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2016/09/02

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気づいてた?相対性理論が死んでたこと

バンドは生き物だ、なんてよく言われる
人間の集まりである以上、確かにそういう性質がある
それに則ってバンドを生き物にたとえてみれば
相対性理論は多くのリスナーの手の中で気づかぬうちに死体になっていた

生きていた頃の相対性理論を聴きながら話を聞いてほしい


まずバンドの概要
ボーカルやくしまるえつこの過剰すぎるほど乙女を感じさせる歌唱法に
それに負けないほど乙女で不可解な歌詞が乗り
クリーンギターとリズム隊の複雑、しかしキャッチーに絡み合ったサウンドが取り囲む
非常に独自性の強い、他のバンドとは違った空気を放っていたバンド
それが相対性理論だった

死んでいたのだ相対性理論は
アルバムシンクロニシティーンから3年間のあいだに

明確にバンドの生命が絶えたのはベースシスト真部脩一、ドラマー西浦謙助の脱退が発表された2012年の6月だ
特にベーシストの真部はバンド内の作詞作曲を手掛けていた
作曲と一口に言えど、1から10まで全てメンバーの一人が作ってくるパターンや
楽曲の種となるリフやメロディ、鼻歌程度の物をバンド全員で形にする等色々なケースが存在する
バンド側からも、"実際はほとんどの作詞・作曲を4人全員で行なっている"という発言がある
しかし少なくとも、これまでの作詞作曲のクレジットに名が置かれていた真部の脱退は致命的だったと言えるだろう

というわけで死体の曲を聴いてみよう


穿った聴き方だろうか、僕には必死に"相対性理論のフリ"をしているように楽曲が聞こえる
バタ足で溺れそうになりながら必死に"相対性理論"をやっているように聞こえる
歌詞も不可解さが減り、代わりに解釈可能な意味をもったものになった
楽曲は独特の外れたようなメロディや捻くれた部分が減ったと思われる

 


今の相対性理論よりもいっそ、抜けた二人がやっている
タルトタタンというバンドの方がよっぽど相対性理論だ、というのは言い過ぎだろうか

 


そしてやくしまるえつこがソロで制作したヴィーナスとジーザス
バンドという制約を離れ、いっそ自由で清々しいくらい彼女の持ち味が生かされている
その持ち味はかつての相対性理論の一部であり、しかし相対性理論の持ち味とはまた別物だ

ただの一ファン、一リスナーとしては
死んでしまった"かつての相対性理論のゾンビ"をしているよりも
新体制の新しい持ち味を生かした"新しく生き返った相対性理論"を聴きたい

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