ラップていうかヒップホップっていうか、SOUL'd OUT
ラップ音楽に食指が伸びない人たちも、名前くらいは耳にしたことがあるだろうか。
SOUL'd OUTは昨年1月惜しまれつつも解散を発表したヒップホップユニットだ。
肩書としてはヒップホップユニットというのが一番しっくり来るが、彼らを語り尽くすにはそれだけでは不十分だろう。
SOUL'd OUTはSOUL'd OUT。
ラップに詳しくないという人も一曲聴けば、曲から滲み出すその特有の体臭で彼らの特異性に気が付くだろう。
アリかよこんなの
2000年代初頭、邦楽メジャーシーンにおいてリップスライムやキックザカンクルーを筆頭とする「売れ線ヒップホップ」などと呼ばれる音楽の台頭が目立った。
僕ら冴えない日陰者がバンプやラッドなどを聴いている対岸で、クラスのイケてる男女がMDで聴いていたあれだ、なんとなく思い出せるだろう。
SOUL'd OUTもその一角として捉えられることが多い。
トラックメイカーのShinnosukeが作るトラックのポップさやシーンでの立ち位置がそう認識される所以だろう。
「あー、ああいうのか」
と何となく想像はついただろうか。
ではさっそく聴いてみよう。
うぇ、ウェカピポ…?
本人に確認を取ったわけではないので定かではないが、恐らくWake Up Peopleのことだろう。いやウェカピポて。
フロントマンのDiggy-Moは英語にお強いそうで、ネイティブとは言わないまでもそこそこ喋れるらしい。どこから拾って来たんだという英単語も歌詞の中に散見される。
しかし堪能な英語を前に押し出さず、あえて日本語英語。いや日本語英語というか彼独自の呪文のような謎言語、曲によっちゃ「ウェッ」とか「チェッ」とか「ピョッピョッピョッ」とかスタッカートが強すぎて何語にも聴こえないような部分も多々。
これぞまさに彼らの醍醐味だ。
英語もそうだが日本語も大概だ。
「荒・荒・荒波立つ」て。アリなのか。
クリストファーコッロンバース
高いラップスキルに当時国内では斬新だった独自の字詰め、そして謎繰り返し・謎英単語・謎スタッカート。
とてもファンに愛されていたと思う。後世に残っていって欲しい素晴らしい音楽だった。
湿っぽいのは彼らには似合わないので、最後に彼らのハイセンスなCDジャケットを見てお別れしよう。
SME (2012-08-01)
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それではまた次の記事で。