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2016/05/14

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邦楽、洋楽の違い 音楽性編

"邦楽っぽい洋楽"や"洋楽っぽい邦楽"
"邦楽らしい~""洋楽特有の~"等とアーティストのレビューで言及することが多くなってきたので
今回はいっそ邦楽洋楽の音楽性のはっきりとした違いについて考察してみる

目次

 展開から見る
 コード進行から見る
 サウンドから見る
 文化から見る
 まとめ
 

展開から見る

一番明確でわかりやすい違い、邦楽洋楽の展開の差からまず見てみよう

ご存じだろうか、そもそも洋楽には"サビ"という概念がないに等しい
日本人ならば、音楽なんか全然聴かない野球少年や70才のおばあちゃんでも知っているサビという言葉
実は英単語に訳すことすら困難なのだ
訳すとすればChorusという単語が一番近いかと思われる。
だが一曲のうちにChorus1 Chorus2等あったり、そもそもなかったりと、あまり意識されていないようだ
この傾向はメジャー・ポピュラーミュージックから遠のけば遠のくほど強くなる

その日本語にしかないというサビなるもの、ではそもそもサビとは何か?

曲の中でもっとも盛り上がる部分。
wikipediaより引用

ワビサビの"サビ"AメロBメロが"ワビ"としたとき、それに対してより盛り上がる部分を"サビ"と表現しているようだ
要するに一番盛り上がるところの事らしい。
この"イントロ Aメロ Bメロ サビ"の一連の流れ
日本の音楽シーンでは相当マニアックなサウンドのバンドですら外すことなくこれに準ずる事が多い
AメロからBメロで大人しくなり、サビで爆発!これだ

 

対して洋楽は明確にAメロBメロサビという区分で作られてないことが多い
もちろん曲の中で特に聴かせたい部分は洋楽にもあるが"印象深いパート"として終始し
日本でいう"サビ"のそれとはまた少し違ったものである

確かにA B サビでドン!という曲もあるが(USポピュラーミュージックで見かけることが多い)、邦楽と比べれば圧倒的に少ない
洋楽が"サビ"を意識していないというよりは邦楽の方がより強く意識しているように思える

コード進行から見る

楽器演奏をしない人の為に、まずコード進行とは何か説明しよう
多くの、いやほとんどの楽曲は"和音"と言って2つ以上の音を重ねて楽器を鳴らしていたり、複数の楽器で違う音程を鳴らしている
これがコードだ。
そしてコードには一つ一つ、落ち着かせたり不安にさせたり盛り上げたりと役割がある
そのコード達の楽曲上での遷移をコード進行といいコード楽曲の雰囲気の大部分を担っている

 

というのがコード進行のザックリとした概要だが
コード進行一つとっても洋楽邦楽の間には違いが生じる
上述のとおり、コード進行とはその楽曲の雰囲気、展開を決定づける為に不安定と安定を繰り返すものなのだが
邦楽の場合その起伏が洋楽と比べ激しい傾向にある


Bメロ終わりからサビに入った時の「ドン!」とした安心感これである

 


対して洋楽、ぬるっと入る、曲全体としてもナチュラルな起伏に収まったり、不安定のまま解決せず流すなんてことすらある

余談だが日本にだけ存在する王道進行がある
明るいのか悲しいのかどっちなんだ!?というようなコードの彷徨い方をする進行なのだが
日本人はこれが大変お気に入りらしい
ここで僕が記述するよりも詳しく説明しているサイトが多々あるので王道進行に関してはそちらをみて頂きたい
とにかく何が言いたいかというと、コード進行ひとつとっても邦楽らしさがあるということだ

サウンドから見る

ここは邦楽ロック、洋楽ロックに視点を置いて考察しよう
(ポップスになってくるとどちらも何でもありになってくるので)
まず我らが邦楽ロック2000年代、代表格BUMP OF CHICKEN大先生だ


うん、かっこいい。

 

では洋楽ロック2000年代代表格の2バンドを聴いてみよう、1コーラスまででいい。


 

ここでもコードの話になるがコードの使い方がまるで違う
少し専門的な話になるが、邦楽ロック、特にロキノン系スタンダードのようなバンドは3和音以上のコードを歪ませてジャカジャカと弾き続ける曲が多い
対して洋楽は最小限の音、一音一音を無暗に伸ばさない
そして場合によってはコードストロークを一切せずただピコピコしてるだけ、ブロークンコードでコード感を出すこともある。

これが2010年代、昨今になると


邦楽ではコードストロークによるコード感を生み出す文化を踏襲しつつ
よりジャキジャキのクリーン寄りのサウンドやストロークを抑え緩急をつける傾向が強くなりつつある

 


対して洋楽、この一例では説明しきれないが、お国が広い分サウンドの多様化も激しい
中には邦楽のサウンドを逆輸入したようなバンドもあり(機会があれば是非紹介したい)音楽性の画一化がなされない

文化から見る

当たり前だが、邦楽は日本語、洋楽は英語
音節的には英語の方がメロディを乗せやすいというのはよく言われる話である
なので日本人が聴きなれぬ国の音楽、例えば中国の音楽を聴いたときに「面白い響きだなー」と感じるように
言語による音の響きにそもそも差がある

そして根も葉もない話だが、洋楽は英語だから多くの日本人からして「何いっとるかよーわからん」となってしまう
日本のオリコンチャートに洋楽が並ばない大きな理由の一つだろう

あと外せない話題としてはリズムの取り方の違いだ
よく言われる話だが、日本人は表で拍を取り、西洋人は裏拍をより意識している。と言ったことである
そもそも日本人にはDNAレベルで「裏」というものがしっかり認識できていないとまで言われることすらある

それが顕著に出ているのが最近流行りの卑怯ドラムことダンスビート


最近の邦楽を聴くとノリのいい曲は全てこれなので意識して聴いてみて欲しい、本当に面白いくらい卑怯ドラムが多用されている
そしてメロディの強拍まで表表アンド表だ

対して洋楽、裏ノリの音楽が多い、


メロディからして裏ノリ、これも洋楽らしさのエッセンスの一つを担っているだろう

まとめ

細部まで言及すれば上記の内容ではまだ説明不足なほど邦楽と洋楽には大きな違いがある
それは優劣ではなく、邦楽が日本独自の進化を遂げた結果、いままでのミュージシャンたちの試行錯誤の上に成り立っているものだし
日本の音楽だ!と海外に対して誇らしい気持ちで胸を張っていい物だ。

あえて問題点を提起するならば、日本のリスナーたちの音楽のストライクゾーンの狭さ
上記の特徴から外れた音楽はなかなか評価されづらいのが現状である
いわゆる「キャッチーじゃない」という奴だ
それゆえ画一化された音楽が評価を受け、日本の音楽シーンはキャッチー戦争状態となっている
それがきっと一部の音楽ファンの言う「最近のバンドはつまらねえ」の正体だろう
いかに聴衆の耳を育て、幅広く様々な音楽を受け入れてゆくきっかけになる、キャッチーとその外をつなぐ架け橋になるような音楽の登場がシーンの課題だ。というのは言い過ぎだろうか?
キャッチー戦争もまぁ良いが、内戦の先には滅亡しか待っていない。
現在の風潮に迎合し、すばやく売れて金になるバンドを売り出し、リスナーの嗜好の洗脳しているような現在の音楽シーンに
未来なんてものは本当に来ないんじゃないか?と思ってしまう

洋楽化しろとは言わない、邦楽は邦楽らしさ邦楽の良さを残しつつ、もっとリベラルな発展を期待したい。

 

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