったりとか、ものすごく起伏の強いメロディをサビに持ってきたり。あと、サビのコード進行は椎名林檎進行や王道進行を使った計算高い曲をやってるなぁって思ってて。でも最近はそのフォーマットから外れつつあるという印象で。

小関:実際、狙いに行けてなかったのかもしれない。初のフルアルバムで、これまでのような曲から脱したい、っていう思いもあったし、作っている時はパンチを打てている体感があって。今のベンサムに必要な曲だとは思っているんですけどね。

須田:でも確かに、これまでの「これをリード曲にしよう」っていう体感とは違ったかもしれないですね。

―あと、俺は視覚情報も重要で、だからMVも大事だと思ってて。今回のMVもらしくないというか。今までの邦楽ロックを聴くような女の子が好むような路線じゃないというか。

小関:結構今回はMVに関しては俺が注文をつけたんですよね。で、終わったあとに「今回暗かったよね」っていうか。ミュージシャンの頭の中の妄想、っていうのを表現したくて、メジャーに行って華やかになればなるほどズンと暗くなっていく、そういうのを表現したかったんだけど、抽象的に狙いすぎて、ああなった。

―ああなった。ああなっちゃったよ、と。

辻:最後ぶん投げたな(笑)

 

最近の邦楽ロックシーンとそれに対するアプローチ

―聞きたいんですけど、今の邦楽ロックってどう思いますか?

小関:つまらない時期を通り越して、今変化に向かってる時期だと思いますね。

―今って明確な流行がないですよね。一時期あった裏打ちのダンスビートとか。強いていえばないんナインスアポロっぽいバンドくらいですかね。

小関:人間味が出てるバンドと言いますか。今までハリボテのような感じがあった中で、聴いてきてる人も一周してそういうバンドかどうか、偽物か本物かを精査してきてるな、っていう感じがしますね。

須田:一昔前のバンドにあった匂いを今のバンドが再現して、それを知らなかったリスナーが「こういうバンドもあるんだ!」って気づいて、っていうのもあると思いますけどね。

―例えばどういったバンドがそれにあたると思いますか?

須田:suchmosとかもそうじゃないですかね。ポルカドットスティングレイとか。

―でも、こうしてバンドメンバーがシーンまでしっかりと把握して考えてる、ってすごくいいバンドですね。普通のバンドマンって、楽器に執心しちゃいがちというか。俺、ベンサムの記事書いた時も、フレデリックのように絶対当たると思って書いてて。緻密な計算の上に成り立っている感じというか。クレイジーガールとか狙って書いたんだろうなぁって。

小関:でもこの間、クレイジーガールのサビの歌詞見た時に、しょうもない歌詞だなぁって(笑)

―感動を返せ。

小関:でも、俺も前後の流れがある歌詞ももちろん書くことはあるんだけど、あの曲にはあの歌詞がベストだと思ってて。メロディとバックのサウンドが生かされて、クレイジーガールの語感が入って来ればいいなぁ、っていうか。

辻:洋楽は多いんですけどね。キャッチフレーズがあってそれを軸にしていくっていうやり方は英語の歌詞に多いのかなぁっていうイメージ。

小関:俺ほぼ洋楽聞かないんですけどね(笑)

 


Bentham - クレイジーガール

 

―シカゴの話に戻ると、クレイジーガールのようなインディーズ時代の楽曲と比べると変化が目立つんですよね。服で例えると、クレイジーガールはみんなが好きそうな凄く売れる服で、シカゴはチャイナドレス見たいな、生地も質感もいいけど着る人を選んでしまうような感じ。

小関:メジャーデビューするにあたって、変化を見せたかったんだと思います。俺たちはポップなだけじゃない、骨太のロックバンドなんだ、みたいな。

須田:激しい雨の反響が良かったっていうのもあるんですよね。リード曲の中では鋭めのものを持って行ったのに、それが認められて、自分たちのそういう側面も評価してもらえるんだなっていう感触があって。そこを踏襲してみたかったっていう流れもあるんですよね。

―なるほど。

小関:だけど、俺が意見を言わなくなっていってしまうと、みんなのいうような「なんか違うよね」や「変わっちゃったよね」に近づいてしまうと思うから、これからはメンバーたちと「何がかっこいいのか」「何がダサいのか」みたいなことをもっと話し合っていかないといけないなぁと思ってます。

 

対バン事情

小関:いい曲って言っても難しいですよね。

―今の時代は歌詞重視の音楽が多いですね、例えばナインスアポロとかそうじゃないですか。曲は逆に、悪く言えば凝ってないんですよ。だからその点、ベンサムと真逆だと思うんですよね。

小関:なるほど。

―ベンサムは曲はすごく凝ってて面白いんだけど、歌詞は「クレイジーガール~♪」みたいな。だから、ベンサムらしさから外れちゃうけど、いい曲っていうのは、歌詞なのかもですね。

小関:うーん…俺が言いたいことをそのまま書くと、エグくなっちゃうと思うんですよ

―例えば?生理不順とか?

小関:そこまではいかない(笑) メンヘラチックな内容じゃなくて、多分みんなが嫌悪しているようなことを書きたがるからなぁ。

―結構そういうところあるんですね(笑)今の音楽について、それ以外では気になっていることってありますか?例えば、ツアーにマストで呼びたいバンドとか。

小関:個人的にはLAMP IN TERRENとか。空きっ腹に酒も好きなんですけど…。

―属性が違いますもんね。

小関:そうなんですよね。これからの活動とか、ツアーに誰を呼ぶかとか選ぶこともそうなんだけど、邦楽ロックバンドのテンプレというか、そういう扱いを受けていたから、そういう希望を言う気力もなかったし。客が来るかは別として、僕としては、例えば空きっ腹とうちらが青森で!みたいなのもアリだと思ってるんですよね。

―じゃあもっと幅広くやっていきたい、っていう感じなんですね。

小関:メンバーが好きなバンドとか、関係性とかを気にせずにやっていけたらなぁ、っていうのは思いますね。それをやるためにも結果は残したいなぁっていうのは思いますね。

 


LAMP IN TERREN - 地球儀

 

今のバンドなんでもダイブさせる問題

―他のバンドに思うことってありますか?

辻:たまに、何でもダイブさせちゃうバンドいますよね?

―いますね。

小関:僕はダイブは各人の自由だし反対でもなんでもないんだけど、ああいうのは周りのお客さんの様子だったりとかを考えてやるもんだと思ってて。だから、お客さんもまばらな隙間だらけのところで飛べ!って言ってるのを見ると「は?」とは思ってしまいますね。ていうか、俺らの曲の方が跳べる曲は絶対ある。

―ダイブの件は俺も記事にしたんですけど、調子に乗っちゃうやつらなんですよね、ダイブしちゃう人たちって。

小関:音楽に感動して飛ぶ、っていうんじゃなくて、予定調和的に飛んだり、目立ちたいがためだけに飛んだりっていうのは違和感を覚えますね。なんか、クラスの嫌なやつが来てるような感じというか。

―あーその表現いいっすね。

小関:本気で目立ちたいならバンドやりゃあみんな見てくれるのに、と思っちゃいますね。

辻:インスタ映えと同じですよ(笑) およげないくせにないとプール行ったり。

小関:フェス会場ではそういうSNS上の立ち回りとかウケを気にしたような行動をする人が多いんですよね、後ろで組体操してたり。最近は昔よりももっと広くライブハウスに行ったりライブを楽しむ若い人が増えたりしている分、そういうノリがライブハウスでも最近は見られてるってことなんじゃないですかね。

 

タイアップについて

―さて、話を戻しますけど、他にメジャーに行ってあったこれまでなかった経験とかってありますか?

須田:アニメのタイアップで、曲を描き下ろさせていただくっていうのは初めてでしたね。タイアップ先が先行してて、それに合わせて曲を作る、っていう。

―へぇ。関わるスタッフっていうのも増えたりはしたんですか?

須田:増えましたね。

小関:ステージ上の音のアドバイスをくれる人とか。編曲に関しても、意見を出してくれる人っていうのも増えてきて、これからはそういった意見を取り入れた楽曲も出せると思います。それに対する反応もすごく楽しみですね、今まではインディーズ時代のプロデューサーの田上さんと僕たちだけの枠組みだったので、今後の楽曲がどういう評価を受けるのかはわかりませんけど。

 

次作の構想

―じゃあそれを踏まえて、次作ってどういうのを狙っていきます?

小関:仮に、激しい雨やシカゴがみんなの期待と外れていたとして、その二曲が刺さらなかった人に「いろいろあったけどベンサムってやっぱりいいよね」って言わせたいですね。次回作の構想っていうのは、実は俺の頭の中にはもう出来てて。向かいのベンサムっぽさもありつつも、新しい方向性も見せていけたらなぁ、って思ってます。

―個人的には、これがベンサムだ!って作品が聞きたいですね。そういうのっていつ出ます?

小関:…来春…?

一同笑

小関:いや、いつも出してるつもりではあるんですけど、今俺が引っ張っていくのか、それともバンドの総合力で勝負するのか、それがイマイチ噛み合ってなくて。それが噛み合った時に出せるんじゃないですかね。

須田:アルバム通してって意味では毎回出してはいるんですけどね。曲って考えるとどうなんだろうとは思います。

―今までの曲の中で、これぞ!っていう曲はメンバーはなんだと思ってるんですか?

小関:あーそれ気にになる。

辻:俺意外かもなんですけど、シカゴなんですよね。十年近く一緒にやってて、結構持ってる暗さとか、そういうのを持ってると思ったから、あんまり俺らっぽくないなぁとは思わなかったですね。ライブでやってても、おちゃらけるというよりはクールに演奏できるし。

小関:要は、自分たちの本質を置いといてこれまでやってきて、今回で自分たちの元々の要素を出して作ったら「あれ、これチゲェなぁ」ってなっちゃった(笑)

―鈴木さんはどうですか?

鈴木:うーん、難しいなぁ、クレイジーとかなのかなぁ?

―小関さんは?

小関:トータルで考えると、僕から君へなのかなぁって思ってますね。

須田:みんなのイメージではパブリックなんじゃない?

辻:パブリックって実は俺たちの中では結構ボツ曲だったんですよね。でもそれを聞いたプロデューサーさんが「これいい曲だよ、収録しなよ」って言ってくださったんですよ。

小関:サビ間違いないからこれやろう、って言われて、で、MVで出したら反応があって、ライブでやったらお客さんも盛り上がって、っていう感じでした。

―へぇ。俺はあれいいと思いますけどね。

レーベルの人:これはレーベルから言わせてもらうと、ベンサムらしいものっていうのはベンサムから出るしかないのね。今までの流れを組むとどうしてもレーベルがくっついてきてしまって、ここで出して欲しい、ここまでにデモが欲しい、っていうのをやってしまったら、そこにめがけて投げてる曲だから、今後ベンサムらしい曲っていうのが出るとしたら、そういうのではなくて、バンド側から「この曲を出したい」っていうリアクションがあった曲なんじゃないかなぁと思ってます。

小関:ベンサムがいつ売れるかはわからないですけど、メンバーはそういうらしさみたいなものには固執はしてないんですよ。パブリックのようなわかりやすい曲が必要なのもわかってるんですけど、やりたいことをやりながら、聞いてくれてる人との距離も測りながら、変に焦って軽率に作るんじゃなくて、堅実にやっていきたいという思いはありますね。

―早くいい曲作ってくださいよ!待ってます!!

 

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