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「〇〇のパクリだ」と説明なしに言い出す奴の話は聞かなくていい。ノンエンジェル

2016/10/26

nonangel

政治的立ち位置や思想を右翼的・左翼的と表現する事がある。どちらかに振り切ってしまえば迷いもなくなるが、両者の考えやその歴史を読み解いていけばいくほど、それぞれに正義があり平和を目指していて善悪のレッテルを張る事は困難になっていく。だからと言ってリベラルと言い切る事も難しい。

そこで使われる言葉が中道右派や中道左派といった曖昧にも感じる表現だが、これでさえはっきりと口にするのは難しい。人の心は曖昧だし、"正義"は時と場合によって変わるからだ。

地球連邦軍にもジオン軍にも守りたい家族がいて、宇宙世紀半ばに生まれたバナージにとってはダグザさんもジンネマンも愛すべき父親だ。結局フル・フロンタルってなんだったの?

つまるところ、物事をはっきりと区別するのは難しいということだ。特に音楽はそう、大好きなアーティストのアルバムがitunesで的外れなジャンルに区分されていて腹立たしく思った経験が1度はあるだろう。

にも関わらず再生ボタンを押して30秒も経たないうちに「〇〇のパクリだ」と言って足蹴にする奴が結構いる。パクリとレッテルを張るのはまだいいが、こういう奴に限ってその理由を言わない。腹立つ。

様々な音楽を聴いてきた地下室TIMES読者の皆さんは、次の曲をパクリだと言い切れるだろうか?


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Daft Punkのパクリと言われる原因を探る


【MV】ノンエンジェル『I’m PREMIUM』【氷結プレミアム】

最近YouTubeで流れる広告の1つだ。

以前お笑いコンビのトレンディエンジェルとNON STYLEの目立つ方である斎藤と井上が同じく氷結の広告として『トレンディスタイル』というユニットを組んでいたが、今回の楽曲はその対になるものだ。座っているのはトレンディエンジェルとNON STYLEの"じゃない方芸人"であるたかしと石田。名前知ってた?

楽曲提供は日本のポップユニット「Sugar’s Campaign」。広告とは思えないほどの力の入れ具合だ、狙いに狙っていると感じる。

私は惹かれる楽曲を発見するとどんな反応があるのかコメント欄をひたすら見るという癖があるのだが、どうやらこの動画を見てDaft Punkのパクリだと言う奴が結構いる。


Daft Punk - Technologic

(今回Daft Punkを紹介するのに適切な動画が見つからないし、もうDaft Punk自体の説明も端折りたい。もうあれだ、マイケルジャクソン。マイケルジャクソンみたいなもんだ。それぐらい有名で影響力のあるアーティストってことだけ分かっていればいい。あとはググって欲しい)

さて、どこがどうパクリなのか? 冷静になって考えていきたい。

ノンエンジェルというユニット名

まず名前。Daft=まぬけ、Punk=音楽ジャンルのパンク、Daft Punk=まぬけなパンク音楽という意味だ。Daft Punkは今でこそハウスやエレクトロな楽曲を作っているが、元々はパンクロックをやっていた。そのときの楽曲を「Daft Punky=まぬけなパンクだ」と酷評されたことが名前の由来である。

対するノンエンジェル。説明するほどでもないが、NON=非、Angel=天使、ノンエンジェル=天使じゃないと言ったところだ。前の言葉が後ろの言葉を打ち消す、否定しているという点ではパクリなのかもしれない。

がしかし、トレンディエンジェルとNON STYLEそれぞれの単語を組み合わせた言葉と考える方が自然だ。『トレンディスタイル』に対して『ノンエンジェル』、自然な流れ。Daft Punkの名前からノンエンジェルが出てきたのなら遠回りすぎる。悪くはないよ。

見た目

nonangel
ノンエンジェル

daftpunk
Daft Punk

金と銀を取り入れた衣装。目を隠している。なんかキラキラしている。似てる、一緒だ。ビジュアル面でのパクリはほぼ確定のようだ。オマージュと言っていい。

POLYSICSとDevo、岡村靖幸とPrince、聖飢魔2とKISSのように愛を込めて風貌を拝借してくる事はよくあること。愛あるパクリだと思う。

楽曲自体はDaft Punkっぽくない

考えてみたものの、ユニット名と見た目以外共通点を見つけることはできなかった。そしてどちらもパクリというよりオマージュの方、盗作ではなくリスペクトの範囲内であってDaft Punkファンも好印象なはずだ。

重要とすべきサウンド面にはDaft Punkらしさは私には感じられなかった。目をつぶってもう1度ノンエンジェル『I’m PREMIUM』を聴いてみて欲しい。皆さんはどこかにDaft Punkを感じられただろうか?

私はDaft PunkよりもTuxedoを連想した。フレンチハウス・エレクトロではなくディスコリバイバルを感じたのだ。


Tuxedo - Number One

いかがだろうか? 重なるコーラス、リズムを刻むミュートギター、間を埋めるシンセリード、弾けるクラップ、ブリブリのベース、うっすら広がるエレピ。メロディラインも似ているものがあると思う。YouTubeのコメント欄にもTuxedoを挙げる人は数名いたが、私が見たときはパクリという言葉を使っている人はいなかった。

フレンチハウス・エレクトロ路線で似ているところを見つけようとするならば、0:53からの椅子が動きだす部分。ここはJusticeらしさを感じなくもない。


Justice - D.A.N.C.E. (Official Video)

コード進行がかすっている。ヴァースのコード進行がJusiceに似ている→フレンチハウス・エレクトロ路線→といえばDaft Punk→Daft Punkのパクリ! というルートを辿ってきているのなら大したもの。乱暴すぎるぞ。

ノンエンジェル『I’m PREMIUM』の歌詞やコード進行についての解説はこちらにも書いたので、興味がある方はぜひ読んで欲しい。

「〇〇のパクリだ」とだけ言う奴、良くない

物事をはっきりと区別するのは難しい。にも関わらず「〇〇のパクリだ」とすぐ言っちゃう奴は多い。合ってる間違ってるに関わらず、説明不足は誤解を招く。フル・フロンタル、曖昧にしないでしっかり説明してくれ。

「〇〇のパクリだ」と言ってバカにしている奴がいたら理由は何かを聞いてみるといい、根拠のない言いがかりがほとんどだ。パクリという言葉で済むなら良いが、曖昧な意見が素晴らしい楽曲の評判を落とす結果を生むことが多々ある。Bruno Marsのように訴えられることが続けばポップは死んでしまうよ。

そしてそんな奴らの話は聞かずに、自分自身の耳で確かめて欲しい。以上!

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