Suck a Stew Dryのどこが良いのか俺にもわかるように説明してくれ
地下室TIMESで記事を書くようになって、以前より若いバンド・流行りのバンドを聴くようになった。
しかしやはりだ「絶対認めてやるもんか」なんていうスレた気持ちで聴いているわけじゃないのだけれど、もう学生でない僕が流行りものからその魅力を見出だすのはなかなか大変なのである。
民謡と校歌と翼をください。しか知らぬ純粋無垢な6歳の僕にセカオワを聴かせれば
「なんだこれ!!トランシーバーと旗クソカッケェ!!ドラゴンナイトって何!?ヤベエ!!俺もきゃりーぱみゅぱみゅと付き合いてえ!!」
となるが、義務教育に、重税に、世の中に虐めぬかれ捻くれた23歳に聴かせても
「んだこのダサいエレクトリカルパレード。辛かった過去ごっこやめろや。俺もきゃりーぱみゅぱみゅと付き合いてえ」
こうなるのはもう仕方ないだろ。誰も悪くない。深瀬だって僕みたいなのに向けてエレクトリカルパレードを作ってるわけじゃないし、DJ LOVEだって好きであの恰好してるわけじゃない。きゃりーちゃんだって本当は僕と付き合いたいにきまっている。
そりゃ校歌と比べりゃどんな歌謡曲もカッコヨク聴こえてしまうが、三代目J SOUL BROTHERSやナオトインティライミといったような"""本当に良い音楽"""を知ってしまった僕にはなかなか響かねえんだよ。わかるか?
しかしやはり世の中にある程度認知されていて、かつ人気がある音楽には何かしら特化している部分があり、それがそのまま人気の理由であることが多い。思考を停止して「クラシックが正義。KANA-BOONはクソ」と言うのは楽だが、その音楽だけが持っている優位性を見つけ、好きになる努力をしてからでないと意味のある感想は何も出てこない。
そんなわけで意識して優れた部分を見つけるように聴いているし、記事もその方向で書いている。が、もうなんだ、売れてんのにまったく何を評価していいかわからないバンドもある。困惑するからやめてくれ。
今日はそんなバンドの一つ。Suck a Stew Dryについて考えて行きたいと思う。別にイジワルじゃないゾ。
普通に未熟では
メロディに優劣をつけるのは難しいが、どの曲もルートと5度を行ったり来たりの音程、かつ王道進行やその変則形を中心した楽曲なので、ノッペリ平らなメロディラインが続く。低めのキー設定と作ったような喉締め声も相まってなんだかとても幼稚に聴こえてしまう。人によってはそこに魅力を感じるのかもしれないが僕は苦手だ。
全く関係のない話だが、むかし母がスイトンにハマって週3で食わされたことがある。味がなくてつらかった。しまいには醤油かけて食ってた。彼らのアルバムを聴いていたらなんだか急にそのことを思い出した。
(*イメージ図 うちのはもっと無骨でした)
編曲はどうだろうか。まず思ったのはギター3本いるか…?先日のHello sleepwalkersなんかはもう3本のギターがぶつからないように上手に並べ、邦楽ロック面してゴリゴリのジャパメタをやっていたが、どう聴いても全く生かされていない。なんならライブにおいて、コード弾いてるだけのギターボーカルのパートはベースに埋もれ、リードにかき消され、ほぼ聴こえない状態じゃないだろうか。大袈裟に言えば器用なギターボーカルなら一人でなんとかできる程度の楽曲ばかりだ。二人削れよ!!とまでは言わないが、せっかくなら数は生かしてほしい。
ドラムとベースは…、コピバンやりやすそうでいいね…
ツッテッテーツッテッテー
youtube上で一番再生数が多い楽曲だ。
全く関係のない話だが、むかし夕食に母の手作りラーメンが出たことがある。ラーメンどんぶりに入っていたのでラーメンだとギリギリ判別がついたが、ただの丼ぶりに入っていたら「鳥ガラ味のうどんかな?」と思うような出来だった。今思えばメシを作ってくれるだけありがたいが、それでも思い付きを夕飯で試すのはよしてほしい。そう思った。
みんなは何を思い出したかな!?グラフにしてみたよ。
まぁ3拍子の曲は似てしまいがちだが、リードのモチーフからして似すぎである。
9mmもこの曲から迷走し始めた感もあり、ぽくない曲となってしまっているが、Suck a Stew Dryの方は八分で昇り降りするだけのノッペリメロディを最後まで押し通す驚きの出来栄え。初めて聴いた時は思わず「ワオ」と小さく声が出た。ぼかぁもうちょっと楽曲に動きが欲しいよ。
あと顔もちょっと似てるよね。なんだろうね。
セカオワのお零れにあずかろうと?
おそらく、このバンドの狙いはセカオワと同じターゲット層であり、その中でも特にネガティブに特化したものだと思われる。
あまり言うとファン皆さんの人格否定になりかねないので気が引けるが、歌詞も特に中身のないネガティブであり、とりあえず何らかしら後ろ向きなことを言っておけばそれなりに安い共感を得られるので、そこで持っているバンドだと思われる。
ディティールまで説明しなくてもわかると思うが「セカオワ感」あるでしょうこれ。見世物の感傷と、どこから出てきたかわからん希望と、身の丈に合わないような壮大なスケール。なんか体がかゆくなってきた。アレルギーかな。
まぁしかし、知名度から言って彼らの作戦は大成功だ。僕らが何と揶揄しようと、彼らのファンはこの音楽が好きなのだ。価値観が違うだけなのである。人の感想は否定できない。
ただ何とも理解しがたいものを大衆がもてはやしているということは、もしかしたらもう懐メロ老害オッサンなのかもしれない。
ファンの方。煽りでもなんでもなくSuck a Stew Dryのどこが良いのか俺にもわかるように説明してください。頼む。