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ナオトインティライミが何故売れたかよくわかったのでみんなに教えてあげたい。

ナオト・インティライミ(ケチュア語: NAOTO INTI RAYMI、1979年8月15日 - )は、日本のシンガーソングライター、ミュージシャン。身長172cm。かつては「なおと」名義で活動、本名の「中村 直人」(なかむら なおと)名義の著書もある。inti は太陽、raymi は祭りという意味のケチュア語である。
Wikipediaより

本名書くのやめてやれよ。

「インティは"太陽の"、ライミは"お祭り"って意味なんですよ」
でお馴染みのナオトインティライミ。仮にそういう意味だとして、なぜ自分の名前のケツに"太陽のお祭り"をつけようとしたのか。みなさんならつけますか?名前にインティライミ。僕?僕はつけませんよ。意味がわからないし怖いですよね。

正直、僕にも、このサイトを見ている人にも、あまり関わりのない人物だと思う。鬱病の人にも容赦なく「がんばれ!」と言い続けそうな、着払いで元気を郵送してきそうな、そんなイメージの彼。唯一知っている曲といえば

これ。

どういうシチュエーション?こんなカラフルなオッサン、学校にいたら地域の新聞で一面記事だろ。

 

最近は夜な夜な映画を探しては観てるんだけれど、一人で酒飲んで観るにシリアスなグラミー賞映画もなんだか違うのでB級映画やコメディばかり見ている。そんなわけで今日も何を見ようかとクルクルしていた所目にとまったのが

ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー (特典DVD付2枚組)

これ。目にうるせえ。

ちなみに劇中ほぼずっとこの服着てた。一週間とか着てた。途中で原住民のみなさんの村に訪れたとき、彼らに合わせ真冬に半裸で過ごしていたんだけど、次の日39度の高熱を出してた。次の日はしっかりまた厚着していた。2時間ぶっ通しでそんな感じだったよナオト。

 

なんで有名になったのだろう

ナオトインティライミはなぜ有名になったのだろう。なれたのだろう。確か本格的に露出しだしたのはもう30過ぎてのこと。音楽性は聴いていただいた通り良くも悪くも変哲ない歌謡曲だ。
かといって、めちゃくちゃ粗があるわけでもなく、出先で何気なく流れていても「何これ?」となるような楽曲でもない。そういうネガティブな話題性で成り上がったとも考えづらい。

ではなぜ、何が評価を受けて有名になったのだろう。ずっと気になっていた。

「あの手のミュージシャンってめちゃくちゃいるし、たまたま運が良かったりしただけでしょ」

まぁそう考えるのが自然ですよね。しかし何事にも理由はある。その"めちゃくちゃいるミュージシャン"のなかで、ただ一人成功を掴めたのにも、絶対に理由があるはずだ。

 

話は戻って件の旅歌ダイアリー。今日これを見て彼の成功の理由がよーくわかった。とりあえず予告編を一緒に見てくれ。辛くても見ろ。2時間ぶっ続けで全部見たんだぞこっちは。

めちゃくちゃ怒っている。このシーン、説明すると

コロンビアにやってきたナオトインティライミが、現地の超大物歌手(彼が有名になる8年前にギリギリ面識あり、たぶん日本で言う平井堅ぐらいの感じ)にアポナシで突撃、あの手この手で近づき、自作の歌の歌詞を見せ一緒に歌わせた挙句「な、今度のライブに出させてくれよ!」と迫り「あ、ああ、いいぜ…」と半ば無理やり言わせると「おい!あいつ出してくれるって言ったし!通せよ!出せよ!」と言質を盾に舞台監督に肉迫。「ちょっとこっちの都合もあるし、上に怒られちゃうから無理だよ…」と断られご立腹の一幕だ。

「あいつが個人的に俺に歌わせたくないだけだろ…」
とマジギレ。しまいには
「この悔しさにはきっと意味がある…」
とかいう始末。頭がマジでインティ(太陽の)ライミ(お祭り)。

ちなみにこのライブ、ざっと見た感じサマソニ以上の規模。コロンビア切っての大物二人の共演に何万人のファンが沸く中、舞台袖で「あー出れないか…あー」と悔しそうなライミ。地元のお祭りじゃないんだぞ。心臓強すぎるだろこの人。

そんな並の精神力ではPTSDになりかねない大恥をかいてそう日も立たないうちに
「反省を生かして、今回は日本のミュージシャンが取材をしたい、とアポを取り無事潜入!」
と軽快なナレーションと共に別の大物アーティストに突撃。無理やりサードアルバムを渡し「初めて会った気がしない」と満面の笑顔を浮かべていた。きっと向こうは普通に初対面だと思ってるよ。

その後も「いいじゃんちょっと歌わせてくれよ!」と迫りまくるナオト。マジで来たのお前…?みたいな顔されたり、返事の代わりに濃いめのラムを飲まされたりしてもめげないナオト。陽気な南米人もさすがに「頼むからあんまり長く歌うなよ…?」とマジのトーンで言われるナオト。ナオト、日本のイメージがマジで。

 

そのほかにも現地の草サッカーに飛び入り参加して「さっきのゴールだったろ!おい!ゴールだったろ!」と本気でゴネたり。現地の怪しい楽器屋で見つけたなんかよくわからん金属のフエみたいなやつが気に入り「これ8000円!?日本人だからって舐めてんだろ?1500円、これ以上は出さねえ」とブチギレたりと、もうほんとずっとそんな感じだった。とにかく…心臓が強い…

 

心臓が強い

別に、褒めて丸く収めたいわけじゃないが、本当に彼は心臓が強い。

悪く言えば厚かましく、日本人の感覚からすれば厚顔無恥そのものだが、海外ではあのくらい強引でも意外と通用するらしい。(最終的にはみんな引いてたけど)

 

ネガティブな強引さばかり取り沙汰したが、飛び入りで参加したギグで、拙い英語を最大限駆使して観客を煽り、完全に場を掴んでライブを成功させたり。どこへでも首を突っ込んで、スキあらばCDを渡したり、目につくように自分の痕跡を残したりと、日本人特有の人目を気にしすぎる悪癖が彼には一切なかった。故になんだかんだ言いつつ、記事中二人目の著名人のライブに出演を許可してもらったりと結果は残しているワケだ。

実際に、彼が陽の目をみたのもMr.Children桜井とたまたま知り合った際にCDを渡したのがきっかけで、桜井のライブに出演を許されそこからグイグイと音楽業界に食い込み今の地位を獲得した。

バンドをやってるみなさん、ミスチル桜井にばったり出くわしたときにあなたのCD、渡せますか?話しかけられますか?ライブの出演交渉しようなんて、考えますか?

どんなアウェーにも臆することなく飛び込み、失敗に一切めげず、チャンスには一目散に食らいつく、このハングリー精神が彼の最大の武器だ。

 

ナオトインティライミは運で売れたわけじゃない。
あなたがもし何かを目指して頑張っているなら、彼のハングリー精神を少し見習ってみても、いいかもしれない。

 

*追記

2、出ました。こちらもみなさん是非。

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