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2017/04/15

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back number好きな人に盆栽やらせてみたい

 みなさん吉野家食べたことありますか?

 日本国民なら誰しもが吉野家くらい食ったことがあると思うけど、世の中は広いものでごくまれに食べたことないっていう常識が通用しないヤツに遭遇することがある。

 知り合いのクソお嬢様みたいなやつがそれで「へえー下界の食べ物も意外とイケるもんですね」とかぬかしてた。二郎とか見たらショック死するのかなこの人は。

 吉野家は極端な例だけど、ちょくちょくこういうやつがいる。合コン行ったことないとか、ウニ食べたことないとか、旅行好きで日本中めぐってるけど名古屋には一度も行ったことないとか。

 というワケで、先にことわっておこう。僕はたまにいる吉野家食ったことないやつみたいな一人です。先日僕初めてちゃんとバックナンバー聴きました。自分でもびっくりするけど、灯台下暗しというか、こういう誰でも知ってる有名なバンドほど油断してしまうのだ。

 みなさんバックナンバーについてどんなイメージを持っていますか?今更になって初めて聴くなんて圧倒的少数だと思うけど、それが逆に新鮮でよかった。このバンド、多分みなさんが思ってるよりも万倍ヤバいです。

普通だけどカッコいい


back number - ハッピーエンド

 初めて聴いた分際でなんですが、このバンド凄い。

 何が凄いってめちゃくちゃ普通。音楽的になにか特徴があるわけでもなく、とりわけて今流行のサウンドってわけでもないし、昔からあるスタイルの超普通のスリーピースバンド。

 顔も特別イケメンってわけでもないし、何ならバンド名すら普通。超ありがちなバンド名。CDコーナーに並べられると埋もれやすい。邦楽ロックだけで”back~”ってバンド名の10個ぐらいあるぞ。文字列すら弱い。

 音楽以外にも娯楽に溢れかえってるこのご時世、一つ頭抜けて売れる音楽は鹿の解体したり、トランシーバーもって歌ったり不倫したりと大抵何かしらドギツイ特徴を持っている中、バックナンバーだけがあまりにも無防備だ。

 こんなポークカレーノートッピングみたいな音楽以外で勝負していないバンドながらアリーナツアーバンバン打ってる。このヤバさ、みなさんもおわかりいただけると思う。

 あと個人的には声がすごい好き。ミスチルとかサザンとかもそうだけど、声に説得力がある。音声学によるとジャパネットたかたの社長の声とか非整数次倍音が沢山含まれてて本能的に注目してしまうって話を聞いたことがあるけど、バックナンバーも恐らく多分そのタイプだと思う。

 

ずっとクライマックス


back number - クリスマスソング

 別に悪い意味で言ってなくても、あまりに普通普通言うのは、それはそれで悪口になる。と高校時代の友人、中肉中背の山田くんも言ってたし、バックナンバーに関してもあんまり普通普通いうとファンの人が怒らないか心配なんだけど、安心してほしい。一つだけヤバい特徴があります。

 このバンド、一曲単位で聴くと普通の良い曲なんだけど、アルバム通して聴くとヤバい。ほぼ全部バラード。

 「クリスマスソング」「僕の名前を」「ハッピーエンド」「花束」「手紙」「電車の窓から」「恋」「思い出せなくなるその日まで」「ヒロイン」「fish」代表曲をざっと挙げてみたけど、これ全部バラード。

 しかも、ただテンポが遅めな曲じゃなくて全部勝負曲。サビで感情がこもって顔がクシャってなるタイプの本気バラード。一曲一曲が非常にヘビー。コース料理頼んだら、カツ丼が出てきてパンが出てきてうどんが出てきて雑炊が出てきてみたいな感じ。炭水化物のオンパレード。普通こういう曲って一つのバンドにつき2~3曲くらいが平均なはずなんだけど。

 バックナンバーカッコいいじゃん、もっと早くから聴いとけばよかったって思ってたけど、初心者の僕にはまだ訓練が足りてないのでこのバラードの連発はちょっと厳しい。心の胃もたれがヤバい。油断して聴ける曲がほとんどない、全曲本気で聴かんといかん。

 あと最近ベストアルバム出たけど大変なことになってる。なんと2枚組全32曲、危険な香りしかしない。数えてみたけど18曲がバラード、感傷に浸り過ぎてヒリヒリする。ベストアルバムの目的の一つは新規ファンの入門編としてっていうのがあると思うけど、こんなもん初めての人は食い倒れしてまう。濃厚すぎる。

 こんなデカ盛りティラミスみたいな音楽を連続して聴けるファンの皆様はもうすでに常人ではなく、フードファイターの域に達していることを自覚いただきたいワケでございます。完全にクライマックス中毒。もう今となっては盆栽とか爬虫類の飼育とかいった起伏の少ない趣味は無理。大切に育てた盆栽をへし折って悲しみのバラードを歌い始めちゃう。

 

back number想像以上にヤバいバンドだった

 さて、ちゃんと聴くまでバックナンバーはクセがないところがウケてるのかと思っていたけど、ふたを開けてみたら真逆。クセしかない。いかにもスタンダードですみたいな顔して寄ってきた人をバラードの嵐で圧殺する危険バンド。

 恐らくファンの人は曲がリリースされた順に一曲ずつ聴いてきたからこのヘビーさ加減をもろともしないのだろうけど、僕みたいな耐性のないパンピーが一気に聴くと急性バラード中毒になってぶっ倒れる。

 お酒とバラードはほどほどに。とりあえず僕はベストアルバムをディスク1からゆっくり慣らしながら聴こうと思います。

 では今回はこのあたりで!

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