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谷澤 千尋

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ジャズヒップホップの元ネタ、サンプリングがわかると楽しい US3

こんにちは。
聞くところによると、当サイトの読者はバンドマンやらバンド系の音楽が好きな人が多くを占めているらしい。そりゃあもちろんそういう内容を書いているのだから自覚はあるのだが、アレだよ。たまにはちょっと趣旨を変えてみるのも面白いんじゃないかってさ。
でだ、今回はヒップホップについての記事。
これがねえ、ヒップホップというとどうしてもDQN的なイメージがあって敬遠しがちかもしれない。まぁ実際割と大体DQNっぽいのが大半を占めているんだけど、もちろんそうじゃないのもあってだな。今回ヒップホップの面白さを体感してもらうために紹介するアーティストはUS3っていうアーティスト。
90年代に一度流行ったんだけど、イマイチ人気が続かなくて一応今でも解散はしてないはずなんだが、これがまたカッコいい音楽をやっておるんですよ。彼らを大まかに分類するとヒップホップになるんだけど、細かい分類だと「ジャズヒップホップ」とか「ジャジーヒップホップ」とか。もともとヒップホップというジャンル自体がジャズをサンプリングしたのが多いんだけど、その中でもジャズの傾向が強い音楽って言うこと。
ということでだな、その面白さを紹介していこうじゃないか。

ブルーノートレコード公認

ところでみなさん、ヒップホップでいうところの「サンプリング」がどういったものかご存知だろうか?
ザックリ説明すると他のアーティストの音源から一部を切り取って自分の音楽の一部に使用するっていうものなんだけど、大体のヒップホップが何かしらの音源からサンプリングしてビートを乗っけてラップをのっけってって具合に曲を作っているんだ。
これがヒップホップの面白いところで、元ネタの曲のどこを引っ張ってくるのかとか、元ネタをどう解釈したのかとか、作るビートメイカーによって全然感覚が人によって全然違うんだ。
さらに突っ込んだ話をすると元ネタの曲が持っていたノリとかグルーブとかってのがサンプリングされることによってまた別の側面が見えてきたりしたり。つまり元ネタの曲を楽しむ幅も増えるってわけだよ。
ということでだな、まずは一曲紹介しよう。


US3 - Cantaloop (Flip Fantasia)

これが93年にリリースされ大ヒットしたUS3の代表曲、Cantaloop。大ヒットしすぎてこの曲が収録されているHand on the Torchはブルーノートレコードで一番売れたアルバムになっているらしい。
で、元ネタがコチラ


Herbie Hancock -- Cantaloupe Island

ジャズファンでなくともどっかしらで聴いたことがあるはず、ジャズピアノの第一人者ハービーハンコックの有名すぎる一曲、Cantaloupe island。
有名過ぎる一曲を大胆にサンプリング!というか、サンプリングどころかカバーくらいの勢いで原曲が残っている・・・。タイトルも「Cantaloop」と「Cantaloupe island」だし。

で、どうですか?ジャズヒップホップ?カッコよくないすか?
ジャズだけのちょっと堅苦しいというかお高くとまってる感じも、ヒップホップのチャラそうなイメージもイイ感じに中和されてシャレオツな感じになるんですよ。
それでまた他にもジャズヒップホップは沢山あるけど、US3は特にこの絶妙なバランス感覚が素晴らしいんですよ。

ちなみにUS3、正式にブルーノートレコードの音源を自由にサンプリングしてよい、という許可をもらっている。他のビートメイカーじゃここまで原型の残ったサンプリングは著作権的にとか色々としんどいし、ある意味この曲はUS3だからこそ出来た芸当なんですね。

 


 
ではお次は順番を逆にして元ネタから紹介してみよう。


Horace Silver - Song for My Father

コチラが元ネタの曲、これまた有名な曲でファンキージャズ界の最重要人物ホレス・シルヴァーのソングフォーマイファーザー。
ファンキージャズっていうくらいだから、そりゃあもう軽快でファンキーなジャズソングなんですけど、これがUSの手に掛かると・・・こうじゃ!


US3 - Eleven Long Years

こんな感じにですね・・・レゲエ調になっちゃうんですよ。
ボーカルはレゲエだけどビートはヒップホップ、元ネタはジャズ。もうジャンルくちゃくちゃっすね。
因みに歌詞は原曲に合わせてある様子でパトワ語(レゲエに良く使われるジャマイカの言葉)でお父さんがなんたらとか、神に感謝せよ、祝福せよ、みたいなことを言っていて非常にカッコいい。個人的にそういう歌詞が好き。

さらに付け加えるとこの曲のAメロはソングフォーマイファーザーとはまた別の曲から拝借していて、うまいこと繋ぎ合わせて作られている。
こちらがもう一つの元ネタ曲。


Herbie Hancock - Blind Man, Blind Man

またしてもハービーハンコックなんだけど、サンプリングの使い方が上手いと言うか、2番のサビ前に原曲のブレイクの部分を持っきていてそこが非常にハイセンスだと思う。

 

どうすか?カッコよくないすか?ジャズヒップホップ!US3!

とういうことでだな、興が乗ってきたので最後にもう一曲紹介しておこう。
個人的に好きな一曲、That's How We Do It。


US3 - That's How We Do It

2006年にリリースされた曲らしさが出ていて、ファーストから比べるとハイファイなサウンドをしている。
この曲の特徴はなんと言ってもサビの部分、ジャズのアフロブルーという曲のフレーズを拝借している。(サンプリングではなくフレーズの拝借)


John Coltrane Quartet - Afro Blue

こちらが元曲。
アフロブルーは元々モンゴサンタマリアの曲だが、ジョンコルトレーンがカバーしたバージョンの方が有名なのでこちらを紹介しよう。
薀蓄に近くなるがアフロブルーという曲、モンゴサンタマリアのバージョンでは8分の12拍子でジョンコルトレーンのものが4分の3拍子、US3のものが4分の4拍子になっている。時代を超え国境を越え、リズムの壁も越えて愛される名曲だ。

そういえば最後になってしまったが、US3というグループ、メンバーが流動的で中心人物であるDJのジェフ・ウィルキンソンとエンジニアのメル・シンプソン以外はころころ変わっている模様。だから毎回ラップするやつが違う。

 


 

いかがだったでしょうかUS3。
薀蓄成分が高めの記事になってしまったが、もちろんそういったの一切ナシでも楽しめる。
だがアレなんだよ、世の中には少なからずこういった雑学的なサムシングがあると楽しさが倍増する人種がいるんだよ、私を含め。

ということ今回はこの辺りで!

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