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WOMCADOLEを邦楽ロック次世代の筆頭に推す。

2017/04/15

音楽好きが数人集まると、大体いつも同じような話が始まる。「とりあえず生中」と同じくらいのノリでメジャーなバンドを叩いてみたり、「俺こんなバンド知ってるんだぜ」といそいそ仕入れてきた音楽をスマホのスピーカーで鳴らしてみたり。

最近はもうあらかたのバンドを話題に出し尽くしてしまったので、東南アジアのインディーズポストロックなんぞにまで話が及んだりしている。
迷走というよりほかない。

部活帰り、ファミマの駐車場でファミチキを食いながらそんな話をしていた我々も、今や鳥貴族でなんこつの唐揚げを食いながら発泡酒を飲む歳になってしまった。「もう最近の音楽は我々のためにあるのではない」と察してはいるものの、誰もそれを口にできないでいる。

今の30代がメロコアで飛び跳ねていたように、20代が「消してェー!!」と叫んでいたように、邦楽ロックの最前線はいつだって多感な時期の最中にいる若者のために用意されているステージである。

老害にシフトしつつある我々が(精一杯)ティーンエージャーの気持ちになって、次にどんなバンドが必要とされているか考えてみた時、1番に思い浮かんだのがWOMCADOLEである。

以下にその理由を述べる。


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WOMCADOLE

WOMCADOLEについては、2013年の閃光ライオットでファイナルステージに上がっていたので、知っている方も少なくはないだろう。

当サイトでも今年の春に石左氏が『【ややマイナー】2016年ブレイク邦楽ロックバンドまとめ Part2』の中でこう触れている。

音楽性は売れ線ど真ん中、だが流行りの4つ打ちダンスロックに媚びることもなくごくストレートにバンドサウンドを鳴らしている。

このバンドも声が良い。声質と言うよりは、歌い方かもしれない。

一時期の中性ボーカルブームが落ち着き、昨今だんだん彼らのような感情前倒しのボーカルが増えてきたようだ。俺はこういうボーカルの方が好き。みなさんはどうだろうか。

上記記事の掲載時は活動休止状態だったが、その後夏からベース黒野が加入して新体制での再スタートを切り、新音源の発表とそれに伴うリリースツアーを予定していたりと順調な滑り出しを見せている。

来月11日に発売されるその新音源は、おなじみタワーレコードの一押し枠であるタワレコメンにも選出されており、全国的な期待度が高まっている。

次世代の基準

表題に「次世代」とつけた理由は2つある。1つはメンバー自身が若いということ。

ロックキッズの心を掴むためにはできるだけ世代が近いに越したことはない。もう少し言えば憧れの的となるために、ほんの少しだけ年上であったほうがいい。

そこへ行くとWOMCADOLEのメンバーはギターの古澤が22歳、他3人は21歳と程よいお兄さん的ポジションに位置している。

もう1つの理由は、今現在が邦楽ロックシーンの過渡期真っ最中であるということだ。再度石左氏の言葉をお借りする。

一時期の中性ボーカルブームが落ち着き、昨今だんだん彼らのような感情前倒しのボーカルが増えてきたようだ。

分かりやすく区切りをつけるとKANA-BOONやセカオワが台頭してきたあたりからか、ここ数年のトップ層はハイトーンボイスで軽快さを強調した音楽が目立っていた。

腹の底から感情を絞り出すような音楽は、歳を食った我々からすれば一周回って帰ってきたもののように感じるのかも知れないが、2010年代から音楽を聴き始めた若い人達の目には「新しいもの」として映るはずだ。

この2点を以て次世代としたい。

実際に観てきた

活動再開からしばらくして、関西で行われるライブサーキットイベントに彼らが出演すると知り、アレコレしてイベントのカメラマンとして潜り込んだ。

ワンマンライブではなく20組超が出演するサーキットイベントであるため、彼らのファンと、そうでない人が入り混じったであろう客席の反応を見ることができた。

結果から言えば、WOMCADOLEはその日1番の大入りを叩き出した。別会場での撮影を終え、ステージが始まる前に会場に入ろうとしたが、既にドアを開けた目の前までパンパンに人が詰まっておりステージが見えない状態だった。カメラマンとしては失格だ。

関係者特権で舞台袖の控室に入り込み、間仕切りの上から顔を出してステージと会場の様子を伺った。気分は電車の屋根に乗るインド人である。

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開口一番「俺達は滋賀のスーパーロックバンドだ」と名乗ったことが強く印象に残っている。「盛り上がれ」とか「もっと前に詰めて」「手を挙げて」などのありがちなMCは一切無い。言うまでもなく客は前へ前へと押しかけて腕を掲げていた。

一見すると普通の、あるいは少し頼りなさげな青年にも見えるボーカル樋口が、ひとたびステージに上がれば恐れることなく「スーパーロックバンドだ」と言い放ち、それを証明するかのようにギターを掻き鳴らして歌う。

不必要なMCを削ぎ落とし、小手先の飛び道具に頼ろうとせず、重たいテーマの歌を真正面から投げつけてくる。そういった直球的な振る舞いが、彼らの音楽により強い説得力を持たせている。

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その後演奏を終えて控室に捌けてきた彼らは、そのまま床に倒れ込んでしばらく動かなかった。

真っ直ぐで感情的なロックというものは、言い換えれば荒削りで技巧に欠けるものかもしれない。そういった部分を今後補っていくのか、あるいはそれすら叩き伏せる勢いの音楽を聴かせてくれるのか、期待しながら見守りたい。WOMCADOLEが持つ強い説得力と全力で食って掛かるその姿勢は、現状の課題や足りないものを差し引いたとしても、邦楽ロックの最前線で若い世代を引っ張っていくに値する器だ。

ショートムービー

来月11日に発売される2ndミニアルバム「15cmの行方」から3曲が使用されたショートムービーが公開された。

ディレクターはマイヘアやパスピエ、back numberなども手がける脇坂侑希。

万引きに秘密基地、三角関係と卒業式など、もどかしさと気恥ずかしさに溢れた青春の闇鍋のような作品になっている。

大人になってからこういう映像を見ると後悔の念で死にたくなるので、中高生の皆さんは今のうちにこんな青春にトライしてみて欲しい。万引きとタバコ以外。

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