いや、普通のバンドって…何だ!?
「あーあのバンド?なんか普通だった」
よく耳にするセリフだ。「普通」、平均・無難を意味する熟語だが、なぜか現代ではそれ以上にマイナスイメージを表す語として使われがちな言葉。たとえば
「え、斉藤の彼女?いや、うん。普通に可愛いんじゃない…?普通に…」
絶対ブスだ。
わかりきった話だが、最初の例、音楽・バンドにおける「普通」の場合「特に聴きどころはなかった」を意味している。何か作っている人間が言われて自殺を考える言葉トップ3ぐらいのキラータームだ。クリエイターは「普通」と言われると死ぬ。彼らの心はマンボウのようにデリケートだ。積極的に殺せ。
しかし改めて考えてみると、本当の意味で普通、スタンダードなバンドはどのバンドだろうか。ベタにビートルズだろうか、いやあ時は平成。オリジナルメンバーの半数が死んでいるバンドをザ・普通に据えるのはちょっと。
そんなわけで今回は「普通のバンド」特に2015年現在の邦楽においてスタンダードを名乗るに最も相応しいバンドはどいつらだ!を考えたい。
洋楽だったら、Weezerとか…?いや…
まずは有名どころから精査していこう。
KANA-BOON
最近の邦楽ロックのリファレンスとして、毎度引っ張り出されるバンド、KANA-BOON。良きにせよそうでないにせよ、昨今のバンドの雛形を完成させたのは間違いなく彼らだ。キーボードなしの4ピースという基本形態を守っているバンドの中ではトップクラスのセールスを誇っている。
ということは今の邦楽のスタンダードは彼ら…?
ダメだ。学生服が似合わなすぎる。
こんなアダルトビデオのザツなコスプレみたいなルックスのバンドをスタンダードにしちゃ世の中の風紀が乱れる。ダメ。
真面目な話なんか一行もしたくはないが、純な読者の為に落としどころを用意するとすれば、彼ら意外とアルバム曲や過去の曲とかアブノーマルな曲が多かったり、全編を通してダンスミュージック寄りであったりと「俺らはこういうバンドです!」というしっかりとした個性を持ったバンドだ。
[Alexandros]
特徴を説明するのに困るバンド、[Alexandros] 一口で説明するなら、毎回リード曲にしっかり完成度の高いキャッチーな楽曲をもってくる実力派バンド。こんなところだろう。
聴き手を選ばない歌モノロックバンドの中では、全ステータスが軒並み超高水準。文句なしの正統派バンドだ。が、
だめだ。顔面が整いすぎている。前世で地球でも救ったんかねこの人は。
間違いなく正統派ではあるが、王道と呼ぶには清潔感がありすぎる。特に邦楽ロックに於いてはシングルコイルの頼りないギターや生楽器の人間味のような弱点があったほうがそれらしい。音圧キツめのエモ寄りバンド、とも言えるだろう。位置は違えど同じ向きを向いてるバンドだとマンウィズとかがいるが、あれはもう毛むくじゃらだしガウガウ言ってるし間違いなく普通じゃない…
バンドはイケメンすぎても綺麗過ぎてもダメ!!
クリープハイプ
バンドはイケメンすぎても綺麗過ぎてもダメ!!
こんなこと言った直後に名前出すの、失礼だよ。よせよ。
だいぶ正解に近い気がする。
普通でない点があるとしたら、声と歌詞、あとファン層か。偏っている、そこが強みだったりもするが。
狙って書かれた歌詞、だが最近のバンドじゃ断トツ。キャリアが長いだけあってバンド自体の安心感もポイント高い。
最近の楽曲からファン層がまた入れ替わっていっているような気がしなくもないし、別のバンドも見てみよう。
グッドモーニングアメリカ
服着ろ。
UNISON SQUARE GARDEN
落ち着け。
SEKAI NO OWARI
普通とは
全然いないね、普通のバンド。最近は特に少ない気がする。
少し前ならば、チャットモンチーやアジカン、エルレ…いや個性あるな。しかし今第一線で活躍しているバンドは以前にも増してキャラクター性が強いことは間違いない。それだけ競争が激しくなっている、のかもしれない。
みなさんにとっての「普通」はどのバンドだろう。
これを機に少し考えてみてはいかがか。