今年、各地で噂を呼ぶ(?)ダークホース三選
タワレコ、ヴィレヴァン、HMV、TSUTAYA・・・多くの人々に長年利用されているCDショップは情報入手が早い。訪れる度に、新しい流行になり得るアーティストの音源がコーナーを作り多数販売されている。
それでも、筆者を含め多くのリスナーは、売れる可能性のあるアーティストを店舗やメディアがプッシュするよりも前に見つけたい欲望を少なからず持っている。そのためには、様々なアーティストを出来れば初期から知っている必要があるだろう。
というワケで、今回はまだまだ1stアルバム及びミニアルバムがリリースされてない本当にサラサラの新人インディーズバンドを3組紹介する。
美メロを武器とした実力派 mira nemus
mira nemus(みらねむす)は2014年に結成された広島を中心に活動しているバンド。女性3人と男性2人から成る5人組だ。2015年1月中旬に1st e.p.『蜃気楼に浮かぶ森』を無料ダウンロード音源としてリリース。多くのバンドマンから送られた賞賛の寄せ書きが掲載されているダウンロードサイトを見れば、期待せずにいられないはずだ。
今回紹介する曲は、去年の夏に公開された「白く染めて」だ。
鍵盤を主体とした美しい旋律は非常に丁寧に作り込まれており、歌入りまで約1分も掛かる長さを全く感じさせない。特にギタープレイは1分54秒又は4分01秒のサビ前のフレーズ、2分49秒のソロ等多少ベタながらもメロディアスな曲調を際立たせるのに重要な役割を成している。そして、何よりも驚きなのは・・・、
ライブ以外にリリース予定がないので、次の音源までの繋ぎのプロモーションということで、友達に協力してもらいながらスタジオで撮影した映像と以前録ったプリプロ音源を使ってプロモーションビデオを作りました\(:q \∠)_
どうぞご覧ください。「白く染めて」動画説明文より引用
プリプロ。つまり、この曲はまだ完成版ではないのだ(雑音がちょっと入っているので、気づいた人もいるかもしれないが)。しかし、現段階でもクオリティの高さが十分伝わり、既に「春になる前にもう一度聴いておきたい冬の名バラード」の一つとして多くの読者の胸に刻まれたと確信出来る。是非、今年のダークホースとしてチェックしておこう(ちなみに、ダイジェストだがライブ映像もカッコいいぞ)。
夏だ!海だ!GRASAM ANIMALだ!
GRASAM ANIMAL(グラサンアニマル)は2014年結成の東京の4人組バンド。あの地下室LIVESにも出演したTHEラブ人間の主催イベント「下北沢にて15」(11月22日、23日開催。GRASAM ANIMALは初日出演)で、「今日一番ヤバかった!」と言わしめたらしい注目のバンドだ。何がヤバいかはまず曲を聴いて判断してみよう。
思わず歌って踊りだしたくなるご機嫌なサマーナンバー。ホームページには「XTCの血を受け継ぐ」と書かれ、動画説明文は「パンクバンド」と綴られており、既にバンドの自由奔放な姿勢が伝わってきて頼もしい。「それって、真面目にやってないのでは?」と思われるかもしれないが、そのような方々は直球ロックンロール「サマーカーブ」も耳にして欲しい。間違いなく、 GRASAM ANIMALがこれからの成長が楽しみなバンドだと分かるはずだ。
初期Base Ball Bearのソリッドかつポップな音像が好きな人はハマるだろう。
即効性エレクトロポップ!MARQUEE BEACH CLUB
MARQUEE BEACH CLUB (マーキー・ビーチ・クラブ)は2014年茨城で結成された6人組バンド。恐らくインディーズファンが最も音源のリリースを心待ちにしているバンドの一つだと思われる。未だ正式なリリースは無いが、Youtubeには現在12個の動画がUPされている。インディーズシーンで徐々にその名を浸透させつつある彼らの代表曲「eye」を聴いていただきたい。
昨今クラブシーンを騒がせているtofubeats,Wienners等の流れも感じるが、後期SUPERCARや中期くるりも思わせる絶妙な一曲。筆者の文章力では「オシャレ過ぎる」としか形容出来ない。
関連動画に存在するこの曲のRemixも必見だ。一つはサイケデリックロックバンド・オワリカラのキーボード、カメダタクによるRemix。もう一つは先日「終了」を 発表したGalileo Galileiのベーシスト、佐孝仁司によるRemixだ。既にあらゆる方面から注目が集まっているMARQUEE BEACH CLUB は今年の最重要ダークホースである。
まとめ
今回は、読者が今すぐファンになれるよう1stアルバム及びミニアルバムがまだリリースされていないインディーズバンドの中でも選りすぐりの三組を選んだ。2010年代も後半に入り、どのバンドが音楽シーン全体を動かすのか本当に楽しみなところだ。
Twitterでは毎日インディーズバンドのライブ告知ツイートがタイムラインに流れている。例えライブに訪れる機会は無くとも、その中に書かれている出演者を検索してみてはいかがだろうか?(告知ツイートをリツイートやお気に入りしている中から見つけ出すのが一番容易だ)特に、自分の地元ではない他県のバンドを調べれば思わぬ音楽との出会いをすることも多いのでお勧めだ。
それでは、また次回をお楽しみに。