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邦楽『超』青田買い -今からツバつけとくべきバンド-

2016/07/17

aotagai

 

日本にはどれだけのバンドが存在しているのか。どれだけのバンドマンがいるのか。それこそ星の数ほど存在するだろう。よく聞く喩え話だが、星に手は届かない。ところがどっこいバンドマンは簡単に手が届く。出待ちして飯食って気がつけばベッドの上だ。Let's try。責任は負わない。

話を元に戻すが、あなたの身の周りに「やたらとインディーズ音楽に詳しいやつ」はいないだろうか。「このバンドが来るよ」と言われて数ヶ月したらマジでデビューしてたりするアレ。

あなたはそういう音楽通を見てどう思っただろうか。博識?センスの良い人?気持ち悪い?

今回は『超』青田買いと名づけて、知名度こそまだ無いもののそれぞれに光るものを持っていて、今はまだ有象無象に紛れているがきっかけさえあればいつでも飛び出してきそうなバンドをピックアップする。多分うちがメディア最速だ。

「このバンドが来るよ」と今から周りに言っておけば、数年後にはあなたも気持ち悪い音楽通の仲間入りである。おめでとう。

さっそく紹介していこう。


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1.NUNNU

 

はじめに紹介するのは昨年7月に結成したバンドNUNNU。結成から半年ちょっとでYoutubeチャンネルにデモ曲を7本とスタジオライブ映像を3本投稿している。このご時世としては正しい活動の方向なのかも知れない。事実こうして記事にすることで場末のライブハウス数杯分の人間の目に留まることになる。みんな見習え。ノルマ代のためにバイトする時間があるならYoutubeに曲上げろ。

NUNNUはボーカルとその他を担当するharuhikと、ベースの正田からなる2人組のバンドだ。打ち込みトラックを中心にしたサウンドとオートチューンをパキパキに効かせたハイトーンボイスが印象に残る。

持ち味はそのボーカルだ。悲観的ながらも前向きな歌詞をやや詰め込み気味に歌っている。詰め込み気味ではあるが、決して聴き心地は悪くない。歌詞を構成する日本語の選び方がとても上手だ。オートチューン越しに小気味良い言葉を流れるように歌うので、喉に突っかかるような不快感も無くすっと染みこむ。風邪薬かよ。

トラックやメロディー、曲の構成、歌詞などの一つ一つで斬新な技法を凝らしているわけではない。分解してみればありきたりな要素かも知れないが、それらをうまく纏め上げて他のバンドが居ない隙間に着地させている。それが意図したものかセンスによるものかは分からないが、間違いなく確固たるオリジナリティを放っている。

 

こちらはスタジオライブの映像。ドラムとキーボードが入っている。ボーカルharuhikの出で立ちと振る舞いに若干の世捨て人感を覚えるが、それがまた彼らの曲にマッチしている。

惜しむらくは打ち込み音源のチープさとミックス技術。しかしその辺りは今の彼らにどうこう言うべきところではない。この記事を見ている業界関係者が彼らを拾い上げて高い音源と良い環境を提供してくれ。よろしくどうぞ。

 

2.パスワードの人

 

2つ目は都内を中心に活動しているバンド、パスワードの人。ボーカル、ベース、キーボード、ドラムの4ピースバンド。最近ギターレスのバンド増えたね。Fukaseのせい?

似たような言葉ばっか並べて申し訳ないが、このバンドもボーカルの女性、ぐみの声質が素晴らしい。ただ上のNUNNUとはベクトルが違っていて、素の声そのままでステゴロ勝負に来ている。その声があんまりにも透き通る声だ。

透き通る声とは何かというと、リスナーの音楽的経験値とか斜に構えた視点とかそういう防御力を無視して心を直接殴りに来る声のことだ。具体的に言えばこの声で「お金ください~」って歌われたら財布ごとぶん投げる、そういう事。

声質だけで取り上げるなと怒られそうだが、タイトルにもあるようにこれは青田買い。今後を見越してピックアップしている。諸々の粗い部分や演奏技術なんてものは後からついてくる。

思うに、こういった素朴で透明、若干幸薄そうな声の女性ボーカルというのはどの時代にも一定の需要がある。空気公団やらadvantage Lucy、相対性理論とか。

パスワードの人はその枠において、次世代の担い手と成り得る可能性を充分に秘めている。その声をより多くの人に届けられるようにするには、やはり業界人の手助けが必要となる。この声がぶっ刺さったスカウトマンは機材車と高速代を用意して全国ツアーを組んで欲しい。

 

3.the バーダック

ソフトな音楽だけで終わると思ったら間違いだ。残念。最後は関西で活動するゴボウ系ロックバンドthe バーダック。ゴボウ系って何だよ。草食系のカテゴリ内?

このバンドはライブで見かけて度肝を抜かれた。全員が衣装をゴボウ色のシャツで揃えて上がったステージで大暴れしていた。更には間に挟んだ自己紹介MCで、ボーカルがものすごいキメ顔とともに「安原ドミンゴです」と言い放ったインパクトが強すぎた。その風貌でそのネーミングはズルい。「なるほどな」って頷いてしまうわ。その日の他の出演者のことは忘れてしまったが、彼らだけは未だにハッキリ覚えている。インパクト勝ち。

それから数年、気がつけば自主レーベルを設立してしっかりとした公式HPを構え、完成度の高いPVを公開していた。音楽自体はガレージやパンクを踏襲した正統派なもので、それだけで言えば同レベルのバンドは山程存在するであろうが、彼らの場合はその売り出し方が上手い。古い曲のPVだってそうだ。なんだこれはと苦笑いしつつも最後まで見てしまう。

 

サムネから部屋が汚い。笑顔がヤバい。何でタミヤのTシャツなんだよ。

という風にホームページやPV、視聴音源などの入り口をカッチリしておけば「どれどれどんなものか」とライブに足を運ぶ人も増える。そうなったら最後、彼らの魅力に取り憑かれて「また来なければ」と思うことだろう。さながら蟻地獄。

この様にPVも充分に魅力的なのだが、彼らの場合は生で見てナンボだ。無条件に体が揺れる王道パンクサウンドと目が離せない堂々のステージング。それによって湧き上がるフロアの空気感はライブ会場に居る者だけしか知ることはできない。遠方のリスナーは文句があるなら地元ライブハウスのブッキングマネージャーに言え。

 

 

音楽に限らず、電子機器の発達によってプロとアマの境目が曖昧になりつつある。技術さえあれば10万円もかけずにプロ並みの作品だって作ることができる。

同時に、今日のインターネットには様々なサービスが存在している。インターネット環境がある以上はどれだけの僻地に住んでいようと「田舎だから売れない」という言い訳は通用しない。

それらを好機と捉えて衆目を集めることのできるバンドマンが、売れない時期を一番に抜け出せる時代なのではないだろうか。

それはリスナーにも同じことで、自分の好きな音楽を自分で探す手段は山程ある。頑張って欲しいバンドに直接メッセージを送ることも簡単だ。出待ちなんかしなくてもいい。いやしてもいいんだけれど。

ただ新しいバンドを探すことに夢中になるのは良いが、見つけたバンドが将来伸びたとしても、あまりそれを自慢気に話すのは止したほうが良い。きっと気持ち悪いと思われるから。

以上、気持ち悪い人でした。

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