odolみたいなバンドがもっと聴きたい
売れているバンドには一定の法則がある。なぜならその法則に則ったバンドを聴くことが若者の間でステータスとなっているからだ。オシャレとは往々にしてそういうものだ。
「こうやったらウケが良い!」
なんてことはやってる側も重々にしてわかっており、対外的にはどうあれ彼らはオーディエンスが喜ぶ音楽をやることを重視している。それはそれで素晴らしいことだ、一定の結果を出しているわけだし。
でもそれらは月曜9時にやっているドラマみたいで別に世間が言うほどつまんなくはないが、確かに熱中したり心底感動するようなものでもない。たとえ話をやめて直接的な物言いで言うのなら、KANA-BOONや、その二番煎じをいくつ集めて聴いたって大した発見も驚きも充足も得られない。ということだ。少なくとも自分はそうだ。
かといってだ、必死に洋楽になろうとしてより洋楽らしい音楽を追及している日本のバンドもあまり好きにはなれない。洋楽っぽい邦楽聴くくらいなら、洋楽を聴くよ僕は。
そんな消費者らしい僕らのワガママを叶えるバンドがあるとすればそれはodolみたいなバンドじゃないだろうか。
僕はodolみたいなバンドがもっと聴きたい。
売れ線≠正統派
odolは、"売れ線"という音楽に属せない。
正統派だ。バンドシーンの盛り上がってる部分で蜂起している行き過ぎた売れ線抗争なんかまるで知らん顔で、ただ良い曲をただ綺麗に並べあげている。
似たようなバンドばかりに耳を奪われて、odolの音楽を良いなと感じ取れないのなら、音楽の聴き方が少し病んできているんだと思う。好きなバンドのボーカルのツイッターばっかりリツイートしてないで一回滝にでも打たれると良い。
当人たちは自らの音楽を「ポップだ」と自称しているが、僕はこんなにロックなバンド最近じゃ他にいないんじゃないかとすら思っている。外から見たらただの邦楽ロックバンドに見えちゃうかもしれないが、一旦蓋を開ければ彼らは本当の意味でオリジナルで、正統派な音楽をやっている。それを今の日本でやっていくなんて、どれだけ難しいことか。
先日のライブでMVともにお披露目となった新アルバムからの一曲。初めて聴くのにスッと耳に抵抗なく入り込んでくる。
これは完全に僕の個人的な好みだが、ドラム垣守のスネアの音が本当に良い。甲高く抜ける目立ちすぎる音をしていて、他のバンドと聴き比べたときに確実に耳に引っ掛かりを残してくれる。
ライブを見たときに
「odolみたいなバンドを褒めるときに信用してもらうために、敵を作ってでも他のバンドを適当に褒めちゃいけないな」
そんなことを何よりも思った。遊戯王を喜んでやってる子供たちをマジックザギャザリングのスターターセットで殴るような大人げない発言かとは思うけれど、odolの入ってないipodなんか捨てて今すぐodolを買いに走って欲しい。「EXILEじゃなくて邦ロックを聴くことがオシャレ」だと思っているのが実はダサいなんて悲劇でしかないでしょう。マイナーだからとか、流行っているからとか、そんな物差しは捨て、彼らの音楽を聴いて青春を過ごしてほしい。
2ndの曲は1stよりも奥に行った印象だ。CD音源で聴くのが楽しみで仕方ない。
きっと10代で買ったCDなんか、一生聴けるようなものはほとんどないけれど、odolは何年たっても引っ張り出して聴ける音楽だ。学生生活の見栄に数千円払って棚を飾るのと比べれば、一生の付き合いができる音楽にお金は払いたいでしょう。
odolを是非とも、手に取ってみて欲しい。