アルプスからヘンテコ重低音をお届け!Kontrust
唐突だが、皆さんはオーストリアという国についてどういう印象をもっているだろうか?
世界史的にいえば、ハプスブルク家の印象が出てくるかもしれないし、もしかしてこの国の皇位継承者だった人物の名前だけをなぜかピンポイントで覚えている人もいるかもしれない。
また、お菓子好きの一面がある国でザッハトルテはこの国のお菓子である。(本場のものはとても甘いそうな)
音楽面でいえば、音楽の都といわれるウィーンを首都としていることは言うまでもなく、同国に本社を持つ音響機器メーカーAKGの名前も一度は耳にしたこともあるのではないだろうか。
しかし、ことオーストリアのバンドとなると、思いつく人間は少ないのではないだろうか?
隣国ハンガリーのAmber Smithは地下室TIMES取り上げられたこともあるし、オーストラリアだったらいくつか思いつくかもしれないが。
そもそも英米以外となると、どうしてもマーケット上の問題もあり、裾野が広いメタル系でないと情報が入りにくいのは仕方のない話なのである。
よってオーストリアのような中欧諸国などではメタル系以外となると本当に情報がなく、知る術に乏しい。
今回紹介したいオーストリアのバンドであるKontrustも公式情報も含めて頑張って情報を調べてみたが、現地の公用語がドイツ語である関係もあってか、ここ日本にいるとなかなか情報をたどることが困難であった。
しかしそれでもなお、紹介したいと思っているバンドだ。つか自分が情報がほしい。
ザッハトルテのように濃い混声Vo
彼らの曲をまず一曲紹介しよう。
このバンドの特色が色濃くでた楽曲で、オランダのiTunes Storeチャートの一位にも輝いている。
色々と貫禄のあるポーランド出身の女性Vo Agataと、髭面で怪しいプロデューサー風の男性Vo Stefanという混声フロントを軸に、様々な要素を絡めたサウンドが魅力的なバンドドだ。
リズム楽器系のメンバーにパーカッションが個性的なメンバーがいるのもその魅力を構成している。
そして、自分の国をネタにして笑いをとりつつバンドの一要素として取り込めているように思う。
なかなか濃厚だが、ひとつの料理にしているところが素敵なバンドだ。
もう一曲。
なかなかコミカルなMVである。
しかし声の質にしっかりあわせたビデオだと思う。ビジュアル面でのプロモーションもバッチリだ。
その他のMVもこういった遊びの要素などが随所にあってとても面白いバンドである。
趣味の悪いアニメーションを使ったMVや、やっぱり趣味の悪いコスプレをしたMVもあるので興味があればさらに調べてもらえると嬉しい。
これらの楽曲は音楽的に重低音がかなり効いているのでメタル系に親和性が高い方向けというところはある。
実際に現在彼らの所属するオーストリアのレーベルNapalm Recordsもメタル系のバンドが主だ。
しかし、彼らにとってはメタルも一要素に過ぎない。それだけでくくるとどうしても無理がある。
男女のVoが様々なジャンルを駆け巡るスタイルは、若干前時代的な言い方になってしまうがクロスオーバーという響きが彼らにあっている。
そのカテゴライズに少し迷う音楽性が災いし、上に記したメタル系以外情報が入りにくい状況にこのバンドも陥っている気がしないではない。
是非日本にも!
(ここだけ取り出すと、むしろ向こうにいかねばという気分になりそうな写真だが。。。)
そうはいっても、こんなに楽しい音楽をやっているバンドの活躍の場はもっと広がってほしい。
デビュー以来10年ほどで、現在四枚のアルバムを発表しており、フェスの出演なども含め精力的に活動しているバンドではあるが、もっと本邦での情報がほしいバンドだ。
最後にLive風景をバックにしたMVを。
せめて日本盤が出ればと思うのだが。そう思うのは欲張りなのだろうか。
彼らのように少し縁遠い国の音楽も、もっと知る機会と聴ける場が増えていくことを願っている。