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2016/07/16

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Red hot chili peppersの時代はもう終わった

「レッチリの全盛期はいつか?」
アルバム、ブラッドシュガーセックスマジックにて世界にその名を轟かせた時?ステイディアム・アーケイディアム発表時の今までのキャリアの流れからさらにまだ世界に圧倒的な存在感を示した時?ヒレルスロヴァクが在籍していた時の傍若無人で荒々しいロックだったころ?

人それぞれ答えは異なってくるとは思うが、残念ながら何の後ろめたさも持たず「今が全盛期」と答えられる人はいないんじゃないだろうか。

1983年の活動開始から2016年現在まで実に30年以上、
レッチリが結成した時に生まれた子供が、今は子供を生む側の世代。

ミクスチャーロックの第一人者であり、
世界的にもっとも有名なバンドの一つであり、今なお絶大な人気を誇るロックバンドRed hot chili peppers。

先日リリースされた彼らの新アルバム"The Getaway"がリリースされ、盛り上がりをみせているが・・・
さて、いかがだろうかこのアルバム。

賛否両論"The Getaway"

前作、2011年の"I'm with you"より5年ぶりのアルバム"The Getaway"

キャリアの長いバンドあるある、年を取るにつれて音楽性がマイルドになっていくテンプレ。
今回のレッチリのアルバムも例にもれず、ある意味予想どおりに賛否がわかれるアルバムとなった。

意見を大別すると

「おとなしい曲ばかりで面白くない、レッチリは年老いた」という否定派
「相変わらずレッチリは素晴らしい。最高!最の高!」という脳死肯定派
「みんな違ってみんな良い、サウンドが変わっていくのは当たり前、昔のレッチリとは違うがコレはこれで良いアルバム」という穏健派


Red Hot Chili Peppers - Dark Necessities

ちょっとでも隙がありそうならばこき下ろしてやろうと思いながら視聴に挑んだが、レッチリはレッチリ、悔しいがそれでもなおめちゃくちゃカッコいい。良い意味で洗練された音楽性となっている。
一見、少し地味に聞こえるサウンドだが、聞けば聞くほど深みを感じるというか。

正直今回のアルバム、僕は結構良作だと思う。
今までレッチリがやらなかったサウンドを今風のやり方で、でもレッチリらしさのあるアルバムであると思う。
もともとレッチリ本人らも音楽は成長し、そして変化すると語っているし、そのあたりも含めて好意的に捉えるならば今のレッチリにだせる最大限ではないだろうか。

 

Red hot chili peppersの時代はもう終わった

さて僕としては、"The Getaway"は良作であると思うのだが、これはアルバム単体で見た時の話。
今までリリースしてきたアルバムと比べると明らかに印象が薄いものであると思う。
恐らくライブでも盛り上がるのは今回のアルバムの曲ではなく、往年の名曲達ではないだろうか。特にフェスなんていう環境ではそういった傾向が強くなるだろう。

明らかにレッチリの全盛期は今ではない。
そして、今回のアルバムも後世に残るものではないだろう、”レッチリのアルバム”としては他にも名盤が多すぎて埋もれてしまうし、今回のアルバム単体だけではそれほどのパワーがない。

僕らがレッチリにハマるきっかけになった曲のことを思い返してみてもそうである。
今回のアルバムを聴いてレッチリにハマった若者はかなりレアではないだろうか。
若い人にはCan't stop、Give it awayやaround the worldのファンキーさBy the wayやUnder the bridgeのメロウさの方が伝わるだろう。


Red Hot Chili Peppers - Dani California

今から10年前、アルバム、ステイディアム・アーケイディアムとリード曲のDani Californiaが映画デスノートのタイアップもありヒットし、当時10代だった若者たちも「レッチリというカッコいいロックバンドがいると・・・
あの頃はまだレッチリはロックの中心であった。
30年のキャリアの内の10年、この変化は本人らの望んだものであるとしても、老いとともに何か大事なものを失っているような気がする。

 

ロックが老人のものになるのはいただけない

レッチリのファンの皆さん方の世代だと、クリームやレッドツェッペリンこそがロックの中心だと言い続けてきた世代を見てきたと思う。
結果的にそれらのロックはいまや老人のものとなった。

今回の記事で言いたいのはつまりそういうことである。
レッチリが老人の音楽になっていくビジョンが、今回のアルバムでよりハッキリと見えるようになったということだ。

だからといってどうこうするべき、などとは言うつもりもないが、
彼らがフェスのヘッドライナーやら雑誌の表紙を占めているのには違和感を感じる。在りし日のレッチリくらい勢いのある若いバンドがいるだろうに。
フェスや雑誌などを含めロックというもの事態が徐々に高齢化しているというか。

今回のアルバムは高齢化をマジマジと見せられたような印象を受けた。
過去のものはもう過去のものであるし、今のレッチリは今のレッチリ。
だがレッチリに寄せられる期待の大きさを考えれば、そのように割り切ることができない人も多いのではないだろうか。

 

ということでイマイチ着地地点の見えない話題になったが、今回のアルバム"The Getaway"は音楽以外にも色々と考えさせられる内容になっていると思う。

では今回の記事はこのあたりで。

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