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みんな、あのちゃん好きなのに、ゆるめるモ!については…

 あのちゃんはヤバい。見てると目が乾く。目視に必要なカロリーが高い。あのちゃんはヤバい。

 最近のアイドルグループには必ずと言っていいほど黒髪ボブ枠が用意されている。特にサブカルに片足か両足漬けているグループには必ずいる。他にもツインテール枠、派手髪枠、金髪ショート枠などなどがあるけれども、黒髪ボブ枠はそのグループの裏看板娘に与えられるポジだ。戦隊モノで言えばブラック。ケイン・コスギだ。リーダーにしちゃうとそのグループ自体の毛色がサブカルに舵を切りすぎる為、リーダーは無属性や元気属性っぽい子が採用されがちなんだけれども。黒髪ボブはサブカル側からの人気度を左右する重要枠。ボブ枠なんだよ。

 それにしてもあのちゃんについては人気があまりにもカルト染みている。時代が生んだコンテンツだ。

 

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 この時点で日本で一番価値のあるビニール傘がこれ。

 他にわかりやすい表現がないので俗な言い回しになってしまうんだけれど、サブカル・メンヘラっていうこの10年の間に新しく発生した概念を統合するアイコンとして十分すぎる素質素養があったのだと思うのです。

 今更まったくサブでもないのにサブカルチャーなんて言い回しをするのはなんだか家族なんか見かけないのにガストやデニーズをファミリーレストランと呼ぶようなものだけれど、サブカル側の人たちは男女ともに黒髪ボブの女の子が大好きだし、文化としてのメンヘラは浅野いにおとか、ゆめかわいいみたいにサブカルチャーと隣接・一体化している部分がある。

 メイク・髪型・キャラクター・顔付き、それらのすべてが上記のサブカルメンヘラなるものを代表するのに相応しい完璧な素養を持っていた。彼女が出てきた時「時代が求めていた」ってこういうことなんだと思うた。ミスIDがジワジワ手を付けていた市場をひょいっと乗り越え、田中愛子だけじゃカバーできていなかった穴にシュポっと入り込んで、結果あのちゃんっぽい女の子がツイッター上に量産されるようになった。なるよな。僕が美少女ならなってるよ。わかるよ。

 

 で、本題なんですけども。あのちゃんは

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 このクソかわいい獅子舞みたいな画像で橋本環奈ちゃんと対比されるようになったのがきっかけに急激に人気を伸ばした。毛束感カワイイー。

 YouTubeの再生数で言えば、ひと月前に一般投稿されたこの動画、SNS上で拡散し尽くした後の出がらしのような動画にもかかわらず10万再生されている。インディーズバンドが一生かけてたどり着けるかどうかの距離だ。それをひと月。かわいさは音楽に勝るな。

 スピッツなんかアルバム1枚通して聴いて2年後ぐらいにふとまた聴きたくなって「いいなあ~」ってなるけど、あのちゃんは見たら発生2fでカワイイもん。草野マサムネで勝てねえなら音楽じゃ勝てねえよ。かわいさの暴れ。ガードして不利なまま壁際まで固められて不利な2択(恋するか愛するか)迫られ続けるクソゲーだよ。目の下赤くするメイクが好きなのホント自分でもどうかと思うけどどうしようもねえ。

 

 で、ゆるめるモ!よ。ここまで一切説明してなかったけども念のために説明するね。あのちゃんのいるアイドルグループの名前ね。動画がこちら

 ヘイ、再生数一桁少なくないか。

 作曲はミドリカワ書房の緑川氏で、MVはアリスムカイデちゃんと並んでMV界切ってのおさせ、加藤マニ監督。で、あのちゃんいるんだぞ。あのちゃんのフォロワー全員が1回見たら再生数倍になる計算ぞ。

 ちょっと気になってゆるめるモ!公式ツイッターも見てみたんだけど

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 比がオカシイ。今日言いたいのはコレ。ゆるめるモ!の知名度・認知度があのちゃんと比較して低すぎるというお話です。あのちゃんが可愛すぎて長くなりました。

 名前くらいは知ってるー。って人結構いるんだけど、曲はまったく聴いたことない!っていう人多いみたいね。僕もそうでした。ごめんなさい。メンバーもあのちゃん以外だと"ようなぴ"ちゃんしか知りませんでした。おぼえよ。

 

Wikipediaから概要

概要
「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味をこめて命名された「脱力支援アイドル」[1]。
「逃げろ!!」に代表される「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマにした独特の歌詞、ニューウェーブを軸に多彩なジャンルに挑戦した楽曲、つなぎ衣装が特徴。アルバムジャケット、衣装はディーヴォ、ESG、ノイ!等様々な海外バンドをオマージュしたものが多い。
POLYSICS、ギターウルフ、坂田明、ヒカシュー、非常階段、cinema staff、アーバンギャルド、Deerhoof、バッファロー・ドーター、ドラびでおなどのジャンル・世代を問わないミュージシャンとの共演・コラボレーションも特徴である。

「辛いときは逃げてもいいんだよ」「頑張ることだけが幸せじゃない」とか言うミュージシャン・ポエマー・自己啓発本、結構ありますけども、こやつらお前らが逃げた後のことは一切面倒みてくれないから気を付けろよ。耳触りの良いこと言って金を巻き上げたらそれで営業終了だからな。辛いとき逃げると後が余計辛いぞ。甘言に殺されんぞ。

 で、あのちゃんが可愛いんですけども参加メンバーがすごい。脈絡がねえ。脈絡なく各ジャンルのヤバい人呼んでる。あとナカコーとか後藤まりことかいる。脈絡がねえしニューウェーブアイドルをうたっているのにニューウェーブですらねえ。

 

 初期ゆるめるモ!に関しては、正直音楽性はキツい。地下アイドルの地下部分をドレッシングかけずに食わされるような感じよ。DEVOの衣装が困惑を誘う。メンバーはこの頃から半分に減ってしまった。ノルマンディー上陸作戦かよ。

 1度名古屋の地下アイドルの祭典みたいなやつに行ったことがあるんだけれど、こういう曲調のグループが結構数いて他はメロコア崩れのような音楽だったり90年代の歌謡曲のような曲が多かった。バンドだと生演奏ってこととライブ感でアマチュアバンドも聴こえはとりあえずなんとでもなるけれど、音源を流すアイドルグループだとこういった曲調はミックスの荒が目立ってキツかったりする。

 良い意味でも悪い意味で"地下感"がすごかったゆるめるモ!なんだけど

 

 モロPOLYSICSで笑っちまう。好きです。逆になぜかこの曲は衣装がDEVOじゃない。

 バンドミュージシャンがアイドルの曲を作ると、自分のバンドでできないようなムチャクチャをブチ込んでくるのいいよね。ノリノリで制作しているのが目に浮かぶ。

 音楽的には各ジャンルごった煮状態ですごく面白い、んだけれど唯一出ているフルアルバムの音源はまだ初期初動感が抜けきらず、ライブに行くようなファンじゃないと楽しめない楽曲編成となっている。

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 ほら、人多いころだし。個々の個性も出しづらかった部分がある。ファンじゃない人間は6人以上が歌うグループの声を聞き分けられない。

 

 今回の記事の落としどころとしましては。アイドル産業もそう簡単ではないんだな、ということ。

「あのちゃん好き!かわいい」って言う人は結構数いるんだけれども「でもライブは行ったことないし音源も聴いたことない… 大森靖子聴いてる…」みたいな人多いよね。

 例えばももクロなんかは一種のお祭りコンテンツとしてワーイ!とライブ会場に飛び込んで思いっきり騒いだりカラオケで歌ったりしたくなるし、BABY METALも「メタルの楽しい部分の強調」としてアイドル要素を受け入れられるんだけど、正直なところ地下アイドルというのはまだまだ僕らにとってなかなかハードルが高いもんで。怖いもの見たさ、新しい扉を開けたさでライブに行ってみたいなあと思う反面、公式ツイッターのヘッダー画像を見るに「馴染めるか…?」という一抹の不安がよぎる。たぶん、普通の人がインディーズバンドのライブに感じる距離の遠さと同じなんだろう。

 そんでもってあのちゃんのファン層といえば、冒頭でも述べたようなサブカル層だ。イソベマスヲと江崎ビス子のラインスタンプとか送ってくる人たち。そこからの地下アイドルの距離はだいぶ遠い。これが地上っぽくなってくれば、曲調に強烈な個性がつけば、また距離感がずっと違う。

 でんぱ組みたく、看板となるメンバーがもう1~2人いれば「あ、ライブいってみたい!」の波の大きさが大きく変わる。僕は最近けちょんが好き。前歯が好き。レコメンド。

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 アイドルにドハマりして財産撒き散らしたい願望。みんなにもあると思う。今回はぜひともこの記事をきっかけにゆるめるモ!を聴いてみてはいかがだろうか。僕はとりあえずライブ行ってみたい。怖いから誰か一緒に行ってくれる人探してる。

 最後に、みんなあのちゃんのこと気軽にあのちゃんあのちゃん呼ぶけどな、身長164cmあるからな。ゴッチよりデカい。あのさんと呼べ。それじゃあまた。

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