BASEMENT-TIMES

読める音楽ウェブマガジン

ホーム
アバウト
人気記事
月別索引
オススメ記事

2016年版 流行りものから押さえる まず聴くべき邦楽ロックバンド12組 part1

 音楽は本当に何から聴いたらいいかわからない。これは選択肢の広がった現代では特に深刻な問題だと思われる。

「邦楽ロック 人気」とかで検索しても出てくるのはジジイが小銭欲しさにまとめたNAVERまとめで、年代や人気の大小やジャンルに偏りが激しい。KEYTALKで始まったランキングの1位がBOØWYで終わったりするものもザラにある。無理をするな、普通の仕事に就け。

 というわけで、今回はこの音楽砂漠で遭難中の若者へ向けて「今現在流行っているバンド」という括りでまず12バンド紹介したいと思う。

 多くの人にとってはおそらく既に知っている、もしくは名前を見た事があるバンドばかり。ポケモンで言えばヒトカゲとかニャースレベルの奴らである。この記事を読まずとも中規模のロックフェスに2回も行けば網羅できる内容となっている。なのでそういった人は「CD持ってるorライブ行ったことがあるチェックシート」として一覧を見て頂くなり、知人への邦楽ロック沼引きずりこみ記事として活用して欲しい。

 逆に、普段全く音楽を聴かない、もしくは邦楽ロックというジャンルに手を出した事がないという人ならば、ここで挙げるバンドを一通り試し聴きしてみて気に入ったものから聴いていくという方式で聴き始めてほしい。

 加えて、各バンドについて簡単な蛇足を付け加えさせてもらったので良ければ是非参考にして欲しい。

 それでは前編まず6バンド紹介しよう。

ONE OK ROCK

聴いてる人:中高生、野球部
ジャンル:USエモ

 人気がありすぎて特に言う事がない。ワンオクです。

 強いて言う事があるとすれば、ロックにはザックリわけてアメリカノリのバンドとイギリスノリのあって、日本のバンドの多くはどちらかと言えばイギリス寄りが多いのだけれど、彼らのノリは完全にアメリカ。サビで「イエーイ!USA!!」みたいになる音楽。ちなみに弟もアメリカ。親父は森進一。

 このアメリカ感の正体を難しい言葉を使わずに説明するなら「肉体感」というニュアンスか。この、筋肉的な音楽センスが彼らをアメリカたらしめている。

 ここから音楽にハマるとスクリーモやラウドへと流れ最終的にメタル着地。ずっと筋肉ミュージックを聴くハメになる。「上等だオラ!!」というマッスルなみなさんは是非ここから入場してほしい。メタル女子、魅力的だよ。

 そんなわけで入り口選びは大事だ。ワンリキーはカイリキーにしかなれない。最初のポケモンは慎重に選ぼう。

 関連記事:ONE OK ROCKはもう、EXILEだ。

 

SEKAI NO OWARI

聴いている層:小学生〜中高生、あと娘と一緒に聴いてるお母さん方
ジャンル:ディズニーランド風JPOP、最近はEDMに移行気味

 どこまでを邦楽ロックという括りとして扱うか、というのは答えがないゆえに逐一議題に挙がる問題だが、セカオワはそこに含まれるのであれば、国内トップクラスの人気を誇るバンドだ。

 というのも、曲調の通り彼らはかなりポジショングや歌詞の指向性がJPOPミュージシャンであり、テレビにもバンバン出演するようなアーティストだ。市場規模的にも西野カナやジャニーズ、AKBといった面々が立ち並ぶ土俵で真正面から相撲を取る関取級のミュージシャンだ。

 そんな彼らが邦楽ロックとして扱われるのであれば、そりゃ地域の子供相撲に琴奨菊が出るようなもん。子供泣くだろ。

91
(イメージ図)

 良きにしろ悪きにしろ、ノリはJPOP。確かに歌詞の内容も暗いっちゃ暗いんだけれど暗さの表現がテレビ的であり、好き嫌いが分かれるものとなっている。若年層に共感を得易い反面、シニアにはポップすぎる。

 この感度がいい!という人はロックミュージック以外を当たった方が好きな音楽に出会える確率が高いと思われる。

 

KANA-BOON

聴いている層:中高生、フェスの民
ジャンル:初期はザ邦楽ロック

「初期は」とジャンルに書いたが、この曲収録のTIME以降、邦楽ロック感が減ったように聴こえる。

 思うに邦楽ロック感という奴は「なんかこう、いまいち拙えな!」という商品感のなさにある。前作のDOPPELはまだそこはかとなく拙く、CD音源の音がスカスカ。曲も似たようなものが多かったが、TIME以降とてもしっかりしている。

 上でアメリカノリだのイギリスノリだの書いたが、このイギリスノリという奴も悪く言えばスカスカ感のことである。筋肉のない感じ。

 この中期以降のしっかり感が好きならばメジャーバンドを追いかけ、初期のシンプルな不安定さが好きならばインディーズ、である。

 個人的にはあんまりしっかり「商品だぜ!!」という音楽は好きじゃなかったりするが、彼らに関してはドッペルよりはTIMEの方が好き。みなさんも「ないものねだり」と「シルエット」を聴き比べて気に入った方をまず買ってみてはいかがか。

 

RADWIMPS

聴いている層:学生時代聴いてた20代と今まさに聴いてる学生たち
ジャンル:分類不能

 僕が高校生の時から既に流行っていた。流行って流れ行くもんじゃないのかい。

 音楽性で分類が難しいアーティストで、彼らっぽいバンドっていうのはなかなかいない。いてもすぐ消える。その上彼ら自身音楽性がめまぐるしく変わる。

 彼ら贔屓ではないが、日本の音楽というのは大体洋楽から3~10年遅れで同じ流行りがくるもので、ずっと洋楽の尻を追いかけてるのが邦楽なんていう風に言われるが、ラッドに関しては少なく見積もってこのキャリア間で2回くらい独自発明をカマしている。野田洋二郎はマジの天才。

 デビューから通して変わらないのはクリーンのくせにメチャクチャ動きまくるリードギターと、あのヤバい歌詞である。

 女が食うケーキみたいにクソ甘い歌詞を嚥下できるかどうか、そこがラッドを好きになれるかどうかの境界線だ。

 関連記事:RADWIMPSの歌詞は恋愛でベロベロに酔っぱらった状態で書かれているからすごい

 

KEYTALK

聴いている層:フェスの民、ツイッターでつながりたがる民、ディッキーズの民
ジャンル:アイドル邦楽ロック

 ディッキーズの一族がまず聴き始める音楽だ。あの一族に入門するときはまずKEYTALKから聴くといい。白黒の床で振り付けの練習をしろ。

 上のバンドたちよりはかなり「邦楽ロック」色が強い。楽器の音色も過度に加工されていないし、ルックスもいわゆるバンドマン風だ。

 彼らの特徴と言えば、そのカルト染みた狂信者たちであり「邦楽ロック!フェス!#日曜日だし邦rock好きのフォロワーさんが増えることを願う!」みたいな、EXILEを聴いてる同級生を馬鹿にしながらマイナーなインディーズバンドを追いかけてる同級生にバカにされてる地獄みたいなポジショニングの中高生からアツい支持を得ている。人間なにしててもなにかしらでバカにされるから諦めろ。争え。文化とは闘争だ。

 アイドル邦楽ロックなんていう風に書いたが、彼らの"人間人気"は凄まじく、今までここまで大々的にアイドル的な売り方をされた邦楽ロックミュージシャンは例を見ない。

 しかし音楽や演奏は実力派、メンバー被りのthe cabsAlaska Jamもクソかっこいいので気になれば是非に。

 関連記事:正直に言うとKEYTALKのファンが怖い

 

BUMP OF CHICKEN

聴いている層:RADと似ている
ジャンル:

 このバンドもRADと同じく長い間邦楽のトップに鎮座している。僕が小学生の時聴いていたバンドである。何歳だよ。もうおじいちゃんだろ藤くん。

 で、キャリアの長いバンドにはありがちな話なんだけれど、音楽性がえらく変わる。

 不思議な話で今第一線で活躍しているバンドたちは全員、すべからくBUMPやエルレを聴いて育ち、多大な影響を受けた音楽を披露しているのに、そのBUMP本人が全く違うことをやっている。

 人間、いくら音楽の聴き初めがBUMP OF CHICKENだったとして、もちろん一生バンプばっかり聴いているわけがない。漫画が好きな奴は、大体ワンピースはアラバスタ編まで、NARUTOは中忍試験篇までしっかり内容を憶えてたりするが、今は週刊漫画ゴラクで白龍を読んでいたりするのだ。音楽もそれで良いと思う。ともかく少年ジャンプもBUMP OF CHICKENも、"入り"としては重要な役割を担っているバンドである。

 関連記事:BUMP OF CHICKENのファン、総入れ替わりしてない?

 

そんなわけで

 後編に続きます。ではまた次回の記事で!

次回:2016年版 流行りものから押さえる まず聴くべき邦楽ロックバンド12組 part2

オススメ記事

記事検索

オススメ記事