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2017/09/13

コラム 記事

KANA-BOONめしだ結婚に寄せて バンドマンの結婚について考える

おめでとうございます。本当に。

川谷絵音の件と同じく、結婚を注文したらLサイズの不倫と幸福の科学がついてきたアンハッピーセット案件だから「おめでとうございます」って言いづらい状況なんだけれど、他人様の不倫どうこうなんか、僕ら部外者が口を出せることなんて一つもないと思うのだ。一つも。

こういうことがあったときにYahoo知恵袋とかTwitterのリプライ欄を眺めると「ワーオ、もうちょっと道徳の授業に力をいれるべきなのカナ?この国は」とあらぬことも思う。マジで怖い。

プロフィールに

「たまに毒を吐きます(笑)」

って書いてある猫のアイコンのジジイたちと

「俺にはマヂ何されてもよいんだ、ケド、俺の身内に手を出す奴は、ゼッテー許せねえ」

とか書いてあるヤツらがマジで怖い僕は。授業でリプライの送り方教えろマジで。

というのと単純に、不倫どうこうよりも結婚にショックを受けているひとが多いようで、男女問わず「めしだが、結婚していた…?」みたいなナチュラルに無礼なリアクションが各所にて散見されるので今回はバンドと結婚というテーマに絞って話を進めたい。

あと突っ込みどころが多すぎて全部触れてたら過労死する、俺が。

結婚

言うもでもないことだけれど、ふつう結婚なんてのは行事の中でもトップクラスにめでたい部類のイベントなんだから、人が結婚したことに対してショックを受けるケースの方がレア。

実際に知人から訊いたケースだと、中学校の頃から好きで好きで仕方なくて偏差値を落としてまで同じ高校に入学するくらい好きだった女の子が大学卒業直後、自分と一番仲良かった後輩と結婚することになって式に出向いたとき、頭では仕方ないとわかっていながら手が震えすぎて受付でご祝儀を落としてしまってそのまま泣きながら式中ずっとトイレで吐いてた話とかがあるけど、そういうことですよね。みなさん。ちなみに今彼は元気です。薬も最近では7錠まで減ったそうです。

ジャニーズ系のファンを端に発する言葉で「ガチ恋」という言葉があると聞く。ガチ恋。文字通り、ガチで恋をしてしまっている状態だ。

傍から見れば

「ガチ恋…?相手はあなたの名前も知らないのに…?それは遠距離型のストーカーでは?

と正気を疑う沙汰だけれど本人はいたって真面目だし正気なんてものは始めから人間には備わっていない。恋そのものが狂気であり、恋そのものが人間なのだ。そうハイネも言っている。

その狂気者たちの矛先が"結婚(ゴールイン)"したなんてなればまあどうなるかは火を見るよりも明らか。女性声優の結婚に際して

「×××しゃぶった口から出る音を俺に聞かせたのか」

「世界はなぜ僕を追い詰めるのか」

「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」

という地獄のポエムが林立したことからもわかります。歴史がそう囁くのです。

こんなPTSD寸前の狂人たちに「いや、別に結婚してたって不倫してたってバンドじゃん?音楽が素敵で聴いているんでしょ?まさか本気で付き合えると思っていたの?」と正論を説くのはあまりにも無謀と言える。精神病棟で現代文の授業をするようなものだ。正論は人を殺すぞ。

ただ、ガチ恋たちの発狂は上記の通り理解が及ぶけれど

「私、音楽が酸素ッスから…」

「KANA-BOONの音楽性に胸、打たれてますから…」

という自称ピュア音楽ファン。普段からガチ恋や顔ファンを不透明な論理性でぶん殴りまくってるヤツ。ヤツらが

「不倫…!?結婚はわかるけど… 不倫は人として…!!音楽を、音楽を汚すなア!!!」

つってんのな。これは本当にファックネス。人間の一番汚い部分が文字を象って俺たちの前頭葉をシビれさせてくれる。本題だよここが。長かったな。ちなみにここからもっと長いぞ。

ガチ恋なんか、普段から"自称わきまえてるファン"たちにバカにされ誹られながら自分の本当の気持ち(恋)に正直になってるわけですよ。愚かかもしれないけど自分の気持ちには、周囲の目には、誠実なわけですよ。少なくとも。

対してもうこのピュア音楽ファンなるやつらはもうなんだ。普段は「私はわきまえてるんで」みたいな顔で泥をかぶる勇気すらなく、自分のちっちゃいプライドを守るために他人を無作為に殴りつける。そんな、そんなヤツになァ…恋をなァ…する資格なんかねえんだよ!!いいじゃないか傷ついたって、その傷が愛を育んで、こう、すごいんだよ。俺どうした。

いや言いたいのはこんなことじゃないし、俺はハジメファンタジーじゃない。ただ、口では「音楽が、音楽が好きなんです」と言っている人も心の底。本人すらも否定する本音の根の部分では恋、しちまってんじゃないかと思うんですよね俺は。ていうかしてる。してるよ恋。素敵だね。

最近ポストロックとかニューウェーブとかを取り入れた音楽性重視の地下アイドルが急増してるけど、そういうところの現場やSNSを覗くとみんなして「いや、可愛いのはもちろんだけどやっぱり音楽が良いんだよね…」と一様に仰ってらっしゃる。ガールズバンドのファンのジジイもそう。これ非常に味わい深い仕上がりだと思いませんか。マジで大好き。この凶悪なスメル、ライブハウスのクソマズいウーロンハイが進むぜ。

恋愛事実や結婚に対する嫉妬=音楽で彼らを評価している公正なワタクシの否定 という図式がみなさんのポージングをいびつにさせていってるわけだけれど。俺からは「素直になりなよ…」とビューネ君みたいなことしか言えません。

よくよく考えてみてもください。恋、素敵じゃないですか。あなたも私も、そう、飯田祐馬も、人間なのです。くだらない自尊心や、社会的立場や、素敵な異性や、突然の恋に惑わされるちっぽけな人間なのです。

「音楽も好きだけど、恋もしてるんすよマジで」

まっすぐな目でそう言えればあなたの狂気も真摯な正論となり得るのです。

あとまあ、25歳男性視点からの意見を言わせてもらうなら、結婚してる男マジでかっこいいよね。最近も、知人に「俺そろそろ結婚する」って言われたときかっこ良すぎてシビれたもん。結婚するヤツマジでかっこいい。それができ婚でも。最悪も最悪だけれど、それすら逃れようとすれば逃れられないことはないから。男にとっての結婚って歳を重ねるほど意味が大きくなる。それをさらっとやってのけるヤツは本当にかっこいい。

不倫に関しては知りませんけれども、夫妻間での不貞行為の重要性は、各夫妻によって違うわけだしいくら恋してるからってあーだのこーだの言ってもだ。嫁と不倫相手と司法が与える罰以上の社会的制裁は加えるべきではない。どういう理屈をもってきてもだ。それは中世の残酷刑なんかと何もかわらない。人がサルから遠くないことの証明にしからないのだ。

ともかく、めしだくん結婚おめでとうございます。

それでは。

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