BASEMENT-TIMES

読める音楽ウェブマガジン

ホーム
アバウト
人気記事
月別索引
オススメ記事

コラム 特集 記事

バンドマンの部屋が独居老人過ぎたので女子大生のイメージ通りのロックな部屋に勝手に改造してきました

 ごきげんよう、みなさんいかがお過ごしでしょうか。僕?僕ですか?

 

 わかりません。僕は一体何をしているんでしょうか。25歳、生きるとは、何なんでしょうか?

 

 ことの発端は上の写真1週間程度前のこと。アルバムのリリースに寄せて帯コメントを書かせてもたらったりと、以前より色々仲良くしてもらっている邦楽ガレージロックの重鎮、Yellow Studs。彼らの新アルバムがいよいよ完成するというのでライブにお呼ばれし、仲良し特権で打ち上げに参加。僕は酒が全く飲めないのだけれど、何故かテンションが上がってしまい勧められてもない酒を沢山飲み、泥酔。ついでに終電も逃したのでそのままギターの良平さんの部屋に転がり込んだ次第。

 

 こちらイエロースタッズ ギター担当の野村良平さん。見ての通りのロックステディ。こんな赤い色のスーツが似合う大人なんか野村良平、水野ギイ、カズレーザーぐらい。三人揃ってロックンロール。

 


Yellow Studs - さえずり

 せっかくだからここで一つ曲の紹介も。スライドを使ったセブンスコードのリフと、JPOPでもサブカルマッシュの邦楽ロックでも聴けない、泥臭い大人の現実味溢れる血の濃い歌詞性が耳に頭に響く硬派なロックを鳴らす渋いバンド。演奏もタイト、飾らないMCとパフォーマンスが”本物”の、本当に応援してる超かっこいいバンドです。是非。

PM02:00起床

 んあぁ。良く寝たなあ。いてて、二日酔いか… 昨日俺なにしてたっけ…

 

 

「ん…?俺昨日おじいちゃん家泊まってたけ…?」

 人様の家に上がり込んどいてなんだが、圧倒的昭和感。壁にかかった箒、冷蔵庫に張ってある町内会のお知らせ、ミスマッチを通り越してむしろ馴染んでるジバニャン、常に手の届くところにあるつまようじ、フライパンそんなにいらねえだろ捨てろ。完全に小学生ぐらいの孫がいる独居老人のお宅の様相だ。

 極めつけはテーブルの上の青いヤツ。喫煙者の方ならタバコ専門店で見かけたことがあると思うが、完全に対象年齢60歳以上のアイテム。使っている人を初めて見たので用途を訊いてみたところ

良平さん「お酒飲んでる時ってタバコ吸い過ぎちゃうじゃないですか。で、次の朝起きると喉が痛いじゃないですか。でもタバコ吸いたいじゃないですか。その時役に立つのがコレなんすよ、コレをつけると煙が少し優しくなってタバコが吸えるんですよね」

 


Yellow Studs - 脱線

 

 さっきの俺のべた褒めを返してくれ。何が硬派なロックじゃ。後期高齢者だよこんなもん。

 さてみなさんいかがでしょうかこのお部屋。数あるロックバンドの中でも特に”ロック”なバンドだと思っていたイエスタがジバニャンに囲まれて隠居みたいな生活を送っている。ウォッチ!今何時!?クソジ時〜!!フライパンそんなにいらねえだろ捨てろ。

 完全に幻滅。部屋が酒とタバコで溢れてるのはイメージ通りでベリーグッドだったんだけど、それ以外が全部ダメ。ステージの外でも、家にいる時でも、もっと一分一秒を研ぎ澄ますかのように生きていていて欲しい。下半身が乾く暇がないくらい女を抱き、ジャックダニエルの空き瓶で対バン殴って、一日にタバコ10箱吸ってて欲しい。必要があれば栽培にも着手しててほしい。

 

ふざけんな、ロックであれ

 

―「いや良平さん、マジでやばいっすこの部屋は。僕ケースワーカーになったかと思いましたもん」

良平さん「え、そんな酷いこと言う?」

―「病も気からというし、バンドは部屋から。部屋がロックになればもっと良いライブができますよ」

 どうやら本人にも多少自覚があったらしくなんか妙に納得してくれた。かくして今回のリフォーム計画が行われることになったのである。

 

とりあえず片づけてみた

 とはいえども実際どこから手をつければいいのかわからなかった我々はとりあえず”ロックじゃないもの"を片付けることから始めた。

 

 

良平さん「これだけはダメ?」

―「いいわけないでしょ。なんで大丈夫だと思ったんですか」

 そして出来上がったのがこちら。

 

 

 良平さん、ジバニャン全部片づけられて去勢されたプードルみたいになっちゃった。

 まあ、アレですね。失敗っすね。とりあえずこびりついた生活感はおとせたけど、それと同時にもっと大事なものを失わせてしまったような気がする。結局老人感抜けてないし。このままでは健康に良くない。

 

フレッシュな意見が欲しい。若い女に意見を聞こう

 さて、なんの計画も立てずに始めた今回のリフォーム計画だったが、早速アイデア切れ。ついでに良平さんもジバニャンを奪い去った恨みからか「部屋の改造はいいけど、このまま谷澤に任せておくとろくなことになる気がしない」とか言い始めた。逆恨みである。ここにきてやっとロックンロール感が芽生えてきたご様子。

 ということで、ここに新しい風を吹き込むための強力な助っ人を呼ぶことにした。

 

 

 女子大生である。あと2〜3年で価値が0になる、まさに”今”を生きる時代の最先端。若い彼女らならきっとステキな”ロックな部屋”のアイデアを出してくれるに違いない。

 ということでイエスタのPVを女子大生に見てもらい、そこからどんな部屋に住んでそうかイメージを聞いてきた。

 


Yellow Studs - 言葉にならない

 

女子大生「…」

 

 

―「どんな部屋に住んでそうだと思いますか?」

女子大生「んーザクト(タバコのヤニ落とし専用の歯磨き粉)使ってそう!」

女子大生「バンドマンってやっぱりバンドもののポスターとか部屋に張ってあるイメージあるな。ビレバンの端の方に置いてあるアレみたいなさ」

女子大生「なんか壁紙が真っ赤な部屋が良いと思うな!窓はない方が良いと思う!」

女子大生「コンセプトはー… 牢獄?」

 

 

 牢獄。

 よもや年間莫大な学費をつぎ込んで勉学に励んでいるとは思えない非常に愚直で美しい意見。

 そう、これこそが我々が欲しかった御意見。

 ”バンドマン→赤い壁紙の牢獄でタバコ吸ってそう”

 社会の荒波にもまれ汚れてしまった我々には逆立ちしても出てこなかったこのイノセントで荒々しいロック像。これで良平さんもステキなロックライフをお送りいただけることだろう。

 

ちょっとしたワンポイントを加えるだけで理想の”ロックなお部屋に”!現役女子大生に訊いた、ロックな部屋コーディネイト術!

―「こんにちはー」

 少々警戒態勢の良平さん。

 

 

良平さん「この前の話ってマジだったの?」

―「いやー僕はあこがれのイエスタにはやっぱり、イメージどおりの部屋に住んでてほしいんですよね」

良平さん「…」

 

強面には必須!ギャップ萌え

 

―「本日最初のワンポイントはコチラ」

良平さん「思ってたよりカワイイのがでてきた」

―「なんか女子大生いわく、ギャップ萌えらしいです」

良平さん「ギャップ萌えってそういうのじゃないよね。与えるものじゃないというか、見つけて楽しむものというかさ」

 

 

赤い壁紙で非日常感を演出

―「お次は今回のメインディッシュ。赤い壁紙」

良平さん「女子大生は絶対バンドマンをなんか別のものと勘違いしてる」

―「これもロックのため」

良平さん「まあ女子大生がそう言うなら…」

 

 

―「良平さん身長高くて、まるで壁紙を変えるために生まれきたような人ですね」

良平さん「これ終わったら、お前ん家も赤くしてやるからな、覚えとけよ」

 

 

 というわけで壁紙完成。

良平さん「サイレントヒル?」

―「一昔前に流行ったホラーFlashみたいですね」

 

バンドマンならやっぱりバンドものポスター

 

―「お次はコチラ。なんか女子大生がバンドもののポスターが貼ってありそうと言っていたので買ってきました。」

良平さん「せめて張るものくらい俺に相談してくれない?」

良平さん「ていうか俺ダーティーループス良く知らないんだけど、どういう気持ちでこのポスターをみればいいかわからない。知らない人と突然共同生活始まったみたいな気持ちなんだけど」

 

ディスプレイにはダーツを刺してワイルド感を演出

―「お次はディスプレイにダーツを刺していただきます」

良平さん「お前にじゃなくて?」

―「荒れてるアピールか、もしくはちょっとシリアス系の少女マンガのキザな男が「次は君を射止めて見せるマダモワゼル」とか言いながらディスプレイに向かってダーツを投げるみたいなのの再現だと思います」

良平さん「バンドやめようかな俺」

 というわけで実在の人物の写真を写しながらやるといらない角が立ちまくるので、いらすとやから画像を拝借し、いざチャレンジ!

 

 

良平さん「普通に危ねえ」

 良平さんのカステクニックでは、どうやらディスプレイにダーツを刺すことは難しい模様。ダーツ上手そうな見た目してるのに、これはギャップ萎え。仕方がないのでセロテープで無理やり止めてみました。

 

 “ボケて”のお題に使われそうな感じになってしまった。なんだこれ。

 

劇的ビフォーアフター

 女子大生のコンセプトが”監獄”とのことだったので、暗めの照明に変えて完成。

 

 

 なんということでしょう。生活感とジバニャンに溢れていた安アパートが、こんなステキな独房に!

 では家主様の喜びの声を聴いてみたいと思います。

―「いかがでしたか?」

良平さん「なんか家って言うか、怪しい占い屋みたいになったね」

―「ダーツ占い的な?」

良平さん「お前んちのディスプレイにもダーツ刺してやるから覚悟しとけよ」

―「でも思ったよりなんか雰囲気でましたね」

良平さん「ね。不思議」

 ということでテーブルの上を片付けスーツを着用、カッコいいポーズをとって撮影してみることにした。

 

 

 なんだこれクソかっけえ。

 今回の検証結果は「女子大生のイメージ通りに部屋を改造すると意外とカッコよくなる」でした!「もっと生活からロックしたい!」というバンドマンの皆様は是非お試しください。

 ちなみにこの部屋で数日暮らしてもらった感想は「メシがすこぶるマズい」だそうです。逆境を糧に頑張ってほしいなって思いました!

 

Yellow Studs 新アルバム「TRIANGLE」

 ということで冒頭の方にチラッと書いたYellow Studs新アルバムが発売したので、家をめちゃくちゃにした罪滅ぼしも含めてここで紹介したいと思います。

―同級生はマイホーム買いました。俺らはアルバム作りました。苦節14年 9thアルバム完成―

ジャズ、昭和歌謡、ガレージ、ブルース、好き勝手にやりまくった我武者羅なジャパニーズロック。
嘘を歌えない不器用な鍵盤ボーカルの日本語歌詞を聴け。

血反吐を吐く思いで作りました。そんな作品です。世間でよくあるラブソング等は入ってません。気づいたら中年男性になってました。それでもまだロックをやってます。聴いて下さい。

 

 「企画に付き合ってくれたからオススメしている」なんて誤解、間違ってもされたくないんですが彼らの曲とアルバムと人となりとライブを見れば、きっと誰しもに響く生々しさをもったバンドです。

 いちいち言葉にするのは無粋なほど、苦節と不遇とひたむきで、売れ線とか流行りとか商売とかが本当にへたくそで。ただ、かっこいい事もかっこ悪い事実も全部ひっくるめて本当の事ばかりしか歌えない本当に不器用な大人の音楽です。自分と上手く付き合えない人にほど刺さると思います。是非聴いてみてください。

 

 

 最後に個人的に好きな曲を。

 それでは!ロックな部屋に住むイエスタをみなさんよろしくお願いします!

オススメ記事

記事検索

オススメ記事