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ライブハウスのブッキングライブのいびつな状況 【誰が悪いのか?】前編

こんにちは、みなさん。
今回はライブハウスのブッキングライブについて記事。
平日とかにアマチュアのバンド、ミュージシャンが数組出演する、よくあるアレ。「友達のバンドがライブやるってばよ」ってことで呼ばれるよくあのライブについての記事である。

先日、そのブッキングイベントについてSNSでちょっと話題になっていた。
平たく説明すると、イベントに出演したものの他のバンドの客が自分の演奏を聴かずにずっと談笑しており、怒って帰ったという話をツイッターで書き連ねた、という話である。
それを書いた彼の怒りの矛先はライブハウスに向いており、演奏を聴きたい人もいるのだから喋っている客を注意せよとのことだった…。

言いたいこともわからんでもないが、うーむ。
先に言っておくが今回はコレについてどうこう言うわけじゃなく、もっと広くブッキングライブの話をしたい。
ライブハウスのブッキングイベントというものは、今回だけが特別問題だったわけでもなく、バンドに課せられるノルマの話やら集客の話、ブッキングされるバンド同士の音楽性の話から「ライブハウスはバンドを育ててくれる・くれない」みたいな飛躍した話まで、常々議論される、音楽界の恒常的な問題とも言える。

ということでだな、日本の音楽界の真ん中にでっかく横たわっている闇、ブッキングライブについて考えていきたいと思う。

よく言われるブッキングライブの問題

まずはブッキングライブというもの自体のおさらいと、よく言われる問題点を明らかにしよう。

ライブハウスで行われるイベントは大きく別けると二つあって、一つ目が”持ち込み企画”とよく言われるやつで、その名の通りライブハウスとは別にイベントの主催者がいて、その人がライブハウスに企画を持ち込んで行われるイベントのことである。要はホールレンタル、会場を時間貸しするイメージ。金の流れも基本的にはシンプルで、チケットが売れようが売れまいが所定の料金が主催者に請求される仕組み。こっちの方はあんまり問題になることが少ない印象。問題になる時は大体主催者がゴミみたいな人間でトラブったくらいの話ばっかり。

そしてもう一つが今回のテーマのブッキングライブである。
こちらの方はライブハウス自体が主催者となる。ライブハウスのブッキングマネージャーが幾つかバンドを呼んでライブを開催するのだ。
一応ある程度のライブの方向性は決まっており、コピーバンドばっかりのイベントとかもよく見かける。
ただ実際のところ、思うようにバンドが集まらないときも多く、ジャンルがバラバラのライブも頻繁にある。まあ強いて言えばメタルバンドと弾き語りの優しいヤツは流石に一緒には出さないくらいの話で、とにかく慢性的に出演者が不足しているライブハウスが多いので出演OKがでたら見境なくツッコんでいくのが多い。

ココが一つ目の問題なのである。
建前上は「対バンのお客さんにも見てもらえて、新しくファンを掴むチャンスだね」ということだがそんなのは質の良いバンドばかりが集まった時の話。
質の悪いバンドばかり集まるイベントとなるとホントに目も当てられない状況が発生する。
お客さん全員が呼ばれた知り合いのバンド以外全く興味を持たない状況である。
知らんヤツの知らんバンドのコピーのライブならまだしも、よくわからんオッサンがヤバいオリジナル曲をやるのをただただ見せられるという精神衛生上非常に悪い状況。多分コレを刑罰にしたら犯罪減ると思う。
冒頭に書いた怒れるミュージシャンの問題もコレに当てはまるハズ。
これが俗に言う「ヤバイバンドばっかりのヤバイイベント」問題である。

とりあえず上記の問題は一度置いておいて、話を進めよう。
コンセプトは「呼んだらオッケーがでた」という共通点を持つバンドが集まったら、実際にライブが開催される。
で、会場と出演者が集まったら次は何が必要かといえば、お客様である。
「バンドさん側も集客を手伝ってくださいね」という旨でノルマが課せられる。1500円のチケット20枚とかそんな感じのやつ。
ノルマが課せられるというかノルマっていう名の出演料が請求される。

後述するが、現代の日本のライブハウスではライブハウスの前を通りすがって「お、やってる!やってる!」って入っていくことはまず無い。
基本的にはバンドありきで、バンドを見にライブハウスに来るものである。
まあ何が言いたいかって「バンドさん側も集客を手伝ってくださいね」という名目はホントに建前で、ほとんど100%バンドが集客することになる。一応ポスターとかフライヤーにイベントがやることをチラっと書かれることもなくはないが、特にアマチュアバンドのライブなんてね、そういうことだよ。

コレの何がまずいかってバンドはライブハウスから見たときに、一緒にビジネスをする仲間ではなく、お客さんという扱いを受けているっていう状態。
ライブハウスにライブを見に来たホントの”お客さん”はライブハウスからしてみりゃ、正直売り上げにあんま関係ない状態。入場時にドリンク代で500円取れるけど、それ以外であんまり飲み食いするやついないし。
ライブハウスからしてみりゃ”お客さん”がどうこうよりも、バンドがいくつでるかが収益のポイントになるわけで、そうなりゃ必然的に”お客さん”を集めようとするよりもバンドを集める方に重点が置かれることになる。
これが俗に言う「ブッキングライブ・バンドがお客さん状態」問題である。

とりあえずこの辺りがブッキングライブの流れだし、大体話題に挙がるのもこの辺がメイン、「ノルマってなんかおかしくね?」みたいな話。バンドマンが意識高くなると大体その辺からツッコミ始める。

 

今回のこの問題、問題と言うよりかはちょっといびつな状況のことなんだが、
正直なことを言うと記事的な話をすると、人数が多い方、出演者側の肩を持って彼らの権利を主張し「ライブハウスの努力不足・ライブハウスファック!」ということにしておけば大よその共感が得られて記事的には丸く収まるのだが・・・・
今まで見てきた類似テーマの記事は大体そんな感じだった。とりあえず「ライブハウスもっとどうにかせいや!」って話を結論に持ってくる記事ばっかり。

ただ・・・アレだ。
それじゃあ全く解決に向かっていないような気がするんだな。
この記事を書いている私、筆者は売れないアマチュアバンド側の経験もあるし、ライブハウスのスタッフをやってたこともあるし、自分が出演しない純粋なイベントの主催もやったことがある。
だからなんだって、私が言いたいのは要は誰が悪いとかじゃなくてさ、このちょっといびつな状況に不満があるなら、みんなで考えないといけないはずだろってこと。

 
ということで今回の記事は長いので後編に続きます

後編:ライブハウスのブッキングライブのいびつな状況 【クオリティが低いヤツはライブすんな!】後編

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