女子中学生にDOPING PANDAを聴かせたら「なんか違う」言われた。
やれダンスビートだ!サビが繰り返す!バンド名がダンス関係だ!とか最近の流行について散々言及してきたが、それらに当てはまっていたのに不思議と今ほど大騒ぎされなかったナイスなバンドはいっぱいいる。例えば過去に記事を書いたSTARBOARDとか。
時代がまだそこまで来てなかった、のも一因だろう。バロック音楽全盛期にブルースもジャズもボブディランも全部ぶっ飛ばして急にマキシマムザホルモンがやってきてもきっと逃げ出した王宮奴隷と間違われて逮捕、処刑だろう。極端な話そういうことだ。
なんなら海の向こうでは何年も前にこの手の音楽は成立し、一定の地位を得ているが邦楽のリスナーがそちらに寄る気配もない。
何が言いたいか。そろそろハッキリさせておくと、いくら音楽性が世相にマッチし内容が優れていても、一定の「邦楽ルール」みたいなものを遵守していないバンドにはみな見向きもしないようだ。これを検証すべく今回は女子中学生(血縁関係)にDOPING PANDAを聴かせてみた。
DOPING PANDA
ダンスに寄った邦楽は今までそこそこにあったように思われる。例えば売れないバンド御三家の一角、TRICERATOPやら、最近ラストパーティを終えたThe Telephonesやらと形を変えながらどの世代にどこにもそういう気配を持ったバンドがいたが、テレフォンズはどうやらもう既にご存じのようなので、今回はDOPING PANDAをチョイス。
DOPING PANDAを聴いたことない、という人の為にまず一曲。
中期以降はもうこの通り徹底してダンス。無駄なくシンプルにバンドでダンス。え、もう良いじゃんこれで、聴けよ!!好きだろ!!
というわけでCDを貸して後日反応をうかがうことにした。好きなバンドはドラマチックアラスカ、フレデリック、感覚ピエロ。おいおいお前バンドマンとだけは付き合うなよ。
結論から言うに、かえってきたリアクションはイマイチだった。The Raptureは良くてドーパンはダメらしい。不思議。理由を尋ねると以下のようだった。
・ルックスがなんか違う。
なんでだ!スターカッコイイじゃん。お前の好きな夜の本気ダンスを悪役にしたみたいなルックスじゃん。違うの?ダメなの?と思ったが、要約するにサブカルの匂いがないらしい。そうだね、普段しっかりジャケットとか着こなしてるもんねスター。Tシャツにカーディガンとか着ないもんね。
・バンドっぽくない
ルックスの話にも通ずるが、Tシャツのキノコヘアがギターサウンド掻き鳴らしてこそ、らしい。マカロニえんぴつを紹介したら嬉々として聴いていた。なんだかわかってきたぞ。あとマカロニえんぴつはたまたま名前が出てきただけで何も悪くないぞ。
・声が
ダンディすぎるらしい。声高いけどなスター。発音は別に気にならないらしいけど日本語で歌ってくれた方が嬉しいそうで。
・サビはもっともりあがって欲しい
訊くにもっと「ワーッ」ってしてほしいらしい。ワーッってなんだよ。CD返せ。サビのメロディを高く、Bメロをセブンスで終わって楽器を増やせとかそういうことか。
まとめると
「バンドマン」っぽい人が「邦楽ロック」っぽい音楽をやってないと興味がサッと失せるようだ。本人の口から言質を取ったわけではないが、まぁこういうことらしい。ドーパンはその辺が趣味に合わないらしい。悲しい。
しかし反面「KANA-BOON聴いてるのはダサい」と言わんばかりの口ぶりだった。マジかよ、お前この間まで喜んでCD部屋に飾ってたじゃねえか…。子供の成長は早い。諸行無常だ。
僕はお前がバンドマンと付き合わないか。ただそれだけが心配です。健やかに育ってください。