猿でもできる! メタル風作曲講座
ごめん、やっぱり猿には無理だ。この記事を読んでるということは相当有能な猿だが、ちょっと無理だ。 ごめん。
はとです。
何故か世の中には作曲を特別なもののように考えている人が多いように感じる。
確かに楽器がなければできなさそうだし、すごいセンスが必要にも見える。
だが、できる。初心者でもそれなりのものは作れる。
名曲、人を感動させる曲を作るのは至難のワザだが、それなりのものは作れる。
大切なことなので二回言った。
さぁ、作曲しよう。
書き下ろし楽曲
書き下ろしメタル・ラウド風楽曲、『もやし』だ。全工程私の自作自演だ。
3時間縛りで作曲したが、4時間かかった。
内訳は
ギター音作り…2時間
REC…1時間30分
MIX等…30分
計…4時間
ギターの音を作りながらリフ(いわゆる繰り返しフレーズ)を考えていたので、このような内訳だ。
なぜメタルを作ったのかというとイライラしていたのと、様式美的な面があり、ある程度型がわかれば作れると思ったからだ。
イントロ~Aメロ
まず、こういう楽曲なら迷わずギターをドロップチューニングにしよう。
今回はドロップCを採用した。6弦からCGCFADなるようにチューニングすれば大丈夫だ。
利点は2つある。
1つ目、なんだか邪悪な音がすること。冒頭でバーン!と鳴らしているのは654弦の開放だ。
それだけでなんだかちょっと邪悪な雰囲気になるだろう。
最近のメタル、ラウド系のバンドはそれにも飽きたらず、ドロップBとかAとかしてしまっている。麻薬乱用状態だ。
2つ目、キーが縛られること。これがでかい。結局最低音(今回はC)を出したい。
そうなると、Cが絡むように曲を作ればいいのでコード進行で困ることが少ない。
イントロ・Aメロのフレーズはルート音だけで考えると、CとFを行ったり来たりしているだけである。
だいたいガイドライン的に使える音は決まっていて、そこから何で勝負するかに集中して考えればいい。
今回はリズムで勝負しようと思い、これをメインリフにした。
イライラして作った曲なのにリフが上手く弾けなくてイライラした。
まぁ、細かいことなのでよくわからないかもしれないが、2小節づつ表と裏が逆になっているイメージだ。
こういう楽曲においてリフはとても大切で、もはやリフが楽曲と言ってもいいぐらいだ。
セクションごとにリフを作っていくイメージで形になるので、非常に作りやすい。
Bメロ
Djent風のフレーズを入れてみた。
簡単に言えばメロディーではなくリズムに印象付けられるベビーなギターリフだ。本気でDjentをやろうとすると7弦ギターを買いに行かなければならないので今回は許してほしい。
このフレーズも結局C音と絡めただけなので、大したことはしていない。
頭の中では
どぅい~だっだ たららたららー
どぅい~だっだ てぃろりーろー
という擬音が流れている。
アホである。
『どぅい~』の部分でほんのちょっと弦をチョーキングしている。Djentの代表格であるMeshuggah(メシュガー)なんかがよくやるので、入れてみた。
メシュガーのが数億倍かっこいいのでそっちを聴いてほしい。わかりやすいので弾いてみた的なものを上げておこう。
『てぃろりーろー』の部分は不協和音にしてみた。不協和音は殺伐とした感じが出るのでメタルにピッタリ。
入れすぎは禁物だが、要所要所で入れてみるといいだろう。
なんか春のコーディネートの解説のようだな。
あとは、当たり前のようにやっている人もいるだろうが、私は最近発見したのでギターの音について。
Bメロのギターのキレが良くないだろうか?楽曲に必要なので歪みを上げたい。歪みを上げるとギターのキレは悪くなる。歳を食うと尿のキレは悪くなる。
それを防ぐために
ギター→ノイズゲート→チューブスクリーマー→アンプという順で繋いでいる。
ノイズゲートを深めにかけておくとキレッキレになる。残念ながら尿管の前にはノイズゲートはかませないのでそちらは諦めてくれ。
ちなみにだが、Slipknotのジムルートもこのような構成だった。ハイゲインから生じるノイズを気にしてのものだと最近まで思っていたが、おそらくキレを出すためだったんだろう。
そしてここで残念なお知らせだ。
打ち込みでギターを再現するのは非常に困難だ。
ましてやメタルとなってくると絶望的だ。ギターロックを嗜む人間を汚染していくか近くで『ヴェーイ』と言ってるやつにモンスターボールを投げてくれ。
Aメロで弾きたくったのでBメロは隙間を空けるようにした。曲全体を見たときの、バランスを考えてメリハリをつけていくと良くなるかもしれない。
サビは特に何もしていない。
今聴くとサビが弱い、ハイの成分が足りないので何かもう一本、コーラスやらシンセやらストリングスやら入ってきても良かったかもしれない。
ブレイクダウン
ブレイクダウンとは曲のテンポを急に落とし、その後低音を強調して演奏するパートのことだ。
基本的に最低音を刻んで、リズム勝負。数多のバンドがブレイクダウンを入れているので参考音源が多い。
今回はわかりやすい感じにしてみた。ブレイクダウンのリズムの複雑さで勝負しているバンドもたくさんある。AメロBメロサビ、どこでも使える万能な展開だ。
最近はブレイクダウンにシンセを入れるのもトレンドだ。メロ感が出るため、リズムが複雑なものもキャッチーに聴こえやすい。
ボーカル
メロを拾う作業を今回はかなり蔑ろにした。
歌詞も英語風に歌っただけでなんの意味もない。
ブレイクダウンなんかRise up!!とか言っているようだが、意味不明である。
唯一、私がやっているエセデスボイスはカラオケ等の一発芸としてウケるだろう。
口を『お』の形、舌をRの発音の形にして、息を吸い込めばすぐに出るはずだ。
吸いガテラルとも言われている。
私のような下手くそがやると喉が痛くなるので、初心者はやる前に適度な油を入れるといいだろう。
間違ってもガソリン飲んだりしないようにな。唐揚げとかの話しだ。
まとめ
①ドロップチューニングを活用しよう。キーが固定され、コード進行に困らない。
②A、B、サビとセクションごとにリフがあればそれなりになる。
③不協和音は要所要所で使おう。
④ブレイクダウンは万能調味料。
⑤エセデスボイスを使おう。
こんなところだろうか。
この記事を最後まで飛ばさず読んだ人間は何人いるのだろうか。その中で何かひとつでも参考になったやつは存在するのだろうか。
そんなお前の存在こそがメタルだと私は思う。