やりたい放題ロックがクソかっこいい『最終少女ひかさ』
おいお前ら。こんばんは。
とんでもないバンドに遭遇してしまった。
まずは聴け。
やりたい放題か。
なんだこいつら
ボーカル:但野正和
ギター:山田駿旗
鍵盤:ラモネス
ベース:小野寺宏太
ドラム:岩野最終少年
の5人からなる札幌出身のバンド『最終少女ひかさ』だ。
バンド名の由来は声優の日笠陽子からだとか。いいのかそれで。
Youtubeで有象無象のPVを巡っていた際に、右端にチラッと出てきた「最終少女ひかさ "いぎありわっしょい"」の文字列を目にした時は一瞬「どっかの大学のサークルのアニソンバンドのライブ動画かなんかだろ」と思ってしまった。
しかしよく見ると作者がSPACE SHOWER MUSICとなっていたので、あまり興味は唆られなかったもののクリックしてみることにした。そしたらなんかヤバい世界への扉が開いた。
シンプルながらもズンズン来るギターリフとベースに、これまたオーソドックスな四つ打ちドラム。そこにやや意表を突いてサイケなシンセが乗っかってくれば「ボーカルはどんなんが出てくるんだ」と自ずと期待を抱く。
そして歌い出しの数フレーズを聴けばもう分かると思う。退廃的ながらも小気味良いポエトリーなボーカルと狂気じみた挿絵がぶっ飛んでいる。釘付け必死だ。(もう一度冒頭から見返せば奥で暴れてる青カーディガンの岩野最終少年もいい味出してる)
(これはひょっとすると触れたらあかんタイプのヤツかもしれん)と恐る恐るになりながらも、彼らについて調べてみた。
3月にこの曲をタイトルチューンとしたタワレコ限定シングルで全国流通を果たしている。
そしてどうやらその「いぎありわっしょい」は全国デビュー以前からのキラーチューンであるらしいが、以前はタイトルや歌詞が今とは全くの別物だったようだ。
その別verがこちらになる。
怖いものなしか。
歌詞にきゃりーやらももくろやらエビ中、でんぱ組が出てくる。そりゃ全国流通できねえよ。
エンターテイメント
「あーりんわっしょい」のPVはライブの様子を継ぎ接ぎして作られたと思われる。途中からドラムセットとシンセをフロアに降ろしとる。混沌。
そして服装に注目してくれ。ライブに適した軽装のギター・ベース・ドラムに対して、一人だけイエモンみたいなボーカルと場違いなユルさの女子シンセ。混沌。
しかもその池袋から迷い込んだようなシンセ女子が演奏を放棄してところどころで謎の踊りを舞う。混沌。
なんなんだもう。
ここでちょっと冷静になって見てみると、ボーカル但野正和の堂々としたパフォーマンスが実に様になっている。特に0:15~0:20のキレキレな表情と身振りが堪らない。
先述の謎の踊りに関してもそうだが、ここまで振り切ったステージングは彼ら自身が全力で楽しんだ上に、リスナーも全力で楽しませようと思わなければ体現できないものだと思う。
グランジやサイケの色を匂わせつつも、問題提議と鼓舞激励の意志を音楽に込めて歌う彼らのスタンスは明らかにロックであり、「何をやらかしてくれるのか」と観ている僕達をワクワクさせてくれる点は紛れも無くエンターテイメントだ。
彼らに一目惚れしてしまったあなたのために、もうひとつ動画を紹介する。
こちらの動画では続けて2曲を少しずつ聴くことができる。
(踊りながらはにかむラモネスが可愛い)
さらにサイケ色を帯びたヘドバン必死な「関係者でてこい」と、打って変わってスローなメッセージソング「人生」
アップチューン一辺倒なバンドかと思いきや、ちゃっかりフォークソングも備えとる。抜け目ねえ。
彼らの曲をもっと聴きたいあなたは今すぐタワレコへダッシュだ。
ついでに彼らのHPをチェックしよう。このご時世にまさかの魔法のあいらんど。
(しかも「魔法のあいらんどで悪かったな」と居直る始末。ロックっぷりが半端ない。)
もっとやれ
3月に初の全国デビューを果たしたばかりの彼らは、まさに今ここから爆発していくバンドだ。今後の彼らの動向を見逃してはならない。
精力的に全国各地でのライブに出演しているようなので、あなたの街に彼らが来た際にはぜひライブへと足を運ぶべきだ。
(彼らのHPには8/14.15 予定空いてます!ライジングサン関係者の皆様!空いてますよ!と書いてある。貪欲。)
次のアクション、次の音源が待ち遠しい。日本の音楽シーンを「あーりんわっしょい」のような死線キワッキワのラインで突っ走って欲しい。
願わくは、新たなステージの大きさに彼らの奔放な音楽性が締め付けられてしまわないように。