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ぼくりり君とその魅力と今の若者の音楽偏差値と

2017/04/15

 若干17歳、現役高校生がメジャーデビュー、音楽業界が認める現18歳の天才… 今更説明の必要もないだろう、ぼくのりりっくぼうよみ、ことぼくりり君。

 言いたいこと全部が記事タイトルに書いてあるので結論から先に書くが、彼が売れれば売れるほど、カッコいいぼくりり君の音楽を聞いた若いリスナー達の音楽センスが良くなる。ぼくりりが尊いという内容である。

 

 イチイチ具体例を挙げるとキリがないし、無意味に角が立つので言葉にしませんが、みなさん最近の音楽どう思いますか。正直あんまりパッとしないと思っている人が多いのではないでしょうか。

 こんな言い方すると老人みたいだけれど、僕が子供の頃は宇多田ヒカル、椎名林檎やaikoとかがまだ若いままにひしめき合ってたのだ。それが2016年にもなても彼女らが最前線にいて、彼女らに並ぶような存在がいない時代。チャートに並ぶのはAKBエグザイルジャニーズばっかり。端的に言えばそういう時代ですよ。

 音楽不況の時代とかネタが尽きたとか、色々言い訳はあるけど、申し訳ないがやっぱり今の日本の音楽シーンはしょうもない音楽が多いと思う。思うに今の音楽業界は「売れない→予算・体力無い→インスタントに売れるものを作る→さらに売れなくなる」みたいなデフレスパイラルみたいなのを繰り返してる気がする。

 そんな中PVに池田エライザを起用したり、ファッション、ビジュアル的な面でもゴリゴリに10代の若者を狙っていって、それがうまくいって今や女子高生がキャーキャー言ってる、アイコン的な存在になっているぼくりり君。

 泥の中から砂金をみつけるみたいなよくある喩えだけど、面白くない音楽がはびこってる中、彼の音楽が輝いてみえる。しかもその人気と音楽業界の人間が騒ぐほどの音楽性、その二つを両立してる。スゲエよ。

 やっぱり若いころに聞いた音楽ってのは一生モノと言いますか、言い方は悪いけど若いころにあんまりしょうもない音楽ばかり聞かされるとセンスが悪くなるというか、音楽自体から興味を失ってしまうんではないかと、思うわけです。

 そんな時代に若者の人気を集めているぼくりり君。彼がいてよかったと思う。カッケエ音楽聞いて育った若者たちのセンスもよくなるんじゃないのかという話よ。ぼくりり君超尊い。

 とまあ、ここまでのは半分建前で、この記事の正体のあと半分はただ僕がぼくりり君の曲がカッコいいと思うからそれを語りたいだけ。

 ということでぼくりり君のカッコよさについて語っていきますので、しばしのお付き合いを。


ぼくのりりっくのぼうよみ - CITI

 記事の冒頭でインスタントな音楽が蔓延ってると書いたけど、その真逆。若いクリエイターのアイデアが沢山詰め込まれた手間のかかった音楽。

 ぼくりり君の音楽の制作スタイルは曲ごとに様々なクリエイターとタッグを組んでトラックを作っていくスタイル。ヒップホップ系によくあるトラック提供的なやつだ。

 ここでのクリエイターのチョイスが非常に面白い。

 例えば上の曲はササノマリイという元々ねこぼーろ名義でニコニコ動画でボカロ系の音楽をメインに活動していたクリエイターがトラックを担当している。この曲以外にもインターネット初の若いクリエイターの提供が多い。

 しかもクリエイターとは実際に会わずにネットでやりとりして作るパターンが多いらしく、今の時代ならではの音楽スタイルといえるだろう。

 

 さてそんな感じで作られる彼の音楽なのだが、それが非常に面白い。

 クリエイター毎に作風がガラっと変わる部分もそうなのだが、やはり若いクリエイターだからこそというべきだろうか、端的に言えば新しい音楽、ヒップホップとかエレクトロとかポップスとかジャンルに括られない柔軟な発想の音楽に仕上がっている。

 斬新というワケではないが、今までになかった音楽。一曲一曲のクオリティも高い。音楽好きが食いついているのはこのあたりだと思う。他で代わりの効く音楽はもう十分なのである。

 


ぼくのりりっくのぼうよみ - after that

 そして若いクリエイターばかりかと思っていたら、こういうオジサンっぽい曲が入ってくるのもグッド。この曲の作曲で参加してるのは二コラ・コンテというジャズ系のDJ・ギタリストのイタリア人。

 こんなアシッドジャズ調の洒落た音楽を10代のファンに聴かせられるぼくりり君という存在はマジで貴いです。

 

”共感できる歌詞”なのに強い主張が入ってる

 一番面白いなと思ったのがこの曲の歌詞。


ぼくのりりっくのぼうよみ - sub/objective

いつしかすり替わる一人称から三人称へ
二元論でしか世界を観れないのは哀しい
全てにapathyだから魂奪われて融ける
いつしか物を見ている自分を見るようになった
人からどう見えてんのか それだけ気にしてる

 本人いわく「『不安だよ』と言っている自分を外から見て、全部自分自身なんですけど、誰かがいてその誰かとその状況が何かあって、僕が部屋の外や上からみている」ということらしい。

 個人的な解釈だけど、なんでもかんでも写メとってインスタにアップして…のような自分自身がどうこうよりも回りからどう見えるか、それを繰り返して段々自分がよくわからなくなるみたいなSNS世代特有の社会病みたいなのに共感を得つつ皮肉っているのだと思う。

 この曲歌詞もグッドだけど、どこかNujabesを思い起こさせるような洒落たトラックも非常にグッド。

 

 あと個人的に好きなのが「Newspeak」の歌詞。「哲学的ゾンビ」とか「クオリア」とか哲学ワード連発してくるし、「オーウェルみたいな世界になってくよ」もオーウェルの1984のディストピア世界わからんと意味わからんだろうし、完全に対象年齢30歳以上。こうやって池田エライザのPVみてぼくりり君好きになった女子高生とかを置いてきぼりにしてて超好き。あと哲学好きなので僕みたいなオタクの好感度クソ上がった。あと攻殻機動隊好きっぽいけどそれも超好感度高い。

 

さて、ぼくりり君のカッコよさご納得いただけましたでしょうか。

 以前当サイト別のライターが「ぼくのりりっくのぼうよみ新曲 Newspeak ぼくりりファンには難しすぎるのでは」という記事を書いていたが、確かに若者には少しオシャレすぎるようなとこもあるかもしれないが、逆に言えば若者に対して発信できる人がそういう音楽をやって啓蒙していく感じ、僕はクソ良いと思います。

 

 そいえばちょうどタイムリーにぼくりり君今クラウドファンディングで金集めて新しい音楽メディアを立ち上げようというめっちゃ面白そうな企画を企んでるらしいから一応触れておこう。

https://camp-fire.jp/projects/view/16906

 全く利害関係ないし、何ならうまくいったあかつきにはこのサイトの敵になるかもしれないけど、こういうチャレンジングなところも含めてぼくりり君超好き。ホントよくできた10代だぜ。

 ということで、ぼくりり君若いのに音楽カッケエし、MVの監督もやっちゃうし色々面白いことやろうとしてるし、正直ちょっと嫉妬しちゃうけど応援してます!

 ではこのあたりでまた!

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