ジャニーズ事務所のゴタゴタの中、水カンの事務所からアイドルユニット爆誕 CUBERS
小雨の秋日、スマホを眺めているとこんな見出しが目に飛び込んできた。
スキャンダル続発 SMAP解散が引き金になりジャニーズの力が低下か
「ジャニーズの力が低下か」バカ言えこんな話「悟空が風邪」みたいな程度の内容である。全盛期のマイクタイソンより瀕死の悟空の方が強いに決まっている。
ジャニーズに歯向かうと死ぬ。これはエンタメ業界において法よりも重い不文律であり、鈴木福くんでも知っている常識だ。
一見、男性アイドルユニットはジャニーズ事務所にしか自生できない風に思われがちだが、実は今までも数々の男性アイドルがメインカルチャーへ進出を試み、そのすべてが屠殺の憂き目を見てきた。ジャニーズに逆らうと死ぬ。この国で長生きをしたいのならば絶対に押さえておきたい常識だ。
がしかし、やはり男性アイドルユニットというのはお金になるらしく、ジャニーズもちょっとはお優しくなったのかアンダーグラウンドや地域密着型として各種男性アイドルが若干賑わいつつあるようだ。
その賑わいの中から生まれたのがこちら。
賑やかすぎて目が痛え。マジでやる気じゃん。あと絶対これ最初6人だったスマップ森くんパターンでしょ。「CUBERSはメンバー5人と、ファンの皆さんで、6文字です」みたいなやつじゃん。
当サイトに投函されたタレコミはこうだ
「聴けるアイドルユニットっていう触れ込みで売り出してるアイドルなんですけど、めちゃくちゃ面白いから是非聴いてください」
聴きました。面白いです。常々思っていた。アイドルはもっと多様化しようぜ、と。今回の記事はCUBERSと男性アイドルの多様性について。
ということで是非みなさんも聴いてみてくださいどうぞ。
ヤバい。
いい感じにインディー。インディーズ版ジャニーズエンターテイメントだ。
調べてみると所属はつばさプラス。水曜日のカンパネラのところだ。マジか。やる気満々じゃん。最初見たとき「COWCOWの色違いじゃん」とか言ってごめん。
(*参考資料)
どうやら、ちゃんとした会社が本気で取り組んでいるっぽい。ということは彼ら、何らかしら狙いを持ってやっているのか、もしくはマジで気が狂っているかである。
プロフィール
まずはメンバーを一人一人洗っていこう。プロフィールと共にごく個人的な第一印象を記す。
TAKA(タカ)
生年月日 1993年11月14日
出身地 愛媛県
身長 180cm
特技 サッカー
メンバー中唯一のアルファベット表記。ワンオクとの被りを恐れない男らしさよ。その恵まれた身長から繰り出されるロングシュートには期待が持てる。
優(ユウ)
生年月日 1997年1月6日
出身地 東京都
身長 170cm
趣味 アニメ/漫画を見る・読む
一人だけ"特技"の項目が"趣味"になっている個性派。
春斗(ハルト)
生年月日 1991年3月5日
出身地 東京都
身長 172cm
特技 料理
僕と同い年。僕も料理が趣味。身長も一緒。なんか顔だけ全然違う。
綾介(リョウスケ)
生年月日 1993年8月26日
出身地 佐賀県
身長 171cm
特技 ダンス(POP)
強そう。どの角度から殴りかかっても勝てるビジョンが一切見えてこない。
末吉9太郎(スエヨシキュウタロウ)
生年月日 1993年7月28日
出身地 千葉県
身長 168cm
特技 自撮り
一人だけ名前がノールール。たぶん彼と将棋とかやっても一切ルールとか守ってくれない。
"聴けるボーイズユニット"
コンセプトはコレらしい。各所でこのキャッチコピーを使っている。
聴ける。
たしかに、男女問わず駆け出しアイドルユニットというやつは何だか楽曲が二の次であることが多い。コンセプト第一。人の言葉を借りるなら「バンドマン崩れ40過ぎのおっさんが書いた、ロードオブメジャーがマイナーになったみたいな曲」そういうのが多い。
で、聴き比べるとCUBERS
確かにとてもちゃんとやってる。アイドルソングには珍しく生っぽいサウンドで攻めている。
間奏に入った瞬間の各楽器隊の「ヨッシャア!ここからは俺らが主役じゃ!!」って感じ、完全に自らの本来の役割を忘れている。ギターのヤツ仕事だってこと忘れてないか。間奏のシメ、「トゥクトゥトゥーンッ!」じゃねえんだよ。
アイドルユニットの皮を被っておきながら、見てる方向は
こっち。制作サイドのオッサンたちが楽しくなって客を完全に置いて行ってる感じ、ナイス。
Daft Punk「Random Access Memories」の大ヒットによって世界規模でリバイバルしたディスコやAORサウンドは、一時的な流行で終わることなく、今や国内外の音楽シーンのスタンダードとして定着しつつあります。
そういう時代の気分は、もちろんここ日本のJ-POPにも反映されています。例えば星野源の「YELLOW DANCER」は、近年のポップミュージックの動向を受けての日本からの優れた解答として聴くことができる作品です。また、台頭著しいceroやSuchmosといったバンドのブラックミュージックとの向き合い方にしても、こうした文脈と決して無縁のものではないでしょう。
ナタリーのレポートから引用しよう。どうやら邦楽で最近興ったシティポップムーブメントを窓口にして、"音楽"としてCUBERSをブッ込もうという意図らしい。
先ほども「駆け出しアイドルユニットというやつは何だか楽曲が二の次であることが多い」と書きはしたが、アイドルという"キャラクター性"がメインのコンテンツであっても、やっぱり芽を出すようなユニットは楽曲がしっかりしている。
アコギの"間"で攻めるな。
今度は打って変わって打ち込みドラムにアコギのシンプルな編成。2010年代のジャニーズグループのアルバム曲みたいだ。岡本圭人が弾いてそう。
そうでない人が想像するよりも、アイドルファンは楽曲をちゃんと聴いているのだ。一流アイドルから聴けるポップソングでなまじ耳が鍛えられてる分、いくらイケメンでも、話題性があっても、一定水準以上の音楽性を満たさないものは「なんかお粗末だなあ」と聴いてもらえないシビアな世界だ。「パッケージングされた商品感」という部分においてはバンドカルチャーよりも厳しい。
あと歌が下手なのが良い。「最近のアイドルって、結構歌うまいんだぜ…」みたいな空気をぶち壊す歌唱力。SMAPまで時代が巻き戻っている。
SMAPもそうなんだけど、下手だからこそサビで斉唱したときに謎の波動が出る。これもアイドルならでは。ていうかスマップと彼ら以外であんまり見たことがない。
映像監督にはキュウソやフレデリックのMVで邦楽ロック周辺のみなさんにはお馴染みの加藤マニさんが起用されている。そういった点からも「普段邦楽ロック推しの人たちにも聴いてほしいんだな」というのが伝わってくる。
ジャニーズも良いけど、他の男性アイドルももっと出てきていいんじゃないか
なんでもそうだけれど、独裁集権っていうのは人情として面白くない。ジャニーズも確かに良い。幼少期から訓練されてるせいか無法地帯の女性アイドルよりもバラエティー番組に出した時の安定感が抜群。
しかしだ。いろんなところから色んな試みでこの「男性アイドル」という枠組みももっと自由化したら面白いんじゃないだろうか。そういう動きには僕個人は大賛成だ。
バンドだって、アイドルと何が違うかと言われると明確には答えられないケースが多くなってきていると感じる最近だ。でもそれはそれで良いんじゃないだろうか。メインカルチャーもサブカルチャーも垣根がないくらい、さまざまな割合のグループが生まれて、個々が自分に合ったアイドルを楽しめるようになればもっと面白いと思う。ジャニーズ、韓国、EXILEだけじゃ目が疲れる。日本だしここ。
そんなわけでCUBERSとその動き。みなさん頭に留めておいてはいかがでしょうか。