珍しいタイプの一発屋bôa(韓国の歌手とは別)
「売れているものが良いものなら世界一うまいラーメンはカップラーメンになっちゃうよ」
この名言しかり、売れているものが必ずしも良いものとは限らないし、その逆も常で良いものだったとしてもなかなか日の目を浴びることがないものも沢山ある。
今回紹介するバンドはbôaというイギリスのバンドなのだが、こういった書き口、みなさんの予想通り結構マイナーな部類なのである。名前も韓国の歌手に似ていて紛らわしいし。
音楽性は暗くてシリアス、通常ならばUKのコアな音楽ファンが彼らのファン層を成しているところだが、
このバンドは予想外のところから有名になっていった。
たかがアニソンされどアニソン
bôaというバンド、簡単に言えばアニメの主題歌に抜擢され、その界隈から結構人気になった。
こちらがその主題歌になった曲、Duvet。
youtubeの再生回数からみてもブッチぎりで彼らの代表曲。彼らのほかの曲は多くて5万回再生とかそのあたりだが、この曲だけは桁を一個とばして100万再生を超えている。
bôa - duvet
曇り空が良く似合う、イギリスらしさが前面に出た陰鬱な雰囲気が特徴的だ。
かくいう私もアニメからBôaの存在を知ったのだが、そのアニメと言うのは日本SFアニメ界では教科書的作品、serial experiments lainこと通称レイン。
1998年に始まったゲーム+書籍+アニメなど複数のメディアにわたって展開していく形、今や当たり前になってしまったがいわゆるメディアミックスの走りである
ザックリ説明すると、”ネット”という世界をテーマにしたSF作品なのだが、なかなか類を見ないほどに無機質というか温かみの一切感じない世界観が特徴である。
実際にアニメを見ていただくのが一番だが、この無機質で欝な雰囲気のアニメと人間っぽさがある陰鬱な雰囲気の主題歌が絶妙にマッチしており非常に印象的なのだ。
その打率も非常に高く、私の周りでレインを見たい人はほぼ全員主題歌が良いといっているほど。
なんでまたイギリスのマイナーなバンドが主題歌に抜擢されたのかはわからないが、名采配というべきだろう。
ちなみにDuvetが収録されているアルバムはAmazonでは中古品が5000円程度と、いわゆるプレミア化の状態になっている。
bôaというバンド
ということでアニメという入り口からそのファンを増やしたbôaというバンドだが、元々のマイナーさに加えて活動開始が1993年と結構古いので情報が結構少ない状態である。
(ファンの努力の結晶だろう、bôaのWikipediaのページは数少ない情報がかき集められており妙に充実している。)
現在のバンドの状態は”活動休止中”。
いくら日本で人気が出ていたとしてもやっぱり色々厳しいのだろうか。
Bôa - Daylight
ちなみにDuvet以外の彼らの曲はどんな具合かというと、上の曲もそうだが大体全部Duvetのあの雰囲気を持った曲ばかり。
bôaは当初ファンクバンドとして結成されたらしく、普通のロックバンドとはまた違ったアプローチも多く、その辺りも面白い。
アニメ好きだけでなくUKロックファンにもおススメのバンドだと思う。
ではまた次回の記事で!