Suchmosの大人気は、なぜ続かなかったのか
東京に住んでないのにSTAY TUNEしちゃってるカッペのみなさん、こんにちは。3G回線でインターネット、楽しいかい!?
この失礼なタイトルの通り今回はSuchmosについての話題なんだけれども、一昨年なんかは疑う余地なくSuchmosの年でしたよね。時代はシティポップだ!サチモスだ!ヨギーだ!アディダスのトラックトップだ!と耳の早い奴から騒ぎ始めあっという間に世間一般に認知。広くて浅い奴もうグンナイつってんのに皮肉。見事に広くて浅いところにまでウケた彼ら。
バンド業界において、完全にオカシな年でした2016年。何年経っても「あの年はどうかしてた」と言うつもり俺は。
だって、洋楽の聴かれないこの国でこの音楽性、ルックス。誰が流行ると思いましょうか。
俺は音楽、ことバンドはどうやっても売れれば売れる程タレント業アイドル業に近づいていくと考えていて、いかにオーバーサイズの服にマッシュヘアをかぶせてサブカルクソメスの下腹部に訴えかけるか。メジャーバンド業はそういう観点が軸になっているビジネスだと思うわけです。
そう思えば、去年今年は完全にマイヘア・米津玄師の二強。2015年以前はキートーク・オーラル・クリープ・カナブーン、他にもいるけど概ねそういうルックスデザインのラインナップが揃っているし、音楽性も表面上違えど概ね同じようなコード進行でサビのある歌謡曲を歌っている点ではしっかり邦楽してたと思うんです。
しかし2016年。サッチモ。ヨギー。ネバヤン。こいつらはどうだ。
ヨンスはたしかにハンサム。かっこいい。けどバンド音楽を聴く若年層が恋いこがれるようなかっこよさじゃないというか、イケメンというよりハンサムというか、すだまさきというより松田龍平というか。というか。
それでも超売れちゃったのがサチモ。このままディッキーズ音楽がバンドの主流になってくと思われた2016年をかっさらって行った。
ここからが本題なんですけども、サチモスがいなかったらシティポップブームひいてはヨギーネバヤンetcはあそこまで盛り上がらなかったし、もっと言えば。
STAY TUNEがなかったらサチモス自体もここまでの伸びを見せなかったんじゃないかと。
Suchmosの大ブームが2016年以降落ち着きを見せたのはなぜか。それが良くも悪くもSTAY TUNEにあると思うんです。
よく
「サチモスはSTAY TUNEの一発屋」
と言う人がいるんだけど、それじゃちょっと短絡的すぎるというか、そんな簡単じゃなくって。一発屋というには良い曲ばっかり、非の打ちようがないくらい実力もある。「和製〜〜」みたいな肩書きってだいたい無理があるものばっかりだけど、サチモスが「和製ジャミロクワイ」と言われるのは納得いく。
でも実際、STAY TUNEしか知らないのに「サチモス好きだよ」とのたまってる人多くないですか。というか、ステイチューン以外の曲歌えますかあなた。ちなみに俺は無理。
そこに問題があるんじゃないかと。
THE BAYに入ってるこの曲。めちゃ好きなんだけど、例外的にこのMireeとSTAY TUNE初期の2曲だけちゃんと歌モノチックで歌いやすい覚えやすい。この2曲、あとYMMだけ歌える〜みたいな人多いんじゃないか。
でもこれらって、今までのリリース全体を通してみるとサチモスらしくない曲なんですよね。ちょっと日本人っぽいっていうか。特に2nd以降のリリースはそれが顕著で。
めちゃかっこいいんだけど俺たち日本人にはおぼえづらい。歌が。
アルバムを通して聴いても「アーかっこいい」と思ったのは覚えているんだけど一曲もサビのメロディが思い出せない。
本来サチモスってこういう、歌も楽器の一部というか、すごく洋楽的なバンドだと思うんです。
それがたーまたまSTAY TUNEみたいな曲が前に出てきちゃって、「洋楽っぽすぎて難しい」と「洋楽っぽくてかっこいい」の本当にギリギリのラインで世間にウケちゃって大ブームを巻き起こしちゃったんじゃないかと。
タイトルのように
「サチモスは人気がなくなった」
と言う人、一定数いるんだけれど、徹底してサチモスがサチモスしてたことによってミーハーなファンが削ぎ落とされて本来のファン層の間で楽しまれる音楽に落ち着いたんだと。広くて浅い奴らがもうグンナイしたんだと、思うわけです。
なのでSTAY TUNEを期待してた人たちは「これじゃない」と離れていったけれど、彼らは相変わらず彼らの思うかっこいい音楽を続けているだけ。なにも変わってない。
そんなわけで、誤解からサチモス離れしちゃってた人たちも、よかったらこれを期にもう一度STAY TUNEを忘れて聴いてみませんか。そしたら違った感覚でサチモスを好きになれる、かも。
それでは。