韓国の音楽ってダサい?韓国のSuchmos? Hyukoh(ヒョゴ)
みなさんは韓国の音楽といえば何を思い浮かべるだろう。
“少女時代”とか、“KARA”とか、そのへんのK-POPを思い浮かべる人が多いはず。
ここのサイトを読んでる人は大体そこらへんの音楽は聴かないだろうけど、ちょっと待っていただきたい。僕もそんなんはあんま知らない。だが韓国の中でも“ロック“、“K-ROCK” を鳴らすバンドは知っているだろうか?思いつく限り思い出してほしい。
まあたぶん思いつかなかったでしょうね。そうでないとこの話の流れ上、困る。
どうしても”韓国の音楽”といわれるとK-POPの印象が強すぎて、K-ROCKという発想にまで至らないことが多いけど、実は良いバンドがいるんですよ。みんな大好きJ-ROCK。ならK-ROCKも聴いてみようよ。
今、韓国がアツいんです。
その名も“ヒョゴ”。
Hyukoh - Come&Goes
なんだこのオシャレなあばれる君。
王道の4人編成のバンド。全員23歳の若手で韓国では今大人気のバンドだ。
そこらへんにあるような音楽とは一線を画している。ボサノヴァっぽいイントロから始まり、そこからファンキーでオシャレなノリがくる。心地よいクリーンギターに四つ打ち、サビもしっかりキャッチー、曲の進行はシンプルだがそれでいて全く飽きない。
欧米からの音楽をロックのフォーマットで演奏して、最終的にオシャレにまとめる。ルーツこそ違うが、方法論的には日本でいうSuchmos的な立ち位置っぽい。
そしてやっている事はものすごく単純。コードも4つのコードをひたすら繰り返しているだけだ。シンプルな進行だけどめっちゃ良い。
(日本からしたら韓国の音楽も洋楽だけども)こういう洋楽的なアプローチって、アジア系の人じゃなかなか出せない“欧米の専売特許”的なイメージが若干あったけど、彼らは完全にそれができている。
例えばマルーン5の“Sunday Morning”なんかは一聴した感じそうは聴こえないが、実際はほとんど3つのコードを繰り返してるだけだ。
それだけであれだけの曲にできてしまう。こういう曲は割と多いが、なんだかHyukohにはマルーン並みのセンスを感じる。
Maroon 5 - Sunday Morning
だがこのバンドはこれだけじゃない。想像もつかないような最高にロックな曲もある。
僕はこれにやられた。
Hyukoh - MATIONSOUL
欧米か。タカトシみたいな頭しやがって。レッチリを彷彿とさせるようなイントロから始まり、うねるようなベースや攻撃的でソウルフルなギター。まさにロック、最高に痺れる。
さっき引き合いにだしておいて申し訳ないんだけれど、全然Suchmosじゃないですねこれ。レッチリだ。
しかもこのバンドは歌声がすごく良い。
作詞作曲を担当しているVo./Gt.オ・ヒョクの渋い歌声。見た目こそ悪くなったあばれる君だが、この様な曲ではロックの勢いを加速させるかのような力強くブルージーな歌声を放つ。
そしてお気づきだと思うがこの曲、“サビ”がない。
皆さんが普段聴くであろう「イントロきてAメロ、Bメロ、サビドーン!」みたいな感じではないのだ。“イントロ→A→間奏→A”という感じでひたすら繰り返される。
もし「Aと間奏だけで曲作ってください。」って言われたら普通、聴くに耐えん駄曲ができあがるよ、もう即ボツ。それだけで聴かせるのはなかなか難しい。
それをこのバンドはこの究極にシンプルな進行でこれ以上ない曲の完成度を表している。きっと彼らがこの曲の一番かっこいいと思った進行なのだろう。
以前当サイトの記事に“邦楽が洋楽に劣っている部分”という記事があったがそれの中にこういう表現があった、
洋楽のリングは蹴り殴りアリのフリーファイトだけど、邦楽の土俵の上ではそうはいかない、制約が多くある。
これを使わせてもらうと(もちろん邦楽が劣ってるという意味で使っては無いが)彼らはこの曲で完全にフリーファイトしている。なんというか音がもう完全に向こうのそれだ。ルールなんて存在しない。もうドロップキックからのマウンティング顔面殴打。そしてヘッドバッド。ピーター・アーツみたいな頭しやがって。
これが今の韓国を代表するロックバンドだ。韓国の音楽水準高え。ちなみに去年のサマソニにもでており、知名度はこれからもドンドン上がるだろう。
今のうちにチェックしておくと名が出てきた頃に
「あぁ、ヒョゴね。良いよねこのバンド。え、知らないの?」
と鼻を高くできるので、知っておいて損はないだろう。
それでは。