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2015/09/07

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人生を嘲笑するイナゴでありたい。The Locust

はじめに断っておくが、やっぱりHAPPY LIFEを謳歌するような話じゃない
ごめん。

表題にあげたイナゴについて、皆さんはどんな印象を持っているだろうか?
貴重なたんぱく質源という認識を持つ方もいるかもしれないが、農作物に大変な被害をもたらす害虫という認識が大半でないか、と思う。

イナゴというのは昔から忌み嫌われるものであり、多くの史書にもその被害が記されている。
そういったイナゴの生態は生物学的にも大変な研究価値のあるものだが、農作民にとっては不快極まりない昆虫である。

そんな私たちのさまざまな感情を逆撫でする昆虫であるイナゴを、音楽で表現しようという素敵に不快な奴らがいる。
そのバンドが本項にて紹介するThe Locust(名前もそのままイナゴ)だ。

“不快”や“嘲笑”も一つの感情表現と考えれば

改めて言うまでもなく、音楽は表現方法の一種である。
とにかくかっこいい音楽もあれば、泣きを誘うような音楽や怒りを表現した音楽、サーフィンが終わったあとの気だるい疲れを表現した音楽だってある。
それに我々は共感し、喜んだり、感極まって泣いてしまったり、人間は糞だ!と叫んだりする。
これにより、とにかく人を好きでたまらない気持ちを表してくれることもあるし、沈みたいときに思いっきり沈んだ気持ちにもなれる。
それが音楽の素晴らしい一面でもあるのだ。

そうであるならば、
「自分の今の不甲斐ない気持ちをあざ笑って元気になろう!それにはあの害虫であり嘲笑と不快の代名詞ともいえるイナゴになっちまえばいいんじゃないのか?」
そんな気持ちになれてしまうのがイナゴ野郎どもThe Locustである。

the-locust-member

「これは不快な音楽です」と単純に書くわけにもいかないのか、バンドの音楽性を記したブックレット等の説明には以下の記載があった。

Napalm Death meets Devo

こういった表現はよくあるが、この二つがイナゴの因子だったかと思うと、なんだか妙な気持ちになる。
ここに記された出会う前の二つのバンドを、おさらいとして確認しよう。

 

混ぜるな危険

・Napalm Death
日本の有名バラエティ番組にも出演したことがあり、それでご存知の方もいるかもしれない。
また、地下室TIMESでも以前記事が掲載されているので、そちらも参照いただきたい。
構成員や音楽性の変遷も大変流動的なグループであるが、The Locustに存在する彼らの影響は、初期の“あまりにも早い時期”のものであると考えられる。

ものはどうあれ見てもらうために動画を貼るのにこれほど抵抗がないバンドもないだろう。
(なお上記MVはオフィシャルである。)
こういったジャンル(グラインドコア)の始祖であり、音楽表現の限界に挑戦し続ける偉大なバンドの一つだ。

・Devo
バンド名は「De-Evolution」の略からきている。「人間は進化した生き物ではなく、退化した生き物だ」という意味がこめられたそのバンド名のとおり、大変皮肉の効いた音楽性を持つグループである。
また、70年代からのテクノポップジャンルの代表的なバンドであり、日本でも大変人気のあるバンドだ。
POLYSICSハヤシが敬愛するバンドとして記憶している方も多いかもしれない。

なかなかにひねくれている。アートの世界に幻滅して音楽の世界にやってきた人間が作ったグループだが、人生に悲観した時に聴くと結構心地よい。
彼らも名曲が沢山あるが、ここでは触れず、本題に戻ろう。

 

本題のバンド

上記のバンド共に、極限にまで振り切れているバンドなので、あんまり出会ってほしくなかった組み合わせだがそこらへんが落としどころなのだろう。
さて、いよいよ聴こう。イナゴ野郎どもの曲はこんな感じだ。

偉大なバンドが前提にあることで、ハードルが少しあがってしまったがイナゴの不快さが少しは体感できただろうか?
先駆者たるDevoライクなキャッチーなサウンドが、Napalm Deathの攻撃性をまとった姿は、まさに農村を襲い嘲笑するイナゴのようである。
Liveもなかなか振り切れているが、ネット上にあがっているのはかなりマイルドなものだそうだ。

結成20年を迎えるそれなりのベテランでさすがに若い時ほどはじけてはいないようだが、継続は力なり。不快も力なり。
彼らを聴いて、時に感じる自分の無力さや不甲斐なさなどを嘲笑ってやろう。
これも音楽の一つの力でもあるのだから。

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