芸人?ミュージシャン?森山直太郎
森山直太郎といえば。
そう、さくら(独唱)だろう。だが、そこで立ち止まってはいないだろうか。
もはや芸人の域に達する面白さ、そして楽曲の良さ。彼は健在、今も"なお"素晴らしい音楽を奏でている。
森山直太郎
森山直太朗 - さくら(独唱)
おっと間違えた。失敬失敬。
こちらだ。
少年時代より一貫してサッカーに情熱を傾ける日々を送るが、大学時代より本格的にギターを持ち、楽曲作りを開始。
森山良子の息子であることを隠し「直太朗」の名でストリートを中心に活動を開始。02年、良子の息子と公表しメジャーデビュー。
良子の息子。字面がいい。
まぁいい。
デビュー当時は毒舌キャラで、トーク力があるのかないのかわからない謎の雰囲気を醸し出し、そちらも有名に。
守備の名手である。ボケもツッコミも両方ハイレベルだ。動画が軒並み削除されていて、彼の面白さを伝えきれない。悔しい。
さくら五分咲きぐらいで我慢してほしい。
最近はテレビ局ぐるみで彼の扱いが雑になってきている。
『さくら』と言えばこの人!森山直太郎さんです!でケツメイシの『さくら』を流されたり、もはや芸人扱いである。
それもこれも、森山家に小木が加わったことからきたものだろう。森山の妹と、おぎやはぎの小木が結婚したため、実の兄弟になったのである。
笑いのエッセンスが取り入れられたのか、もともとあった資質が解放したのか、
森山直太郎は覚醒した。
おぎやはぎが出ているラジオ番組に『お前暇だろ?』と言われ参加。即興でゲストの曲を作らされるという『むちゃぶり』をされるが、
芸人ばりの扱いをされながらも、本気で曲をつくるところ、アーティストを感じる。
そんな中、平成18年度NHK全国学校音楽コンクール、通称Nコンの中学校課題曲として『虹』を提供。
森山直太朗 - 虹
まんま、森山の曲である。コンクールの課題曲として作られたものであるのにもかかわらず、森山節全開である。
このNコン、いきものがかりだったりも曲を提供している。次はSEKAI NO OWARIだったりするそうだ。
この流れは合唱的に考えてどうなんだろうか、こういうわかりやすいメロディアスな曲が溢れてくると、『大地讃頌』は歌われるんだろうか。
まぁ、合唱の未来を憂いていても仕方がない。
森山の『虹』素晴らしい楽曲だ。
喜びと悲しみの間に 束の間という時があり
色のない世界
不確かな物を壊れないように隠し持ってる僕らの出会いを 誰かが別れと呼んだ
雨上がりの坂道
僕らの別れを 誰かが出会いと呼んだ
時は過ぎいつか
知らない街で 君のことを想っている
天才だ。
真意は本人にしかわからないが、歌詞の途中に出てくる『束の間』こそが彼のいう虹なのではないだろうか。
よくある出逢いと別れの歌だが、出会いを通して何かが残った、その何かに迫る歌詞が、楽曲をより一層奥深いものにしている。
全くもっていろんな要素が省かれている。というか書かれていない。非常に抽象的である。
今後たくさんの人がこの曲を歌うだろう。その抽象性が、歌う人達に『自分自身の出会いと別れの体験を重ねる隙』を与えているように感じる。
バックの中学生もいい表情をしている。様々な学校で歌われるたびに色んな想いを乗せた名曲が生まれると思うとドキドキしないだろうか。私はする。
ここまで素晴らしい楽曲を作られると、やはり彼は根っこの部分で本物のアーティストなんだと実感する。
ん、やっぱり芸人かもしれない。
このストリングスの綺麗さよ。