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2016/10/16

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音楽の趣味=性癖

「は?」
と口を歪め、スマホの前でアホヅラぶら下げながらこのページをクリックしたあなたの顔が目に浮かぶようだ。ありありと浮かぶ。
sumaho
地下室TIMESのユーザーの89%はスマホで閲覧している、とデータも言っており、みなさんの事なら頭の先からケツの穴までお見通しなのである。畏怖せよ。

 ところで、自称音楽通が流行りの邦楽ロック、延いてはそれを聴いているファンを揶揄する構図がネット上で、現実で、しばしば見受けられる。語り尽くされた話題だがイワユル「サブカルヒエラルキー」「サブカルマウントポジション」というやつだ。何の話だかよくわかんない、というあなたは「明日から使える!自称音楽通の殺し方!」この記事を読まれよ。読んでもきっとよくわかんないままだから。

 

好きなものを聴けばいい?

 結論を急げば「みんな好きなものを聴けばいい。人の趣味に口出しする権利などない」という毒にも薬にもならぬ、仏教徒めいた箴言に着地する。人間は喋れば喋る程に矮小化する。「口は災いの元」を代表に「とにかく黙ってろ」というようなことわざ、格言は探さなくてもいくらでもあるくらいだ。僕のようなアウトプット過多の人間はそれだけで俗だ。

 しかしだ。
「どう?すべてを見通した上で黙ってるワタシ、大人でしょう?」
と、したり顔で沈黙する自称大人などクソ食らえである。全身からドヤが滲み出てんだ。喋ってるやつよりよほどうるせえ、顔面が、うるせえ。結局「人の趣味に口を出さない」という行動に至るまでの精神過程からして「他人よりより優位な状態に立ちたい」という部分を根差しているので本質的には、

AKB48を聴く中学生女子、を下に見るKANA-BOONを聴く女子高生、を下に見るベルセバを聴く女子大生、を下に見る岡村靖幸を崇める敬虔な拗らせサブカル20代、を下に見る何も聴かないオッサン、を下に見る女子中学生。というような無間地獄から抜け出せちゃいないのである。本当の意味で他人を気にせず自らのみで完結できなければ解脱はない。うわ、なんだか説法みたくなってきたぞ。口を開くとこの通りである。

 

 じゃあ今回は違った観点からものを考えたい。9mmや電話ズなどの邦楽ロックに熱狂していた20代が、別の音楽に手を付けるようになり、さらにはそれを10代に押し付けるのはなぜなのだろうか。上記のように「優位に立ちたいから」というのもまぁ、あるだろう人によっては。でも100%そんな気持ちで他人と向き合うような生まれながらの凶悪、なかなかいないだろう。だとしたらあるのは
「こんな素晴らしいものを独り占めはもったいない!みんなに教えてあげなくちゃ!」
という純粋な親切心である。オイありがた迷惑だな。

 ここでやっとこさ本題だ。音楽が好きである限りは、趣味はどんどん深化してゆく。なぜ?人間は同じ刺激には慣れ、飽きてしまう欲深い生き物だからだ。
 僕は昔から、ヤバい曲を聴くと変な震えが全身に走る。場合によっては変な声も出る。
そんな僕が先日ネット上で大人の動画サイトを見て回っていた時に「ウワァ!今日はこれだ!!これで下半身耕すしかねえー!!!」そんなプライマルスクリームが腹の底から出るような(ていうかマジで言った)最高の13分を見つけた時、やはり僕は震えていた。膝ガクガクいうとったわ。すかさず谷澤くんに「やべえのみっけた」とラインしたが「わかんねえ…、石くんマジで趣味悪い…」と一蹴されてしまった。

 

 わかったか、やっとタイトル回収だ。音楽の趣味は、性癖だ。ここに至るに既に1400文字。日曜日からなにやってんだ僕は。ここに至るまでにURLを開いたうちの97%が脱落したことだろう。是非挨拶させてくれ。地下室TIMESの石左と申します。エリート変態野郎のみなさんご機嫌麗しゅう。

変態は気持ちいい

 音楽が好きである限りは、趣味はどんどん深化してゆく。ああそうだ。
 エロが好きである限りは、性癖はどんどん深化してゆく。オウ、イエス。

 「首絞めプレイをした」と言いたいがために行動に至る自称変態は、違う。お前らノー。何にもわかっちゃいない。
別にそうなりたくてなったわけじゃない、何だかよくわからないけどコレをこうするとアラヤダすっごく興奮する!!これだよ。

 変態は気持ちがいい。そこに理屈はない。
各々が各々の性癖を、音楽を愛すればそれでよい。それでよいが、なぜだろうか、性の萌芽で踏みとどまっているヤングを見かけると、こう

「ヒッヒ…坊や…同人誌って知ってるかい…?」

と語り掛けたくなる。これが人情。これがワビサビ。きっと小中学校付近の河川敷にエロ本を捨て置いていた【神】はこんな気持ちだったんだろうな。

  

もう戻れない

 自慢話をさせてくれ。
 中学校一年生の時分、通っていた塾で見知らぬ女の子にラブレターをもらったことがある。初等教育を終えたばかりとは思えぬ膨らみをした、将来性のある女の子だった。株だったら即買占めの案件だ。

 すげえ硬くなった。今でも憶えている。それはもう、有機物とは思えぬ硬度であった。齢13歳、動画サイトのサンプルで得られる硬さの比ではなかった。脈が変なことになってたと思う。

 また別の話だが、中学生の時初めて女の子とおデートをした。地元のデカめのイオンで彼女の手を握った時、何故か、とはいちいち言わないが思わず前かがみとなった。誤魔化すのに必死であった。

 しかしもう、その頃には戻れないのだ。いまさら。前の席のブスの夏服から薄ら透けて見えるブラのラインで硬くなったりは…、くっ…、できやしないのだ…

 

 僕がバンド音楽を初めて聴いたのはバンプだった。
「え、なんだこれ、かっけえ…!髪なげえ…!」
当時はそれしか知らないので夢中で、必死でバンプばかり聴いていたが、今僕が初めてバンプを聴いたとして毎日狂ったように聴くことはきっとないだろう。バンプは好きだが、それは思い出と思い入れによるものが大きい。

 

変態は、楽しい

 音楽も、性癖も、できる限りハードコアな内容の方がやはり楽しいのである。イカレた野郎の話はいつだってコク深いのだ。

 高校生に「MAN WITH A MISSIONっていうバンドがすごく良くて…」と言われても「ああ…狼のね…」とあたりさわりない感じで終わってしまう。
これは高校生に「つぼみって女優が、すげえエロくて…」と言われても「ああ…処女ね…」こうなるのと同義である。だって知ってるもん!!おまえ…今更つぼみって…大人なめてんのか?あ?マンウィズもつぼみもグッドでイナフだが、僕が効きたい話はそんなんじゃねえんだ…

「最近は、バックグラウンドでAVの音声を流して、Facebookで同級生の写真を見ながら握るのが…」
昔僕のバンドのベーシストがおもむろに言い放った矜持に溢れる一撃だ。笑いすぎてビールこぼした後、冷静になってドン引きした。サークルの女性全員に教えといた。
「ギターとガスコンロと冷蔵庫のバンドがあってな…」
こういう話こそグッと来る。喩えこそ悪いが伝わってくれ、この気持ち。


(参考映像)

 

全部性癖にあてはめれば納得が行く

 たとえば、ブランキーこそロックの至高。ローリングストーンズが頂点。そんな風に若者に管を巻くオッサン、しばしばいるが彼らがそう語るのは、彼らにとってはそれが真実だからである。
オッサンたちと陣内智則にとっては藤原紀香がエロかったのである。流行り廃りというものは確実にあって、今に生きる10代が紀香がビキニでビール持ってるポスターを見て「ワオ、こいつぁマブいスケだぜ」とはならないのは仕方ない。が、オッサンたちは紀香が正義だったんだよ…わかってやってくれ…ちなみに僕はブランキー好きだよ…、紀香は…

 この理屈でいけばまぁ、洋楽は洋物、アニソンは同人誌、演歌は春画、そんなとこだろう。みんながみんな心に抱えた真実がある。好き嫌いは、あって良いのだ。


(参考)

 

 そして性癖は、経験を経るごとに歪んでいく。
中学生の時ブラーを聴いて
「よくわからん」
と部屋の片隅に放り投げたが、なんやかんや時間を経てから聴いたブラーは
「奇跡かよ」
そう声が漏れる程にズンと来た。

 だからこそ、今すぐにとは言わないが、河川敷のエロ本で立ち止まらずに、思うがままに自分の性癖を追及し、時には先人の耳も傾けて欲しい。中には
「こうやって検索すると…ほら、すごいだろ…?」
こんな風に有益な情報を得られることもある。

 

 まぁしかし嗜好というのは人それぞれ違うわけで、特に変態(音楽が好きな人たちのこと)が集まってもなかなか話が合わない。
「排泄物だろやっぱ。食べたいもん」
「死体が最高なんだよ。死んでる人間にしか興奮できないね」
こんな二人が一同に会しても話はまったく弾まない。悲劇である。

 しかし排泄物に興奮する!という彼が、別の排泄物ファンに出会ったら。果たしてどうだろうだろう。
「ワオ!ハラカラよ!!今から食べに行こうぜ!」

 死体の彼だって
「え!お前も!?マジかよ!今から殺しに行こうぜ!」

愛に満ち溢れた世界だ。趣味を共有できる友人は貴重である。大切にしたいものだ。

 

おわりに

 繰り返すようだが、人の性癖にとやかく言う筋合いもないし、自分が変態であることに優越感を感じはしない。お前さんが「素人」とかで検索していても、お前がそれでいいなら、いい、いいよ。

 ただ、わかってほしいのはだ。変態のほうが気持ちがいいのだ。楽しいのだ。変態になれ。なってくれ。

 お前さんがどんな趣味でも、僕は受け止めるつもりだ。何も言うな。強く抱きしめてやる。
 お前の真実を追求してくれ。

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