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仲山

2016/07/16

記事 邦楽ロック

ELLEGARDENが復活するとか話題だけど、MONOEYESは聴いたの?

「ELLEGARDENが復活するってよ!」って友達の西田君が言ってた。西田君それ半年に1回は言ってる。それお前の願望だろ。いや復活するならそりゃ嬉しいんだけどね。

その辺の騒動は真偽があんまりにも不確かなのであえて詳しくは触れない。自分で調べていただきたい。

ところで細美武士がELLEGARDENの休止後に始めたプロジェクト『the HIATUS』についてだが「the HIATUSは難しくてよく分からない。細美にはELLEみたいな音楽をやって欲しい」というロックキッズの声をよく耳にする。西田君も言ってた。西田君もうキッズって歳じゃないのにね。

そんな風にthe HIATUSがなんとなく好きになれない細美信者の皆様は、昨年5月に流れたニュースに心が震えたことだろう。

細美武士 戸高賢史 スコット・マーフィー 一瀬正和がバンドを組むと。小学生が考えたパワプロのアレンジチームかよ。「はーい今からロックやりまーす」とでも言わんばかりの人選だ。

そのバンドの名がMONOEYES。現時点でシングルとアルバムを1枚ずつリリースしてる。ELLEGARDENがどうこう言ってる方々はちゃんとこっちも聴いたのかな?ねえ西田君?

そこはかとないELLE感

こちらはシングルのタイトルにもなっているリードトラック「My Instant Song」

クランチで重厚なギターサウンドと深い縦ノリを誘うミドルテンポのビートは、頭空っぽにしてアホ面で聴くのが正しいお作法だ。ウェーイ。

この曲の他にも、アルバムに収録されている8分食いのアップテンポナンバー「Just a Little More Time」や、細美十八番のドコドコメロコア風味の「End of the Story」など、バカ騒ぎ向けのライブ受けしそうな曲が多い。Pepperoni QuattroやRIOT ON THE GRILLの頃を髣髴とさせる。

我ながらライターとして終わってると思うんだけど、ほんとにこう言うしか無いんだよ。「これELLEじゃん」って。少なくともそれらの曲だけで言えば。

the Hiatusの名残り

the Hiatusは実験的な要素の多いプロジェクトだ。ELLEGARDENでは享楽的、刹那的なサウンドをシンプルにまとめていたが、The Flareから始まりHorse Ridingまで続いているHiatusにおいては、ロックバンド編成だけでは形にすることのできない表現が多数見受けられる。

ピアノやストリングス、アコースティックギターを用いることもあれば、Superblockのようにミニマルベースのバックサウンドを取り入れてみたりもする。エフェクトについても、それまであまり出番の無かった空間系の効果を惜しみなく使っている。そうすることによってギターとベース、ドラムだけでは表すことのできない領域に手を伸ばしている。キャンバス自体がELLE時代よりも広くなって、描く作品のスケールも自然と大きくなっている。

the Hiatusは実験であり挑戦だったのだろう。それを受け入れるかどうかはリスナーの自由だが、「細美にはELLEのようなロックが似合う」と決めつけるのはちょっとどうだろう。細美だって人間だ。やりたいようにやらせてあげてよ。

MONOEYESにもその名残りはある。the Hiatusとの差別化を図っているのか、ほんの僅かしか感じられないが「Run Run」や「Like We've Never Lost」のようなディストピアチックなナンバーや、「Wish It Was Snowing Out」の綺麗すぎるまでのコーラスワークなどはELLEGARDEN時代には無かったものだ。

 

完全なる回帰ではない

このMONOEYES、細美は「もともとソロでやるつもりだった音楽」「the Hiatusの次回作をより良いものにするために吐き出したもの」が始まりだったと語っている。それが紆余曲折を経てこのような形での活動となっているのは、当初の細美自身も予想していなかったことだろう。

結果としてthe HiatusよりはELLEGARDENに近いようなロックサウンドになってはいるものの、それは意図したものではなくて、細美武士がやりたい音楽をやれる形で作ってみたらこうなりましたというだけの事なのかもしれない。少なくともHiatusに飽きたとかELLEに戻りたいとかそういう後ろめたいものは一切無いことは確かだろう。MONOEYESはMONOEYESとして、今後の活動を楽しみにしたい。

 

そもそも人間なんて常に変化する生き物であり、ましてやそれがバンドマンのような表現者であればなおさらのことだ。その変化を受け入れるのが真のファンではないだろうか。

ELLEGARDENにしたって、復活したとしてもその音楽が休止以前とそっくりそのまま同じであるということは無いだろう。休止以降、細美の中に蓄積された多種多様の経験を捨ててまたあの時の状態に戻るなんてことはできやしないし、それは細美以外のメンバーにも言えることだ。どうせ復活を待つのであれば、過去の音楽性をまた求めるのではなくて、あれからの彼らの人生が新しい作品にどう乗っかってくるのか、そういうことを楽しみにして待っていたい。

とはいえ、MONOEYESのシングルに収録されている「When I Was King」の出だしのアルペジオとバスドラムを聴いて「最初期のELLEみたいだ!」と喜んでしまった僕はあんまり西田君の事を悪く言えないのかもしれない。ごめん西田君。

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