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ガールズバンドらしさはFINLANDSにいらない

 女だけのバンドと聴いて何をイメージするだろう。SHAKALABBITS、GO!GO!7188、チャットモンチー、ねごと、SCANDAL、SHISHAMO、yonige、時代を作るガールズバンドは今日もどこかで結成されて、その傍ら解散している。俺が浮かんだのはZONEだったが、バンドというにはまだ微妙な時代だ。絶対数の問題で男のバンドに押されがちな彼女らは、どうしてもボーカルの素質が世間に認められる大きな役割を担っていると言えるだろう。

 そんな前置きを綴ったところで質問だけれど、ガールズバンドという括りで僕らは音楽を聴いてないだろうか。FINLANDSに謝ってください。

 

 

 俺には分かる。今年からFINLANDSのコピーバンドがyoutubeで溢れていくことが。yonigeをコピーするサークルの一年をバカにする二年女子がFINLANDSのコピーバンドをする姿が目に浮かぶ。

 どうしてもガールズバンドは演奏どうこうよりルックスと声に興味が行くのは僕が男だからではなく、きっと世間的にもそういう見方をしてしまうものだと思う。

 

 クリープハイプが街で流れるようになったとき、こんな感想を抱いた人が多いと思う。「どんな声してんだ」と。僕が初めて聴いたのは多分「オレンジ」だか「左耳」をyoutubeで聴いたときだけれど、即ページ閉じた。耳が受け付けなかった。今じゃ武道館行くほどのファンだけれど、クセのある声っていうのは諸刃の剣だ。

 

 ぶっちゃけ凛として時雨やクリープハイプみたいなのは何回か聴いていく度に病みつきになって、意外といいじゃねえかってなる魔法(麻薬)があると僕は思っているんだけど、FINLANDSはその塩梅が凄く上手い。狙ってやってるわけじゃないだろうけれど、ガールズバンドとしてメロディのキャッチーさを重視しつつ、しっかりキメるベースに時折飛び道具のように入る塩入冬湖のキュッと絞る声。だから初見でも、きっとタワレコの試聴機で何気なく聴いてもキャッチーさが際立つから入りやすい。このセンスは凄い。

 

 この曲もリフから凄いキャッチーだし、曲の構成もサビ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒大サビの一般的な流れなんだけれど聴いててクドくない。あれ?もうガールズバンドなんていうどうしようもない括りでFINLANDSを聴かなくなってきているのではないだろうか。そもそもガールズバンドっていうジャンルで競わせるようなメディアの売り出し方とか特集の組み方があんまり好きじゃなくて、こんな記事を書こうと思ったんですけど思いの外自分がFINLANDSにハマっている現状でして、ぶっちゃけ男四人でキラキラしてる縦ノリのバンドより全然ロックしてるんですよ。

 ボーカルってバンドの顔だと思うんですよね。それはやっぱり絶対的にそうなってしまうというか、女性は特にそうなりがちだけれども、楽曲と自分の喉で勝負してるってところが僕はとても好きで、あとは歌詞の内容が絶対的にどす黒いんですけど、歌詞解釈みたいなのはここのコラムに書くものじゃないと思ってるんで、それは聴き手のご想像にお任せしたいと思います。

 

 灼熱のロック最前線、女二人でこれからどこまで突き進むのか。

 これからのFINLANDSに期待です。

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