キュウソは良くてなぜみそっかすはダメなのか、その秘密はメジャーデビューにあった
こんにちは、MUSICAの有泉さんがヤマサキセイヤのことを「セイヤは~」と下の名前で呼ぶことによってアーティストと密な関係にあることを四方にアピールするのがメチャメチャ気持ち悪くて好きです。石左と申します。
バンドの天命、それは本当に神のみぞ知るところにあり、ひょんなことから大ブレイクするバンドから、そのチャンスに恵まれず長い間苦汁をピッチャーで一気飲みし続ける運命にあるバンドまで様々。
その違いはと言えば本当に微々たるもので、時代だったり、バンドの出身地だったり、はたまたついた事務所との相性だったり…
俺はエイベックスというレーベルを尊敬しつつ見下げているところがあって、というのは浜崎あゆみを始めとする、良い意味で「エイベックス臭い」と言われるアーティストを数々輩出し、ブランドイメージを確立している点、というか、良くも悪くも何を聴いてもエイベックスの匂いが抜けないあのガチガチのアーティストメイキング。ありゃすごいなと。
の反面。バンドの育成はめちゃめちゃに下手なんだと思います。はい今日のお題はこちら。
もう7年前かよ。褪せない。
どうみても色物なんだけどサビまでちゃんと聴いてほしい。凝りに凝ったベースラインを追いかけていたらすぐだ。
なぜこんなビジュアルなのか、アートワークなのか、ネーミングセンスなのか、一切解せない。曲めちゃめちゃカッコイイ。名古屋が生んだ数少ない名曲の一つよ。
このリリースで当時のバンドシーンでたちまち話題になった彼ら、特に当時僕は名古屋で学生をしていたのでそこらへんのスタジオやライブハウスで名前を見かけたのを憶えている。正直
「なーんでこんな色物バンドが…」
と腹を立てていた。同郷、ということで「自分のバンドの方が…」とルサンチマンが網膜に張り付き勝手にライバル視していた。
そんなみそっかすがメジャーデビューして
こう。
当時ニコニコ動画でこのOPを見かけて大変ショックを受けた。歌入りと共に「ズコー」という文字で画面が埋め尽くされていた。
こういう所に放り出して、アニメの主題歌歌わせて、是とされるバンドじゃないだろうと。
バンドがかわいそうだった。
あえてほかのバンドと比べるなら、コミック色の方向性は違えどサウンド的に、デビュー時期的に、キュウソネコカミなんか近いんじゃないかと思うのだ。
シンセいますしね。
そんなライバル(ここでの)であるキュウソは当時「サブカル女子の一発屋」と言われ、ウケるかスベるかギリギリのギャグセンスで、バンド稼業という死神の鎌の上を走っていた。小さいライブハウスで滑り散らして対バンにも楽屋に引っ込まれるあの姿を知っていれば、正直デビューさせたビクター側としても相当な賭けだったと言える。
が、キュウソの場合はその後のプロモーションが良かった。
「サブカル女子」で捕まえたファンを逃さない楽曲を作り続け、徹底して少年少女を狙った販売展開をし、ザ!邦楽ロック!といったバンドとの対バンを続けた。
そうして今やメジャーバンドたちの中でも有数のアイコニックになっている。ヤマサキセイヤが川上洋平や山中拓也と言った顔面麗しいバンドマンと並んで語られるとはすごいことだぞと思う。
対してみそっかす。先ほども述べたようにエイベックス。エイベックスというと「バンドはアニソン歌わせとけ」の一点賭け。
バンドのプロモーションが不慣れというか、他の音楽に期待値を寄せているという話もよく聞く。
レーベルが違っていたら、両者の運命がどうなっていたか、また違ったんじゃないかと思う。どっちが良い悪いではなく、相性の問題というのは確かにあるはずだ。
最近ではレーベルも移籍し、メジャーバンド以前の彼らの良さに回帰したサウンドになってきている。
どうでしょう。聴く機会がなかった人も是非