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2015/09/07

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椎名林檎作、サッカーW杯テーマソング どうなのこれ

どうなのこれ
今物議をかもしている椎名林檎作詞作曲のW杯公式テーマソング

歌詞が右翼臭い等批判が殺到しているらしいが、まずそこはおいといて
今回はこの曲の音楽性について思う所が多々あるのでそこにちょっと触れてゆく

まず聴いてみる



最初に耳を付くのは
ダンダンダダダンダンダダン っていうなんかスポーツで応援するときに使われるリズム(名前は知らない)と
ピー! っていうキックオフするときに聞こえる奴(名前は知らない)

この両方を使ってサッカー感を演出しているが
あのダサいドラム(テンプレートなので仕方ない)を上手に使って曲を成り立たせている辺りはさすが椎名林檎、と言った感じだ

インタビューによれば、「群青日和や閃光少女をそのまま使いたいくらいだ」とオーダーを受けたらしく
ノリの良いアップテンポで奮い立たせるような曲を意識して作ったと思われる
それを踏まえて聴けば、今回のNIPPONという曲からも「らしさ」を感じ取れる仕上がりとなっている
そしてそういった点から楽器構成もバンドサウンドを強く意識したものとなっているのだろう

何が問題か

W杯を見ていた僕の母(音楽にほぼ興味なし)がNIPPONを聴いて一言
「なんかよくわからない曲だね」
とポツリ呟いた

そう、今回問題提起したいのはこの部分
"この曲なんかよくわからない問題"

比較対象として全開W杯テーマソングの
Superflyのタマシイレボリューションを聴いてみよう

そう、邦楽、洋楽の違い 音楽性編で述べたように
イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ
という一連の流れが日本人の耳に深く染みついており
これが崩れたり有耶無耶になっている曲はなかなか受け入れてもらえないのだ

これを踏まえてもう一度NIPPONを聴いてみよう

まず普通に聴けば"さいはて~"のところをAメロだと思うだろう
と思って聴くとBメロ長いな、ためるなぁ、あ、サビくるか?あ、Aに戻る、そんでそんで?え?ギターソロ?
で、え?あ、え、あれサビだったの!?

と曲を通して聴いてやっとなんとなく理解できるかどうかだ

便宜上Aメロだのサビだのと曲のセクションを名称づけているが
作者の椎名林檎は「聴かせたいテーマフレーズ」として最初の歌メロを主眼に置き
今までの音楽にあまりなかったような構成で作曲してみたのではないだろうか

曲としては面白い、が

個人的には、おっ?おっ?と思わされているうちに
ラストの大きな盛り上がりに連れていかれる
あまりないアプローチでとても面白いと思う、好きだ

しかし何というか、大衆向けの音楽、特に"ワールドカップに盛り上がる人間"というとても括れないような幅広い層に聴かせる音楽としてはタイトルに書いたように
「どうなのこれ」と思ってしまう
事実、僕のオカンには「変な曲」と評されていたし
僕自身もワールドカップの映像を見ながらバックで流れるNIPPONを聴いて
「なんか浮いちゃっているな」と思った

攻めすぎた、と言える

最後にチラとだけ歌詞に触れるが
「右翼くさい」「神風特攻隊を想起させる」「戦争を助長している」
等の意見を耳にするが
椎名林檎に日本の応援歌を書かせたら、まぁこうなるだろう・・・と思う
彼女は歌詞に好んで戦前後の年代の言葉遣いを使用するし、聴く前からわかっていたことだろう

そしてこの現状椎名林檎のファンはどう思っているのだろうか
是非意見を聴きたいところだ

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